ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

おやすみ短歌~枡野浩一・pha・佐藤文香

2024-02-01 06:06:06 | 本の少し
☆☆☆☆

三人がえらんで書いた安眠へさそってくれる百人一首。
今回読んで面白かったのは、歌の横にある解説文、その文章を読んでいるとこんな読み方があるのかと、歌自身が焦点があってくっきりと
見えてくる。
三人が交互に選ぶところに、この百首が飽きることなく興味あるものになった。

気になった歌は、たくさんありました

・にんげんの良さのひとつにねむるとき身体に布をかけるかわいさ・橋爪志保
・寝た者から順に明日を配るから各自わくわくしておくように・佐伯紺
・手についた犬の匂いをいつまでも嗅いで眠りたいそんな雨です・柳澤真実
・おやすみと唱えたあとのおやすみのことだま眠るまでそこにいて・岡本真帆
・アスファルトに寝ればアスファルトの匂い どこからやり直せばいいですか
・三田三郎
・にんげんがひとり にんげんがふたり 五月の草に眠れるひつじ・岡野大嗣
・品川の手前で起きてしばらく夏の終わりの東京を見た・鈴木ちはね
・宵闇の九月にめざめヒガシマルうどんスープが味方でいること・上坂あゆ美
・眠り課の暗躍により第五号議案もつつがなく夢の中・石川美南
・なつかしい夢しか好きなものがない あなたもはやくなつかしくなれ・伊勢谷小枝子
・明けがたにいちど目覚めてゐたことは言はないでおく まぶしい部屋だ・山下翔
・ベビーカーに赤子しまわれ蛸壺に蛸しまわれて冬あたたかい・小島なお
・どこまでが夢で、あそこまでの梅、ここから桜。桜がきれい。・山中千瀬
・春といふ春を部屋から追ひ出して休符のやうにひとひを眠る・門脇篤史
・だいじょうぶ 洗濯物はひとつずつたたまれてゆき着替えに変わる・三上春海
・午後六時ビル冷えびえと青白く今日という過去を抱いて眠る・干場しおり
・この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ・佐藤りえ
・泣くほどにわたしの純度が増してゆくわたしのベッドは私の匂い・伊藤紺
・「死んでもいいけど、夜はとんかつを食べにあそこに七時だからね」・はだし
・終バスにふたりじゃ眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて・穂村弘
・千年後の朝のもおなじ発音でおはようをいう人類へ 雪・陣崎草子

以上


 

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