ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

つむじ風ここにあります ~木下龍也

2018-01-16 04:05:06 | 本の少し
つむじ風、ここにあります (新鋭短歌シリーズ1)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆☆

短歌の歌集って、選ぶのがなかなか難しい。

偶然、ひとつの歌にひっかかって、他の歌も知りたくて歌集を買う場合、
本屋にあれば、パラパラとページをめっくて吟味することも出来るのですが、
ネットで申し込むとなれば、正直当たりはずれもありますな。

この本は、「まちライブラリー @大阪府立大学」で見つけて借りた本。

短歌の本も充実していたので、しばらくはここで借りて、
手元に置いておきたいのがでれば、買おうと思っております。

この、木下龍也さん、繊細でありながらネガティブではなく、
どこかほのぼのとしたユーモアさえ感じる。

普段着の言葉なのに、ぼんやりとした中に、優しさの主人公が現れる、
こんな歌が詠みたい・・・・憧れる、そんな歌集です。


例によって、お気に入りの歌を・・・・・

裏側に張りついているヨーグルト舐めとるときはいつもひとりだ

つむじ風、ここにあります 菓子パンの袋がそっと教えてくれる

レジ袋いりませんってつぶやいて今日の役目を終えた声帯

細々と暮らしたいからばあさんや大きな桃は捨ててきなさい

返り血で濡れることなどない雲とリネンのシャツは白を選んだ

「千円になります」と言い千円になってしまったレジ係員

「えっ?」ていうあなたの癖がかわいくて小さな声で話しかけてる

スヌーピーみたいな顔しやがって愛されたって知らないからな

 愛してる。 手をつなぎたい。 キスしたい。 抱きたい。 (ごめん、ひとつだけ嘘)

コメント
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