「#安倍晋三の逮捕を求めます」と同時に安倍政権による生活保護基準引き下げの再検証が必要
藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授
11/23(月) 17:58ツYAHOO!news(個人)
#安倍晋三の逮捕を求めます がTwitterでトレンド入り
Twitterで「#安倍晋三の逮捕を求めます」というワードがトレンド入りした。
各大手メディアが安倍晋三前首相のいわゆる「桜を見る会」をめぐって、東京地検特捜部が、安倍前首相の公設第1秘書らから任意で事情聴取したことも報道されている。
弁護士ら市民団体が当初より公職選挙法違反、政治資金規正法違反だと主張している問題だ。
安倍前首相には改めて検察の調査や聞き取りに対して、真摯で誠実に応じてほしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
岡本宏史(外科医 Hiroshi Okamoto)
少しでもおかしいと思っている人はしっかりと意思を示そう。 見て見ぬふりをやめて未来の日本のため、子供たちのため声をあげよう。 #安倍晋三の逮捕を求めます
大神ひろし@ppsh41_1945
11月23日
これだけ不正を繰り返してきた安倍前首相が逮捕されなかったら、日本はもう法治国家じゃない。
当然ながら、世論も以前より本件を重要視しており、政治の信頼が揺らぐ象徴的な事件として扱ってきた。
安倍前首相が退任したタイミングであるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、前政権の総括や振り返りが十分ではない。
これを契機に安倍政権を再度検証していく作業が各分野で必要であろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
生活保護基準引き下げを強行した安倍政権
その一つに安倍政権でおこなわれた生活保護基準引き下げがある。
2012年の自民党選挙公約に掲げられた「生活保護費10%削減」を断行した安倍政権だったが、この手法や手順に疑問が呈されている。
生活保護基準の引き下げ根拠が曖昧であるだけでなく、従来の専門家の算定方法や議論を軽視し、突然新しい算定方法まで持ち出して強引な結論を導き出している。
つまり、安倍政権の政治的意図を反映させた結論ありきの政策だったのではないか、ということだ。
過去の積み重ねられてきた専門的な議論を軽視した結論に対し、さすがに危機感を有した専門家も多くいる。
日本社会福祉学会会長だけでなく、厚生労働省内で生活保護基準の専門家委員も歴任してきた岩田正美氏(日本女子大学名誉教授)もその一人だ。
岩田氏は政府専門家委員の経験者としては異例の反対派として、裁判所にも出廷して生活保護基準の決定方法に重大な疑義が生じていることを証言している。
日本弁護士連合会も2017年に会長声明を発出している。
生活保護基準引き下げが生活保護受給者のみならず、市民生活にとって負の影響が大きすぎるため反対の立場をとる。
会長声明では的確に生活保護基準引き下げが多くの市民生活と無縁でないことを分かりやすく提示してくれている。
専門的で長文ではあるが、お時間があれば一読いただきたい。
生活保護基準について一切の引下げを行わないよう求める会長声明
厚生労働省は、2017年12月8日の第35回社会保障審議会生活保護基準部会において、2018年度から生活扶助基準本体や母子加算を大幅に引き下げる案(以下「厚労省案」という。)を示した。2004年からの老齢加算の段階的廃止、2013年からの生活扶助基準の削減(平均6.5%、最大10%)、2015年からの住宅扶助基準・冬季加算の削減に引き続くもので、特に、子どものいる世帯と高齢世帯が大きな影響を受ける。
厚労省案によれば、子どものいる世帯の生活扶助費は、都市部の夫婦子2人世帯で13.7%(2万5310円)も大幅削減され、母子加算が平均2割(都市部で2万2790円の場合4558円)、3歳未満の児童養育加算(1万5000円)が5000円削減され、学習支援費(高校生で5150円の定額支給)が廃止される可能性がある。また、高齢(65歳)世帯の生活扶助費は、都市部の単身世帯で8.3%(6600円)、夫婦世帯で11.1%(1万3180円)、それぞれ大幅削減される可能性がある。
今回の引下げの考え方は、生活保護基準を第1・十分位層(所得階層を10に分けた下位10%の階層)の消費水準に合わせるというものである。
しかし、我が国では、厚生労働省が公表した資料によっても、生活保護の捕捉率(生活保護基準未満の世帯のうち実際に生活保護を利用している世帯が占める割合)が2割ないし3割程度と推測され、第1・十分位層の中には、生活保護基準以下の生活を余儀なくされている人たちが多数存在する。この層を比較対象とすれば、生存権保障水準を引き下げ続けることにならざるを得ず、合理性がないことが明らかである。
特に、第1・十分位の単身高齢世帯の消費水準が低過ぎることについては、生活保護基準部会においても複数の委員から指摘がなされている。また、同部会報告書(2017年12月14日付け)も、子どもの健全育成のための費用が確保されないおそれがあること、一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準を捉えていると絶対的な水準を割ってしまう懸念があることに注意を促しているところである。
いうまでもなく、生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であり、最低賃金、就学援助の給付対象基準、介護保険の保険料・利用料や障害者総合支援法による利用料の減額基準、地方税の非課税基準等の労働・教育・福祉・税制などの多様な施策の適用基準と連動している。生活保護基準の引下げは、生活保護利用世帯の生存権を直接脅かすとともに、生活保護を利用していない市民生活全般にも多大な影響を及ぼすのである。
大幅削減に対する批判に配慮し、厚生労働省は、減額幅を最大5%にとどめる調整に入ったとの報道もある。しかし、5%であっても大きな削減であるし、削減の根拠に合理性がない以上、削減幅を減らしたから許されるというものではない。更なる生活保護基準の引下げそのものが、これまでの度重なる生活保護基準の引下げによって既に「健康で文化的な生活」を維持し得ていない生活保護利用者を更に追い詰め、市民生活全般の地盤沈下をもたらすものであり、容認できない。
よって、当連合会は、厚労省案の撤回は当然の前提として、本年末に向けての来年度予算編成過程において、一切の生活保護基準の引下げを行わないよう求めるものである。
2017年(平成29年)12月20日
日本弁護士連合会 会長 中本 和洋
「桜を見る会」の検証作業も大事なことである。今後の推移を注視しなければならない重大な関心ごとだ。
そして、同時に社会政策の変更は、抽象的なものではなく、人々の暮らしに直接大きな影響を与える問題だ。
その決定の際には十分な説明と合理的な方法を用いることが重要である。それは安倍政権でなされたといえるだろうか。
安倍政権が強行してきたために、専門家からも疑義が生じている社会政策について、これを契機に見直し、総括がされていくことを期待したい。
雪化粧。