旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

「地域を診る医師」

2013-05-22 22:52:49 | 医療制度
平成25年4月22日に出された「専門医の在り方に関する検討会 報告書」で「総合診療専門医」が取り上げられたことは画期的なことでした。総合診療の専門性を否定する傾向がこれまでの医療界には強かったからです。

総合診療専門医の位置づけについての項目の最後には
○総合診療専門医には、地域によって異なるニーズに的確に対応できる「地域を診る医師」としての視点も重要であり、他の領域別専門医や他職種と連携して、多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供することが期待される。
と書かれています。

この医師をあまり理想化すると絵に描いた餅に近くなります。実践も教育もこの辺りを一番軽視してきたからです。

「地域を診る」とはたやすいことではありません。ミクロのアプローチとマクロのアプローチがあります。一人ひとりの患者さんを丁寧に診ていくことと、地域全体の良い点、悪い点、伸ばせそうな点、かなり治療を要する点をしっかり見つめなければなりません。

日本の社会、特に産業は家族を壊し、地域を壊す方向に進んできたからです。

地域社会を健康的にするには根本的な見直しが必要でしょう。自分と自分の回りから少しずつ考えていく、地道な取り組みが基本のはずです。

アメリカ流「癒しの関係」

2013-05-22 07:06:25 | 医療制度
「癒しの関係」という言葉に惹かれましたが、米国で考えられるこの関係は内容がやや違いました。

診察室での直接のふれあいを強調していません。診察室ではほとんどふれあいの時間がない。そのため「切れ目のないアクセス」をITを使って実現しようとしているのです。

そしてセルフケア(自己治療)できることこそが医療そのものだとも訴えます。この部分は「患者参加型医療」をぼくも唱えているので共感できます。