旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

ホルソン報告(1966年)

2013-05-12 18:07:53 | 震災復興
家庭医論議をもう少し。

米国の医療を変えたのは1966年に3つのレポートが出たからだと言われています。ホルソン、ミリス、ウィラードがそれぞれ代表を務めたレポートです。それぞれパーソナル・フィジシャン、プライマリー・フィジシャン、ファミリー・フィジシャンという名称を提案しました。

きょうはまずホルソン(Marion B. Folsom)報告から。

米国公衆衛生協会と全米保健協会が後押ししています。報告書の題名は「健康は地域の課題」とでも訳したらよいのでしょうか。

次のような1節があります。

「すべての人はあらゆる医療を統合し継続してくれるパーソナル・フィジシャンを持つべきである。その医師は予防医学にも力を入れ、一人で努力してくれるだけでなく地域社会の資源を活用してくれる。患者本人と家族の健康に影響を与える社会的因子、感情的因子、環境面の因子など多様な因子を熟知している。」

パーソナル・フィジシャンは日本語に訳したら、かかりつけ医でしょうか? 主治医でしょうか?

2年2か月に

2013-05-12 00:18:01 | 震災復興
2011年3月11日から2年2か月が過ぎました。復興に向けて少しでも前に歩めますように。

さて家庭医の起源をもう少し考えておきたいところですが、きのうが11日であったことから被災地の医療の特徴をもう少し検討してみましょう。

長純一先生の取り組みのなかでも、風邪で受診された方が、「3月9,10,11日とテレビを見てしまった」というお話がありました。それまでは津波のテレビは極力見ないように努めていたのでしょう。

いわばフラッシュバックが起きてしまい、夢にガレキが出てきてゆく道を防ぐという状況になったのでしょう。

風邪や高血圧、糖尿病などのありふれた病気をていねいに診ていくことが家庭医の仕事です。ぼくたちは「こころのケア」の専門家ではありません。少しこころにも配慮ができるだけです。

アルコール問題や死者との関係性が問題になることもあります。

これからますます患者さんたちのかかえる問題は長期化し、複雑化すると思います。少しだけでも安定が図れるように「じっとそばにいる」ケアが求められます。家庭医の得意分野かどうかは意見の分かれるところでしょう。