モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

イワカガミはどこでも元気。

2022年02月05日 | 高山植物

イワカガミはイワウメ(こちら)同様、
「岩」を冠するものの、岩場よりも平らな草地や湿地で多く見られる。

2013/06/17 須川高原いわかがみ平湿原のイワカガミ群生。バックは秣岳。



ウィキペディアによると、

イワカガミ(岩鏡、学名:Schizocodon soldanelloides)は、
イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草。高山植物の一種ではあるが、実質的には低山帯から高山帯まで幅広く分布する。 
茎は細く、地を這って、茎の先に葉が束生する。葉は厚く光沢があり、葉身は円形で、長さ幅ともに3-6cmになり、
先は円形または広三角形で頂部は短くとがり、縁はとがった鋸歯があり、基部はわずかに心形となり、
長い葉柄がある。葉の基部の側脈は一箇所に集まる。
花期は4-7月。束生した葉の中央から高さ10-20cmになる花茎を伸ばし、先端に3-10個の花を総状花序につける。
花は淡紅色。萼片は5個で、裂片は長楕円形。花冠は径1-1.5cmになり、漏斗状で5裂し、裂片の縁はさらに裂ける。
雄蕊5個と短い仮雄蕊5個がある。雌蕊は1個。果実は径3-4mmになる球形の蒴果となる。 
北海道、本州、四国、九州の高山帯から山地に分布し、草地や岩場に生育する。 
和名イワカガミは、「岩鏡」の意で、岩場に多く生え、葉に光沢があることから「鏡」に見立てたもの。
種小名 soldanelloides は、「サクラソウ科の Soldanella属に似た」の意味
ところが、ヨーロッパ原産で、日本で栽培種として流通しているサクラソウ科の Soldanella alpine には、
「イワカガミダマシ」の和名がついている。
生育地によって植物体の大きさに変異があり、
コイワカガミ、イワカガミ、オオイワカガミという名があてられているが、
それらの中間型が存在し、変異も連続的で、類型分類では区別できないという見解がある。(一部略)』
とあった。

イワカガミは東北の高山ではほぼ普遍的に見られる。
以下、主だった山での生育状況を列記してみる。

栗駒山の紅葉は素晴らしいが、花は少ないお山だと思っていた。
しかしイワカガミ(他にはアカモノやシラタマノキ)は多かった。
特に硫気孔のある須川温泉や昭和湖付近では大規模な群生になっていた。

2013/06/17 須川高原いわかがみ平湿原のイワカガミ群生。



2013/06/17 須川温泉付近のイワカガミ。



高松岳も花の少ないお山だが、イワカガミは多く、ここではドッキリするような濃色の株に遭遇した。

2020/06/06 高松岳にて。



鳥海山では鉾立から登ると、
標高1100mの登山口付近から2000m超の山頂部まで広く生育している。

2019/07/06 鳥海山にて。アオノツガザクラと一緒。



2021/07/15 鳥海山にて。チングルマと一緒。



月山も登山口から山頂まで、しかも切れ目なく見られる。

2020/06/22 月山にて。イワカガミ単独。



2020/06/22 月山にて。ミヤマウスユキソウと一緒。



北に飛んで八甲田山。

2019/06/19 八甲田山大岳にて。



森吉山ではチングルマと並んで多く、この山の初夏を代表する花風景になっている。

2013/06/30 森吉山にて。チングルマと混生。



八幡平にも多いが、西側の焼山火山で特に多かった。ここも栗駒山同様、硫気孔の付近で群生していた。

もしかしたら日本最大規模の群生かなと思う。

2019/06/09 焼山火口付近にて。                                                                   2018/07/14 八幡平・大深湿原にて。
 


秋田駒ヶ岳にも多い。

2017/07/10 チングルマと一緒。



以上は高山での生育状況だが、イワカガミは1000m以下の山地帯の樹林下でも見かける。
花色は白か薄いピンクが多く、オオイワカガミと呼ばれる種類かと思われる。
格別、葉や花が大きいわけでもなく、高山のイワカガミと識別が困難だ。

秋田山形県境の甑山(こしきやま)(981m)で見たものを報告してみる。


2018/05/27 男甑山から女甑山を望む。               2018/05/27 甑山のオオイワカガミ?
 


2018/05/27 甑山のオオイワカガミ?ピンクタイプ




2018/05/27 甑山のオオイワカガミ?



秋田駒ヶ岳や北隣の笊森山には、一般的なイワカガミの他に次のような小型の種類が生えていた。

草丈(花丈)も葉の径も3~5センチと小さい。
手持ち図鑑の絵合わせではヒメイワカガミ Schizocodon ilicifolius によく似ているが、
改訂新版・日本の野生植物(平凡社)の説明では、ヒメイワカガミの分布地は、
「関東、中部、紀伊半島の主に太平洋側」とあった。
新分布地だろうか。

なお秋田駒ヶ岳、笊森山ともにイワカガミが隣接して生育しており、両種の雑種のようなタイプも見られた。

2018/06/16 ヒメイワカガミ? 笊森山にて。
 



2021/06/17 ヒメイワカガミ? 秋田駒ヶ岳にて。



このタイプのイワカガミ、日本海側の鳥海山でも見つけた。

2018/06/10 鳥海山にて。



以上。




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2 コメント

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Unknown (ミルク)
2022-02-05 17:20:54
こんばんは。
イワカガミも大好きな花です♪花びらのフリフリが
なんとも可愛いですね。
イワカガミ平には、1度しか行ったこと無いですが、感激でした。

森吉の山人平の、群生でしょうか?
私が行った時も、チングルマとイワカガミの群生が、見事でした。

この時期に花の紹介、うれしいです♪
返信する
ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2022-02-05 18:52:44
ありがとうございます。
森吉山の混生シーンは山人平のものです。
イワカガミの群生は八幡平西部の焼山が凄いです。
一説では国内最大規模とも言われています。
今年は可能ならば行ってみたいのですが、
クマさんの多い山なのでどうなるものやら。
返信する

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