旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

ウィラード報告(1966年)

2013-05-14 22:24:11 | 震災復興
3番目に出された報告書がウィラード報告です。委員長のウィラードさんはケンタッキー大学医学部長でした。この報告は米国医師会医学教育委員会によるものです。

この委員会こそファミリー・フィジシャンを強調したのです。家庭医療学の新しいタイプの医師像を提案しました。包括的で個別的なヘルスケアを提供できる医師が必要であることを。

これらの報告書で世の中が動き、米国での19番目の専門医として家庭医が認められ審査委員会がスタートしたのは1969年です。

1983年頃からスタートした日本の家庭医論議。米国の状況とあまりに違うのは国民の声が聞こえてこなかったことです。家庭医に関する懇談会は厚生省(当時)対日本医師会という対立の形になってしまいました。

家庭医イコール「安上がりの医師」「医療費抑制の急先鋒」というイメージを多くの医師に植え付けてしまいました。家庭医論は経済論議に終始するようになってしまったのです。

プライマリ‐ケアの質が中心的な論点にならなかったのは,日本にとって不幸なことだったと思うのですが、いかがなものでしょう。