旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

クスリの飲み方

2012-07-24 00:06:28 | 診療
患者は処方された薬の半分くらいしか飲んでいない。

だいぶ以前にこのような調査があったような気がします。

最近クリニックでも苦戦しています。クスリが足りない。クスリが余った。というような苦情が多く寄せられています。

薬局で日数を間違うことはまったくといってよいほどゼロに近いのです。高齢者に対しては「一包化」として数種類の薬をまとめて朝、昼、夕それぞれに袋詰めにしています。

これが好評かというと、必ずしもそうではないのです。

お年寄りのプライドを著しく傷つけることもあるようです。自分でクスリを選び、自分で量を決める人もいるようです。

きょうは患者さんと看護師とぼくとで薬局に行って、薬剤師さんにそのことを説明してきました。そしてぼくは必要最低限のクスリだけを飲むように勧めました。

医療におけるクスリの意義を考えさせられた一日でした。

認定医制度は内科学会と協働で

2012-07-21 23:43:52 | 学会活動
よいシンポジウムとなったように思います。

学会の垣根を越えて前進できそうです。

シンポジストの一人としてぼくからは

国民の目線では総合医療群の医師と専門分化医療群の医師が明確に「見える」必要があること。総合医療群を主として担うのは内科医で、内科医の中から地域総合医(家庭医)として活動する人が多数出てくることが重要であり、内科学会とプライマリケア連合学会の協働の取り組みをぜひお願いしたいこと

を伝えました。

まとめで座長をされた日本内科学会認定制度審議会会長の渡辺毅先生は

内科認定医、総合内科専門医を原点に立ち返って見直すこと
研修体制、指導医、プログラムを明確にしていくこと

を話されました。

シンポジウム終了後、わざわざ渡辺先生から「PC学会の考え方がよくわかりました。学会の垣根を超えて総合医を育てるしくみを作りましょう」と力強い言葉をいただきました。

国が検討会で討議してきた専門医制度の中間報告がまもなく出ますが、この内容については十分吟味しつつ、国民に「よく見えて」信頼される形を作っていかなければならないでしょう。

内科医から総合医へ

2012-07-21 06:35:27 | 学会活動
さていざ出陣です。

きょうは内科学学会シンポジウムです。

内科医はアポセカリ(くすりをつくり売る職)でした。処方医と手術医を分けることで内科医と外科医が誕生しました。

子どもと大人は頻度の高い病気も治療の工夫も異なることで小児科医が誕生しました。年齢別ではその後老年医も生まれました。

やがて多くの内科医が臓器系統別の専門医(循環器、消化器、呼吸器、神経、血液・・・)となりました。

今、医療のシステム化を進めていくために内科医の多くが一次医療である総合医療に携わるべきなのです。

内科医の何割かは国民の身近で総合的に相談でき、専門分化医への適切な紹介をし、介護と協働でき、継続的に患者・家族に寄り添う医師に明確に移行する必要があります。

さてぼくの主張はどれくらい通じるでしょうか?

日本専門医制評価認定機構に表敬訪問できず

2012-07-19 23:38:01 | 学会活動
ゆうべは午前零時近くに救急で呼び出されました。

明日は空港までの車の運転大丈夫かなあと考えていました。寝不足で100㎞近くを往復するのは辛いですからね。

でも本日の外来をするまでは、何とか頑張って上京しようと考えてました。

ところが朝から大量下血の方や腹痛、胸痛、背部痛と難問患者さんが外来に来られ、とても12時には出られませんでした。

というわけで、池田理事長にはたいへん失礼をしてしまいました。丸山新理事長と交代の挨拶と今後の専門医制度の意見交換をしたかったので、残念でした。

日本専門医評価認定機構には基本領域があって、これが18学会あるものですから、ここを抜本的に改革してほしいのです。脳外科、形成外科、放射線科が基本というのは誰が考えたっておかしくないですか?

すくなくとも国民には理解できないでしょう。

大くくりで総合医療群と専門分化群に分けてこそ、国民が利用しやすくなるはずです。これをしないでは家庭医も、総合診療医も総合内科医も、うまく機能しないはずです。

地域医療研究会の運営委員長と

2012-07-18 23:49:30 | 学会活動
16日月曜日、北海道地域医療研究会運営委員長の斉藤先生と意見交換しました。

最近の運営委員会にはなかなか出席できず、顧問役として申し訳なく思っています。

政治色が強いとか村上色がどうかとか、いろいろ悩みながらがんばっておられます。

ぼくも2年前から方向性を探っているのですが、会の改革は難しいと考えています。これから秋までに提案事項をまとめて顧問役の幕引きをしたいなあと考えています。

大学を辞めて今は苦闘しながら田舎で働いている「一現場人」ですから、ふさわしいのは顧問役ではなく会員でしょう。