里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

経済秘密保護法案 衆院通過

2024年04月10日 | 生活

兵器共同開発へ「秘密」拡大 

共産党反対「平和主義投げ捨て」

「しんぶん赤旗」2024年4月10日

 「秘密の範囲」を経済分野に拡大する経済秘密保護法案(重要経済安保情報法案)等が9日の衆院本会議で、自民、公明、立民、維新、国民などの賛成で可決されました。日本共産党、れいわは反対しました。日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、「法案は米国などの同盟国・同志国と兵器の共同開発を推進するものだ」と告発し、「憲法の平和主義を投げ捨てる暴挙に断固抗議する」と厳しく批判しました。

 塩川氏は、米国の「国家防衛産業戦略」が、多国間連携による兵器の共同開発・共同生産や維持・整備網の構築を掲げていると指摘。同法案の狙いは、岸田政権が日英伊の次期戦闘機「GCAP」、日米の極超音速兵器を迎撃する滑空段階迎撃用誘導弾「GPI」、米英豪の「AUKUS(オーカス)」との兵器の共同開発を進めようとする中で、秘密保護法の範囲外にまで「秘密の範囲」を広げ、同盟国・同志国と同等の秘密保全法制を整備することにあると告発。駐日英大使が「機密技術の共同開発には、セキュリティー・クリアランス制度が欠かせない」と述べている通りだと強調しました。

 日本の財界も、「国防省関係のビジネスで、さらなる業務獲得・円滑化のためには、クリアランスが必要」と推進しているとして、「米国などの同盟国・同志国と財界の要求に応えて兵器の共同開発・輸出を進め、日本を『死の商人国家』にしようというものだ。断じて許すわけにはいかない」と批判。米国のキャンベル国務副長官は10日の日米首脳会談で、「極めて重要な防衛装備品の共同開発・共同生産を協議する」と述べていると指摘し、「首脳会談の手土産にするために衆院を通過させようとしているのは明らかだ」と主張。「本法案に断固反対」と強調し、廃案にすることを強く求めました。

 

経済秘密保護法案 「適性評価」

広がる国民監視 公然化の恐れ

 9日の衆院本会議で採決が強行された経済秘密保護法案に、日本が「警察国家」になるとの懸念が高まっています。安全保障を口実に幅広い民間人を調査の対象にすることで、これまで秘密裏に行われてきた警察による国民監視、思想調査が公然化する恐れがあります。(佐久間亮)

調査機関を一元化

 同法案は、国の安全保障にかかわる経済情報を「重要経済安保情報」に指定し、その情報に接触できる人間のプライバシーを調べ上げて、政治信条、犯罪・懲戒歴、精神疾患、薬物使用、飲酒、借金の有無などを基準に「適性評価」して選別するもの。調査は家族や親族にまで及びます。

 政府は適性評価の対象になる民間人の規模を示していないものの、主に公務員を対象とした秘密保護法(2013年成立)だけですでに約13万人が適性評価の有資格者となっています。日本がモデルとする米国では400万人が有資格者となっており、そのうち100万人超が民間人です。

 今回の法案は適性評価の対象を企業や研究機関の労働者や研究者に拡大。経済安全保障法(22年成立)上の「特定重要物資」や「基幹インフラ事業」、5千億円の基金による「経済安全保障重要技術育成プログラム」にかかわる民間人が対象になっていくとみられています。

領域際限なく拡大

 経済安保といいさえすれば領域は際限なく拡大できるため、日本でも数万~数十万人の民間人が対象になる可能性があります。

 秘密保護法では調査と評価は対象者が所属する行政機関ごとに実施しています。今回の法案は調査権限を内閣府に原則一元化。各行政機関は、内閣府の調査結果をもとに評価だけする仕組みです。政府内では、評価後も調査結果を廃棄せず、内閣府でデータベース化することも検討していました。

権力者による悪用

 法案には、重要経済安保情報を漏えいした場合の拘禁刑や罰金刑が明記される一方、調査結果を目的外使用した場合の罰則はなく、ときの権力者による悪用を防ぐ仕組みもありません。

 本紙の取材に内閣官房の担当者は、調査は内閣府の経済安全保障推進室が担当することになると回答。現在の同室の職員数や出向元については回答を拒みましたが、22年の発足時には約50人体制で、防衛省職員も出向していたことが明らかになっています。

