ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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落語の名人芸「ネタ」の裏側~立川志らく

2016-01-03 04:05:06 | 本の少し
落語名人芸 「ネタ」 の裏側 秘蔵資料 三越落語会 十一名人の「感どころ」
クリエーター情報なし
講談社

☆☆☆☆


落語の名人芸「ネタ」の裏側と、立川志らが、
三越落語会+十一名人の「感どころ」と各噺家が当日のプログラムに書いた「感どころ」と、
志らく自身の解説を加えたもの、各噺家の自筆の原稿も掲載されており、
書体と推敲ぶりが窺えて、興味がそそられる。

その十一名人とは、五代目志ん生、八代目文楽、六代目圓生、三代目金馬、
三代目三木助、八代目可楽、八代目正蔵、五代目小さん、十代目馬生、
五代目圓楽、五代目談志・・・・・の十一人。


実際に高座を見た小さん師匠、憧れだった馬生師匠、そして圓楽師匠、
志らくさんの師匠である、談志師匠と後半になればなるほど、
志らくさんが、実際噺家になってから、自分の落語を究めるのに、
芸のサンプルとして細やかに分析しているので、おもしろい。


ただ、すべてが、師匠との比較論であり、離れようとすればするほど近づいてしまう。
例えば、一門の志の輔、談春、志らく、の談志十八番への接し方は、三者三様である。
全く触れない志の輔、オマージュとコピーの談春、否定しても元に戻る志らく、と
自己分析している。

前半は「三越落語会」の正しい芸の継承との形を取りながら、
後半は「三越落語会」を通じて、志らくの落語論を遠まわしに披露。

何れにしても、一つの噺をものにする為の、各噺家の思い、「感どころ」が知れる。


同時代の噺家を意識しながら、如何に自分の十八番とするか、
「ネタ」の裏側の、工夫と悩み、そして芸人としての自己肯定。

「感どころ」、一つにしても、各人各様の思いが伝わってくる。



でも、この名人さん達の生の高座を見たのは談志さんだけに・・・・・残念です。


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