今回は虫の苦手な方はご覧にならないでください。
2週間ほど前、いつもの漢方薬局でオーガニック野菜を買いました。
葉もの野菜はたいていマレーシア産のようで、その小松菜らしき菜っぱもそうでした。
このマレーシア産野菜、オーガニックであることに寸分の疑いの余地も残さないくらい、
毎度見事に虫食いだらけ、穴だらけでございまして。
くもの巣が張っていたり、ナメクジがついていたりも珍しくなく、田舎育ちの私も動じません。
とはいえ、はるばるやってきて(でもないか、隣国マレーシア)、
ゴミ箱からゴミシューターへと、哀れな末路をたどるナメクジ氏には申し訳ないことです。
今回は虫のふんがあちこちに見えたので、
「あ、これは蝶の幼虫だな」と、悲しくなりました。
ひとを、というか、虫を見かけで判断してはいけませんが、
ヌメっと気持ち悪いナメクジ氏と違って、美しい蝶になる幼虫には生き延びてほしい。
でも、菜っぱを何回も買って、
蝶になるその日まで、養うほどの情熱も甲斐性も私にはない。
このあたりには幼虫を養えそうな野菜畑もない。
だとすれば、悲しいけれど、ナメクジ氏と同じ末路か、と。
菜っぱを注意深く探って洗うも、どこにもその姿は見当たらず。
不思議に思いながらざるにとって、水を切っていると
…コロンと小さな何かが。
…さ、さなぎ!?
幼虫からさなぎへとなっていた模様。
さなぎは成虫になるまで何も食べない。
私にも養えそう。(そもそも何も与えないですむのだから養うとは言わない?)
蝶になったら野菜畑を求めなくても、
あちこちに咲き乱れる南国の花々の蜜を食料に、一代だけなら難なく生き延びられることでしょう。
せっかくここまで成長したのだからと、羽化するまで見守ることに。
もしかしたらすでに凍死しているのかもしれませんが。
虫かごはフィラデルフィアクリームチーズの空ケース。
こういうのを洗ってちゃんと取っておく私って、本当に吝嗇家かと。
花も投入。
羽化直後、羽を伸ばして乾かすときにつかまれるように。
フタも忘れずに。
神出鬼没のトカゲさんに狩られてはいけませんから。
けれど、それから1週間以上経過しても、さなぎは羽化する気配ナシ。
時々空気を入れ替え、花も新しくしているのですが、やりがいがないなあ。
マレーシアと比べると冷蔵庫内は極寒だから、やはりすでに凍死しているのでしょうか?
ところが、
その日、ハノイに発つ相方を玄関まで見送って(お見送りは玄関まで。経費節減)、
その後は相変わらずのんびり過ごしていて、
午後、虫かごをのぞきこむと…
←スイマセン。フタをしているのでくもってます。
蝶がいるではありませんか!?
モンシロチョウ?
いつの間に。
朝起きたときも、朝食後も、お昼ご飯前もその後も、まったく変化の兆しがなかったのに。(←相当ひま?)
蝶は窮屈そうに虫かごの中をパタパタと飛び回って、あちこちに羽をぶつけています。
いけません、羽が傷ついてしまいます。
さくさく写真撮影を済ませて、マンション1階へと急ぎました。
敷地内にも、花々が咲き乱れているのですよ。蝶や蜂を見たことだってあるんです。
どきどきしながら、
虫かごのフタをあけて、手を添えると、
可憐な蝶は、手を伝うように出てきて、
羽ばたき、ひらひらと舞って、風に乗り、
まもなく見えなくなりました。
あっけない。
だけど、
同じ日に、風邪が治らず、よろめきながらドアの向こうに消えたシロクマ相方、
あの、絶滅の危機を感じさせる旅立ちとはずいぶん趣の異なる、
さわやかで、美しい、未来を感じさせる旅立ちだったなあ。
マダム呼ばわり、光栄でございます。
オジサン化が進んでいるうえ、
シロクマのオカンと成り果てていますが。
かわいいお嬢さんの夢を壊さないよう、
真実は伏せておかれるのがよいかと。
私もいつか、
夢あふれる話題を提供できるよう、
精進いたします。
マダムとバタフライ・・・
これを伝えたかったのです。
娘には、星には雲ではなくSQで と伝えて
おきますね。
また、おじゃまします。