 

差別人事を合法化

兵器共同開発狙う

 経済界は幅広い民間人を対象とした適性評価制度がないことがデュアルユース(軍民両用)技術の国際共同開発に日本企業が参入するうえでの障壁になっていると主張します。経済秘密保護法案は、岸田文雄政権が「国策」として進める、米国を中心とした兵器の国際共同開発に向けた条件整備の柱に位置付けられているのです。

 法案が成立すると国民にどのような事態が降りかかるのか。重要な危険性の一つを示唆する先例があります。核燃料サイクル構想を担う旧動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)が茨城県東海村を舞台に起こした「旧動燃不当差別事件」です。

 国策を担う旧動燃と国と警察が一体となり、重大事故を繰り返す旧動燃の安全軽視体質を批判する労働者を監視し差別してきたことが、3月14日の水戸地裁判決で組織的な差別と認定されました。

 裁判の大きな争点となり、水戸地裁判決が「動燃において作成」されたと認めた「敵性判定表」には、監視情報の提供者が「凡例」として示されています。そこには経営側の同調者を示す「良識派」、茨城県警所轄署の「勝田署」(現ひたちなか署)、法務省の外局の「公安調査庁」、茨城県警を指す「県警」の文字が並びます。

 原告弁護団の平井哲史弁護士は「経済秘密保護法案が成立すれば、労働者に対する思想調査と差別が合法化されかねない」と指摘します。労働者の同意なく思想調査し差別したことが違法と断罪された旧動燃事件と違い、経済秘密保護法案は対象者の同意を得て調査を実施する建前になっているからです。

 「同意を拒んだ労働者を枢要業務から外しても裁量権の乱用とは言いづらくなるし、人事評価が低くなる可能性も十分あります。その不当性を裁判で争うことも難しくなるでしょう」

 適性評価のための調査には、本人が回答する「質問票」のほか、会社の上司などが回答する「調査票」があり、関係する行政機関への照会も行われます。内閣官房は本紙の取材に警察も照会先から排除されないと答えました。

面倒な社員を排除

 「旧動燃の事件を見れば、会社の『良識派』が警察に労働者の情報を渡すこともあり得るし、逆に警察が企業に情報を提供して『調査票』に書き込ませることもあるでしょう。法案の目的は秘密情報の保護でも、実際は企業にとって面倒な社員を排除するために使われることになるのではないか」(平井弁護士)

 岸田政権が軍事費2倍化にひた走り、米国を中心とした兵器の国際共同開発や武器輸出を日本の軍事産業の商機と捉える空気が充満するなか、経済秘密保護法案はモノをいう労働者や軍拡に反対する市民を抑え付ける装置として機能することになります。

 

警察権力暗躍する社会に

監視社会の問題に詳しいジャーナリストの斎藤貴男さんの話

 第2次安倍晋三政権以降、内閣官房副長官や内閣人事局長を務めた杉田和博氏、国家安全保障局長を務めた北村滋氏ら公安畑出身の警察官僚が官邸内で権力を振るってきました。経済秘密保護法案が成立すればそういう警察官僚がいっそう幅を利かせるようになる。警察権力は間違いなく肥大化します。

 法案では適性評価調査は内閣府が実施することになっていますが、内閣府にはそういう調査能力はないので、公安警察や内閣情報調査室、公安調査庁などが実務を担うことになるでしょう。

 昔から企業、特に労働組合の強い企業の労務対策には公安警察がたくさん天下っていますし、地域では交番のお巡りさんが「巡回連絡カード」を持って家庭を訪問し情報を集めています。カードの記入を拒否した人については、警察が不動産屋や新聞販売店に行って家族構成や思想傾向を調べます。

 今回の法案が通れば、これまでこそこそとやってきたことを堂々とやるようになるでしょうし、市民の中にもそれを当たり前と感じる社会的雰囲気がつくられていくでしょう。政府や企業は採用段階から適性評価に合格しそうな人間を選ぶようになる。一種のインナーサークルが世の中を支配していくことにもなるのではないかと危惧します。


いや~!
恐ろしい国になります。
今求められているのは「国民監視」ではなく、裏金議員の監視です。

良い天気になりましたが気温は10℃に届かず、冷たい風が吹きつける。
畑の雪も消えました。