歌舞伎座で4月は25日までやっている4月大歌舞伎の昼の部へ、4月第二週の週末になりますが行ってきました(ちょっと前までだいかぶき・・と読んでました、おおかぶきだったんですね^^;)
2001年に亡くなった不世出の女形六世中村歌右衛門の五年祭ということで、歌右衛門ゆかりの演目が並びました。
[一] 狐と笛吹き
今昔物語のエピソードを元にして書いた作品だそうですが、せりふやテンポが現代と同じ様なのですごくわかりやすく、また切ない童話のようなお話しになっていました。
亡妻とそっくりな女性、ともね(中村福助)に会い、すっかり心奪われてしまった笛の楽人の春方(中村梅玉)、実はともねは以前自分が助けた狐が化けていた・・その事実をともね本人から告白されても、既に深くともねを想っていたので心変わりせず、ふたり仲良く暮らしていきますが・・
福助はいつもながらしっかりとしながらもかわいらしさがある女形でした。
春方演じる梅玉は、声がよく通るし力強い感じがします。
最後は悲しい結末ですが、きっとふたりは死後の世界では仲良く暮らしていけるんだろうな、と思わなければ寂しい感じがします。
[二] 高尾
大正9年生まれ(今年87歳?)というから驚いてしまいます。中村雀右衛門さん(写真はちょっと前のもののようですが・・)、初めて見ました。
足裁きはさすがにあまり目立ちませんが存在感が・・
名高い遊女、高尾太夫が荻江節にのせて独りの舞を披露します。太夫特有の前に締めただらりの帯が目を引きます。
舞のしぐさのひとつひとつに意味があっても、なかなか意味がわからなかったのですが、今回初めて娘と二人してイヤホンガイドを付けて鑑賞したのでさすがにわかりやすかったです。(ただ音響効果でいろいろな音や音楽が出るときには、説明の方の声が音と重なって聞き取り辛くなってしまうところがあるのが残念!)
家のために泣く泣く苦界に身を沈めたことや、好きな人が来る時の心境などを表現していたり、哀しく無念の想いが強い舞になります。
[三] 沓手鳥狐城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
坪内逍遥の作で、豊臣方と徳川方の戦い、大坂夏の陣での場面になります。
中村橋之助の長男の国夫くん(10歳)が、敵を相手に長刀を振り回したり、最後は結構高い階段から転げ落ちたり(階段落ち?)と奮闘していました。ぷくぷくしててかわいらしい体型の元気な男の子だなぁ~、と思ったりしましたが。
秀吉の側室であった淀の方(中村芝翫)の狂気に陥って錯乱する様が鬼気迫ります。
そんな状態の母を見て嘆き悲しみ、どのような恥辱(徳川に降伏すること)も母上にはかえられない、という息子秀頼(中村勘太郎)の母を思う姿が健気だしりりしい。
[四] 関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)
近松門左衛門の浄瑠璃をもとにしたという舞踊劇になります。
この演目の中で襲名披露があり、六代目中村玉太郎改め松江、その息子玉太郎(五歳)の初舞台のご挨拶があり、その場面は和やかな場になりました。挨拶する里の子に扮した玉太郎ちゃんの言葉遣いもしぐさもほんとかわいらしいこと!
この演目は登場する役者も多く、名だたる役者が勢揃いです。平将門の子の良門に片岡仁左衛門、源頼信に尾上菊五郎、土蜘蛛の精になった中村魁春や、里の男に扮した中村吉右衛門など。
土蜘蛛の魁春は隈取もメリハリのついたかなりくっきりしたもので、舌をべ~っと出す場面もあり、その舌が真っ黒な色に塗られていたのにはどきっとしてしまいます。蜘蛛の糸をあちこちに張り巡らし仁左衛門や菊五郎も蜘蛛の糸に絡められ三人で見得を切り、舞台に立つ様は本当に計算された美というのも感じられて豪華で見栄えがします。
4月もかなりクセ?のある席で鑑賞^^; 今のところはなぜか二ケ月に一度の歌舞伎座通いになっていますが、今後はどうなることやら・・?です。
またまた、覚書みたいな意味もありつい長くなりました。
最後まで読んでくださった方には感謝です・・
igu-kunさんの"非天然色東京画"さっそくブックマークさせて頂きました♪
一度も訪れたことのない街や通りを、その雰囲気のままに切り取られているので、こちらもそこに佇んで眺めているような気持ちになるので、igu-kunさんの所に遊びに伺うのを楽しみにしています。
一度行っておきたいと思っているのですが
なかなか実現しなくて。。
今回の記事を拝読していたら
観賞したい気分がグーンと高まってきました!
(リンクに加えさせて頂きました。よろしくお願いします。)
それとTBも嬉しいです
「狐と笛吹き」こういう切ないお話したまりません、やっぱり泣けてきてしまいました。
たとえお伽噺のようであっても、異界の者同士の恋愛って成就しないように描かれることが多いんですね・・
古典も大切かと思いますが、こういう感じの歌舞伎も沢山の人に見てもらいたいなぁ~って思えます~。
私も図書館で借りてきた歌舞伎関連の本を移動中とかに読んでいますが、寝そうになったりして頭に入り辛い時も多々ありますが^^;数を読めばなんとかなるかと・・(笑)ならないかな?
まずちょっと変わった?役者さんの名前を正確に言えるだけでも嬉しくなるレベルです・・
昼の部とっても満足でした。
出演者が豪華で涙ウルウルの舞台あり、これぞ歌舞伎だ!の舞台ありとほんと楽しかったです。
でも、実は沓手鳥狐城落月は途中で寝ちゃったの。あはは!(すみません)
つたない感想ですがTBさせていただきました。
歌舞伎入門なる本をgetしてあるんですが何故か未読です。