ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ~岡野大嗣・木下龍也

2021-09-04 05:06:07 | 本の少し

 

☆☆☆

木下龍也さんと岡野大嗣さんの共作だが、どの歌がどちらの方の歌か明示されていない。

どれもクセのある歌が多く、お気に入りは少なったが、その中でもどちらかの人に偏っているような気がする。

気になった歌を、とりあえず、AさんとBさんになんとなく分けてみた。

A
体育館の窓が切り取る青空は外で見るより夏だったこと
雨がやむのを待っていたはずなのに帰りたくなかっただけだった
内側がどちら側かは御自身の判断の上お待ちください
目のまえを過ぎゆく人のそれぞれに続きがあることのおそろしさ
泣きたがる顧客のために新鮮な不幸を買いにゆくテレビ局

B
雨、蜘蛛は乾いたままの橋の裏側をゆっくり渡っていった
まだ味があるのにガムを吐かされてくちびるを奪われた風の日
この夏を正しい水で満たされるプールの底を雨は打てない
トローチに刻まれている文字列を舌で読みながらおやすみ
風になるまえに教えてくれないか風になったらどこを吹くのか
トンネルの壁に続いた落書きがふいに途切れてここから不安
こんばんは昨日のぼくの握力のまま冷えているトマトケチャップ
昨日のような今日だけど商店の週刊誌だけ新しくなる

Aさんが岡野大嗣さんで、Bさんが木下龍也さんのようです。
よく似ているようで、おふたり一緒に読むと、微妙な違いありますな・・・。



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