ご無沙汰しています。
と、私はこの出だしで始まるブログを何度書けば気が済むのか?
予告どおり更新が滞っておりましたが、過去となったゴールデンウィークのお話を書こうにも、
仙台旅行の写真も、その後の実家の写真も、イタリア料理教室の写真も整理できておらず、
ブログ再開前の思い出話はもちろん、ひと文字たりとも書けていないので、
今日はサクッと軽いものを。
母の日も過ぎちゃいましたが、それにちなんで(とっくに過ぎちゃっているのも気にせず)、母のことを。
私は動物全般が好きで、それも肉食を控えようと思っている理由のひとつなのですが、
それは母から受け継いだDNAのようです。
母は「動物は世話が大変だからイヤ」とか言いながらも、
いざ飼うとなったら、いのいちばんでかいがいしく世話し、優しく話しかけるつんデレタイプです。
小さいころから動物好きだった母は、ヨメに来てからもいろいろな動物を世話しました。
犬、ネコまではあたりまえ。
モルモット、ハト…ここまでくらいもありがち。
野鳥のヒナ…巣から落ちて母鳥に見放されたもの。
モグラ…害獣として捕獲したけれど、かわいそうになって(当時、村役場に持っていくとお金がもらえたのですが)。
イタチ兄弟…わが家の牛舎(だったらしい)に産み落とされたのち、母イタチに育児放棄されたもよう。
ここまでくると、ちょっとすごくありませんか?
今日は当時幼かった私もお世話を手伝ったモルモットのことを。
母はモルモットを飼う気など、元々はありませんでした。
同居の義父母、私にとっての祖父母は強烈な動物嫌いでした。
それが、車で20分ほどの医大付属病院に行った帰り、近くで小動物を売るお店に気づきました。
今から40年近く昔の話なので詳しいことはわかりませんが、ペットショップではないたたずまいだったらしい。
母はピンときました。
「実験動物を売るお店なのだ」と。
恐る恐る中をのぞいてみると。
真っ先に目に入ったのは、かわいいモルモットたち。
イメージ画像。
「こんなかわいらしい動物が、残酷な動物実験の犠牲になるなんて!!」
そこは、若さゆえの思い込みの激しさと、若さゆえの後先ナシの行動力。
「この小さな命を救ってやらなければ!」と、
母はモルモットたちを引き取ることを決意し、なけなしのお小遣いで買い取りました。
数匹全部。
そこが本当に実験動物専用のお店だとして、
店内に動物は他にも色々いたらしいので、本当に考えナシだと思います。
でも母は、
小さな動物たちの救世主のような気分になって、
天使のように優しい自分に酔いしれたことと思います。
帰宅すると動物嫌いで吝嗇家の祖父母は激怒しましたが、
父は母をかばい、無事、モルモットたちを飼えることに。
友人の大工さんに頼んで、飼育用の木箱をつくってもらいました。
バスタブくらいのサイズの立派なやつ。
木箱は祖父母の寝室のある母屋から一番遠い庭の片隅に置かれました。
(とっても田舎のとっても古い家なので、庭が五つくらいあり、私は父母とはなれで暮らしていた。)
初めて飼うモルモット、うまく育てられるのか?
当時、田舎では番犬用の犬とネズミ対策用のネコを飼うのが主流だったので情報はありません。
それでも家族みんなで(←祖父母を除く)一所懸命世話しました。
幼稚園児の私と小学生の兄は野山を駆け回って、モルモットのエサ調達に奮闘しました。
たんぽぽ、くず、ハコベ、クローバー、れんげ…。
母は木箱に敷きつめたワラをひんぱんに取り替え、清潔に保ちました。
父は日当たりや風通し、暑さ寒さを考えて大きな木箱を移動してやりました。
イメージ画像。こんな感じで飼っていたと記憶。
新鮮な野草をいっぱい食べて、清潔なワラを敷きつめた十分な広さのあるスペースで、
モルモットたちは元気に過ごしました。
そして、赤ちゃんを産んでくれました。
その小さいこと、かわいらしいこと。
大喜びの私たち、のんきな家族。
赤ちゃんモルモットはすくすく育ち、
モルモットたちはその後も順調に増えていきました。
ネズミ算式に。
(モルモットはネズミの仲間で多産)
おいしい空気、おいしいごはん、清潔で快適なゆとりあるスペース。
不安から始まった私たちの飼育は、結果として大成功し、
モルモットの数は30匹を超えました。
イメージ画像。これくらいに増えたと記憶。
これは一般家庭で育てられるキャパを超えています。
幼い私たち兄妹のエサ調達も能力の限界。
バスタブサイズ木箱はふたつに増えましたが、その庭は小さかったので、これ以上は限界。
ワラや木箱の設置場所を換えてもニオイが気になるようになり、祖父母の我慢も限界。
いったいこれからどうなるのか?
イメージ画像。近い将来、確実にこうなると家族全員が予想。
父母と祖父母との話し合いなど紆余曲折があったのち、
結局、モルモットたちはすべてひきとってもらうことになりました。
元の実験動物を売るお店に。
母ってば、悪魔の所業。
結局、母は、実験動物の繁殖に加担しただけ、という。
しかも無料でひきとってもらったので、無報酬のボランティア。
完全無欠のおめでたさ。
(当時、モルモットを扱うペットショップなど田舎にはなく、探してもひきとり手はみつからなかった、とは母の弁)
若さゆえの愚かさですね。
それにしては家族への負担が大きすぎましたが。
そして不幸な動物を大幅に増やしてしまいましたが。
そんな無謀な母も今は静かな年金暮らし、今日も「動物は手がかかるからキライ」とか言いながら、
かいがいしくシロさんのお世話をしていることでしょう。
朝夕の散歩に2食の手づくり食事とおやつ、お天気の日には毛布やタオルケット干し。
おかげでシロさんは、散歩を楽しみ、おいしいご飯を食べて、ヘソ天で寝て、
のびのびとしあわせに暮らしています。
毎日ありがとうね、母。
いつまでも元気でいてください。
本日の無関係写真は昨夜のおかず、赤べらの南蛮漬け。
派手なガラ、横縞一本がカッコイイ赤べら。青べらってのもいます。これまた派手です。
べらって最初はみんな女の子に生まれて赤色、成熟してしばらくすると男の子に性転換し、青色になるんですって。
男女両方の人生を生きられるって、お得感あるなー。
そういうの、ひとの世界にもありますが。
母は気が優しいといえなくはないですが、
結果を考えると、優しかったかどうかは疑問です。
お友だちになると、
動物の里親探しを手伝わされること、請け合いです。
モルモットは増えます。
爆発的に。
オスメス隔離しようにも、
増殖スピードが驚異的で、
判別が間に合わなかったらしいです。
モルモットたち、かわいかったのですが、
後半は、家族みんな(←祖父母を除く)
へろへろに疲れていた記憶があります。
(*注:今も健在です。)」、
すごい。サイコーです。読ませ
ます。小説家のエッセイみたい。
・イメージ画像のオチで、笑わん
人はいません。すごい。
・ところで、やさしいお母さまです
ねー。お友達になりたいです。
あまりにナイスで大笑いしました。
そうかー、モルモットってテンジクネズミでしたね。
増えるんや~。