旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

怪しいワクチン

2013-06-25 20:39:43 | 医療制度
困りましたねえ。子宮頸がんワクチン。

厚労省はまたまたワクチンメーカーからみの代議士に急がされたようです。政治力に負けた?!

それにしてもある与党幹部と「ワクチン」のメーカーの顧問弁護士が・・・というのですから、困った構図ですね。(週刊文春がスクープしたそうです)

一次予防のワクチンが安全なものになるまでは、二次予防である検診を受けやすくすることですね。イギリスでは女性看護師が検診を担当するそうです。大熊由紀子さんの「えにしメール」にありました。

ぼくも一昨年あたりは勧めてましたから勉強不足でした。怪しいものであることを見抜くのはもっともっと正確な情報を得ないとだめですね。

インフルエンザワクチンに比べて何十倍も副反応が多いということです。まだまだ時期尚早でした。

「副作用はクスリが起こすが、薬害は人が起こす」という大熊さんの言葉をかみしめましょう。

生活臨床の重要性(原田正純)

2013-06-24 22:33:34 | 診療
古本屋さんに頼んでおいた森弘太・原田正純著『三池炭鉱 ―1963年炭じん爆発を追う―』(NHK出版、1999年)が届きました。

原田正純先生は昨年亡くなられましたが、水俣病を初めとする公害と人体への影響を徹底して研究された方です。先生の医療哲学の一つが「生活臨床」という言葉に集約されています。

「現在、臨床の分野ではハイテク(先端医療)だけがクローズアップされて、それはそれで必要であるが、地道な臨床的研究が疎かにされている傾向にある。あるいは、業績中心主義のために、一つの病気の運命をじっくり見極めようなどという研究より、短期間で結果の出る動物実験のほうが若い医師たちにとっては魅力的なのかもしれない」

「診察室で時間をかけて診察しておき、さらに生活の場で診る、生活の場で診てまた診察室で診る―その繰り返しで専門家としての目は確かなものになっていく。そのような訓練によって、診察室で見られる症状が家庭や社会などの生活の場でどのような障害になるのか、ならないのか、なるとすればその程度になのかは少し見えてくる。そのことを常に訓練しておかなければ、怠るとすぐに見えなくなってしまうのである」

生活の場を診る臨床の重要性がひしひしと伝わってきます。


千葉県介護支援専門員協会総会記念講演

2013-06-23 20:53:30 | ケアマネジメント
千葉県介護支援専門員協会総会記念講演で千葉市に呼んでいただきました。

「夕暮れ時の道案内」というテーマで「医療の限界と介護支援専門員の使命」を副題としました。

開会の水野谷理事長の挨拶で、昔のぼくの講義のことを語ってくださっ記憶の良さにびっくり。当時厚生省主催で介護支援専門員の全国指導者養成講座のことです。平成10年だそうです。

ケアマネジメント研修のスタートラインでアセスメント方式が5つ出てきて、当然「自分たちの方式が一番いい」と主張するものですから会場は大混乱。「利用者に傾聴すればプランが作れる」(感性と想像力こそ一番たいせつな手段)「ひとり暮らしの人には話し相手を見つけてあげる」(インフォーマルサービスの工夫)などと原点、足元を見つめることを強調したらしいのです。

15年も前の話を覚えていてくださるのですね。感動しつつ責任の重さを感じます。

以来ケアマネジメントの細かい手法は示さず、ケアマネジメントの基本は利用者と支援者の人間対人間のふれ合い、コミュニケーションと伝えてきました。本当に進歩がないと言えば進歩がない指導者ということになります。

さて講演は最初に「介護支援専門員資質向上検討委員会の提言、第12回日本ケアマネジメント学会でのゴスチャ先生の講演を紹介しました。

現在の医療は高齢者の持つ不安感にどれだけ対応できているか、まことに心もとないという話。自立支援と自律支援。自律の苦手な人へのアドボカシー(擁護)には支援者の思い・考え方の押しつけであってはならず、一緒に考える、仲間の意見を聞くという姿勢で進めること。

認知症の人にはクリスチーンさんの「私の3層構造」を活用すること。認知症の人が認知機能が衰え、感情的になりやすい情況を踏まえ、本当の自分と向き合ってあげること。

質問もたくさん出ました。薬物治療のことなどが多かったので、あっ、もっともっと具体的な話の方がよかったのかなと反省しました。

質疑応答も終わったのち、歯科医の先生から「先生の話は難しすぎる。程度が高くてケアマネジャーはついていけない」と指摘されました。えへーと思いましたが、もっともっとシンプルな話をしないといけないそうです。名刺を拝見すると元大学教授とありました。

26日は900人を超える人が専門研修Ⅱ「介護支援専門員の課題」に参加する予定とのこと。どうしよう。

ある家族の物語

2013-06-22 23:48:46 | 診療
昔、北大病院に通ってくれていたある市在住の患者さんが息子さんを連れて、ぼくが月2回ほど外来をさせてもらっている札幌市内の病院に現れました。

今の職場が相当に厳しいらしい。集中力をなくしている感じです。クスリで治療してがんばり続けた方がよいのか、辞めて職を変える方がよいのか、家族で相談しても結論が出ず、昔かかったぼくのことを思い出して訪ねてくれたのです。


ぼくは職業相談員でなく医者ですから、このご家族が結論を出すことへの方向付けなど差し控えるべきと考えました。

でもこの青年が自分の良さを発揮しながら健康的に生きていくには、もっと他に良い世界があるのではと直感しました。とても健全でしっかりした青年です。将来を考えて、本当に自分を生かせる道をこの機会にじっくり考えてほしいなあと思いました。

あの職場の体質はなかなか変わりそうにありません。でもオンザジョブトレーニングとして適切なのかどうか、若者にプレッシャーをかけ過ぎていないか、逆に若者はストレスのはけ口を求めて社会に迷惑をかけてしまわないのか、いろいろ変革する時期にきているのではないでしょうか。

職業選択、適性、適応障害・・・難しい問題ですね。

さて、弟さんのほうは医学部に入学したとのお母さんのお話し。どこかで会うかもしれませんね。このニュースはとてもうれしかったです。

家族は生きている。お兄ちゃんにもきっとふさわしい道が開かれることを祈っています。

「血管」のはなし

2013-06-21 23:55:34 | 地域協働
今週は健康推進員協議会もありました。

推進員さんたちの目の色がいつもと違います。そう、研修医亀田浩之先生の講義があるからです。

1か月交代ですが、しばらく毎月研修医が来るので、推進員協議会に参加して講義することとそこで出た質問を元に町の広報にQ&Aを執筆することを義務付けたのです。

そして、推進員の皆さんの今年のテーマは「血管」。血管の病気は深刻なものが多いので、その予防をじっくり勉強したいというのです。

今回は血管総論。ビジュアルなパワーポイントで分かりやすい解説に皆さん大満足。血管の変化と運動との関係などたくさん質問も出ました。

ぼくの今年のテーマは「欠陥」かな。若い医師たちの最先端の知識をたくさんもらって自分の欠陥を埋めていこうと思います。詰め込みすぎて血管が詰まらないように気を付けながら。