ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

風の男白洲次郎・青柳恵介

2021-04-01 10:10:10 | 本の少し
☆☆☆☆

白洲次郎、単に育ちの良いダンディな男だけと思っていたのが、実は日本国憲法の現場に立会い、占領軍司令部に一歩も譲らず交渉にあたり、吉田茂に請われ事務方として政治家以上の活躍をこなす。商工省を改組し通産省を誕生させたり、電力編成の分割民営化をすすめたり、サンフランシスコ講和条約締結の全権委員会に同行する。でも政治家には決してならず、常に世界の動向を見つめ、我が道を行く。

1985年11月28日逝去。その時若い友人の堤清二氏が語ったことに、「私利私欲をもってつき合おうとする人間ほど敏感に見抜き、それに対して厳しい反応を示した人を他に知らない。そしてそういう人間は白洲を怖い人と思うだろう。白洲が晩年に至るまで、仲良くつき合っていた人に共通した性格があった。私心のない人、大所、高所に立って、自分の考えや行動すらも客観的に捉えられる人、本当の愛情がある人。白洲次郎は真の意味での国際人であったが、「国際化」という言葉が叫ばれる今日、むしろ「国際化」の逆コースをたどっている。経済界で本当の「国際人」が何人いるか。白洲の目には寥々たるものに映ったせあろう。」と、政治が腐敗している現在に白洲次郎が居ればどんな動きをしてくれたのか素直に思いが膨らむ。

見た目だけのカッコよさではなく、人間としてのカッコよさとはいかなるものと、孤高の精神を知る一冊でおます。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久米田池の手前の公園~2021.... | トップ | ごまめ自家製ラーメン・268~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事