モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

壁の花むしろ・イワウメとお仲間たち。

2022年02月03日 | 高山植物

(冬場は山には行きません。夏場の回想記事が主体となります。
その一環で「高山植物」のカテゴリーを創設、山の花について語って行きます。)

イワウメ
は岩壁に貼り付いて咲くユニークな姿の高山植物だ。

ウィキペディアによると、
『イワウメ(岩梅、学名:Diapensia lapponica var. obovata)は、
イワウメ科イワウメ属に分類される常緑の小低木の一種。高山植物。
別名はフキヅメソウ、スケロクイチヤク。

枝は横にはい、厚い革質の葉が密生してクッション状となり、一見しただけでは木本とは思えない。
葉は倒卵状のくさび形で長さ1 cm前後、幅4 mm前後。花は乳黄白色でまれに淡紅色を帯び、
7-8月に枝先から伸びた長さ2 cmほどの花柄上に1個つく。
合弁花であるが、平開する花冠が直径1.5 cmと小さい上に5中裂するため、花弁が5枚あるように見える。
雄蘂は5個で萼は5裂する。
果実の朔果はが長さ約3 mmのほぼ球形。
花が薄紅色の品種は、ベニバナイワウメ(f. rosea)と呼ばれている。

韓国、日本、サハリン、シベリア、ウスリー及びカムチャッカに分布。
母種のボソバイワウメ(学名:Diapensia lapponica subsp. lapponica)は、北半球の寒地に広く分布。
日本では北海道から本州中部にかけての高山帯に分布し、岩礫地や岩壁に張り付くように生育する。』
とあった。

2020/06/22 月山で見たイワウメ。上の方で咲くのはチングルマ。意外だが、どちらも矮性低木だ。



背丈は花が咲いている時でも、2センチ程度の高さなので、
私はずっと草だと思っていたが、

今回、ウィキペディアの説明を読んで樹木=矮性低木と知り、驚いた。
また東北には日本アルプスのような岩山が無いので少ないだろうと思っていたが、
岩のあるところを注意して歩くと、意外と多いことに気づいた。
特に鳥海山の山頂付近には多かった。
開花時期は意外に早く、どこの山も六月中がベストで、遅くても七月中旬まで。
真夏の登山シーズンに登ってイワウメをほとんど見かけないのは、
既に咲き終わったからなのだと最近になって気づいた。

2019/07/06 鳥海山にて。



2019/07/06 鳥海山にて。




2019/07/06 鳥海山にて。                      七高山山頂にて。ピンクを帯びた株。
 



2019/07/06 鳥海山にて。イワウメのマットにハイマツが生えていた。



2019/07/06 鳥海山にて。



2019/07/06 鳥海山にて。右上にミヤマキンバイ。



2021/06/25 栗駒山にて。まわりの丸い葉はミヤマダイモンジソウ。



2021/06/17 秋田駒ヶ岳にて。上の丸い葉はミヤマダイコンソウ。



2017/06/29 早池峰山にて。右はチシマアマナ。



2017/06/29 早池峰山にて。ミヤマシオガマ、ミヤマアズマギクなども混生。



2016/06/14 八甲田山井戸岳にて。



八甲田山まで来たので、ここで見た他の花も少し報告しておく。
近くの岩場にイワウメと違う花がびっしりと咲いていた。

2019/06/19 コメバツガザクラ。八甲田山井戸岳にて。






2016/06/14 コメバツガザクラ。
八甲田山井戸岳にて。左の方にイワカガミも少し混じっている。




見慣れぬ花なので後で調べたら、ツツジ科の矮性低木、コメバツガザクラと判明した。
コメバツガザクラならば、他の高山岩場でもよく見かけていた。
それなのにわからなかったのは、この植物の花を今まで見ていなかったからだ。
何故ならこの植物、花付きが極めて悪い。また咲いていても、開花期が早いため、見逃していたのだろう。

2015/06/21 コメバツガザクラ。秋田駒ヶ岳にて。
 
                                  2015/06/11 イワウメとナガバツガザクラ。岩木山にて。


ツガザクラの仲間が出たので、岩木山の岩場シーンを。
ここではイワウメのマットにナガバツガザクラやイワヒゲが共存していた。

2015/06/11 ナガバツガザクラ。岩木山にて。



イワウメのお友達はツツジ科が多いが、中でもイワヒゲは特に面白い草姿だ。

2017/07/10 イワヒゲ。秋田駒ヶ岳にて。              2021/06/25 イワヒゲ。栗駒山にて。
 


以上。


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2 コメント

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モウズイカさんへ (nemobaba)
2022-02-03 09:08:38
今回のイワウメの特集でしたね。
鳥海山のイワウメがたくさん書かれているので、私も2回だけ歩いた鳥海山のアルバムをみましたが、ありませんでした。それは7月下旬の山だったことに気が付きました。八ヶ岳や北アルプスでも岩陰に残ったイワウメがありますがこのように大きな塊ではみません。
2017年に7月上旬に北海道の山を歩きました。大雪の赤岳~緑岳、そして富良野岳のアルバムにはたくさんのイワウメとイワヒゲ、ツガザクラの花がたくさんありました。この時はこの花たちのいい時だったのですね。
2019年6月下旬、サハリンの山歩きではチェーホフ山で、他の花に交じってイワウメが群生してきれいに咲いていました。
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nemobabaさんへ。 (モウズイカ)
2022-02-03 09:31:25
コメントありがとうございます。
サハリンまで行かれたとは凄いですね。
私の方は北は北海道大雪山までですが、30年前、7月中旬に行ったとき、
真っ平らな場所にイワウメやイワヒゲが一面に咲いているのを見て驚きました。
本州では垂直の岩壁上でしか見たことが無かった花が北地では水平に咲くんですね。
大雪山には2017年にも行きましたが、そのおりは残念ながら花は終わっておりました。
鳥海山のイワウメはもしかしたら本州最大の群生かもしれません。
ただ外輪山の内壁の大群生は太陽角度の関係で逆光になり、うまく撮れませんでした。
水平に咲くイワウメをまた見たいものです。
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