勝地くんは(ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏の名アシストのもとに)この日限りのパーソナリティを務めています。
私が勝地くんのファンになったのは、『イージス』&勝地くんファンの方がサイトで紹介されていたこの番組中での発言がきっかけだったので(こちら参照)、実際の放送を聞けなかった(番組の存在自体ノーチェックだった)のがつくづく心残りだったのですが、このたび(2007年2月)さる方のご好意により、ようやく聴くことが叶いました。 以前番組内容をテキスト起こししたものは読んだことがあったのですが、実際に彼の声で聴くといっそう感慨深いものがあります。
オープニングの挨拶は、文章をそのまま読み上げてるかのような、はきはきと歯切れよい生真面目な口調で如月行を彷彿とさせますが、一度つっかえてからはたちまちグダグダになり(笑)、苦笑しつつ懸命に言い直したりあたふたしたりしてる様子が実に可愛らしくて、一気に声に体温が篭ったようでした。
聴きながら自然と、『イージス』キャンペーンの頃の黒髪長髪だったまだ18歳の勝地くんの姿が思い出されました。
表情や仕草の一つ一つまで克明にイメージが浮かんでくる。それは彼の声にリアルな息吹が感じとれたからなのだと思います。
以下印象に残った部分を例によって箇条書き形式で。
・試写会を見たという吉田さんは、勝地くんを如月行のようなクールな「どんなことがあっても動じない人」としてイメージしてたそうで、実物が「めちゃめちゃ浮き足だって」るそのコントラストに突っ込む。
勝地くんも「いや~もう、ちょっと落ち着かないですねーさっきから、そわそわして」と笑ってました。
当時勝地くんはさほど知名度がなかったので、業界人・一般観客を問わず、無意識に如月行のイメージを重ねてしまって(いい意味で)想像を裏切られた人は多かったようです(こちらとか)。
こう見ると彼の場合、役と実態とのギャップはもっぱらいい方に働いてるみたいですね。
・タイトルコールの後もいまだ緊張が取れないという勝地くんに、吉田さんが、
「生放送なんで僕ら二人きりじゃないわけですよ。何かというとラジオの向こうには全国36局ネットのリスナーたちがいてくれるはずなわけですよ。生放送なんでメール・FAXとかもらうとどんな人が聴いてるかわかるので多少緊張がほぐれたりとか」
と励ましの言葉を。お客さんの存在を意識するとますます緊張しちゃいそうな気もしますが(笑)。
・『イージス』は超大物俳優さん4人の共演が目玉の一つだけに、宣材や作品解説で如月役勝地くんはスルーされることもしばしばだったんですが、今回勝地くん本人がパーソナリティをしてるだけに、作品紹介でちゃんと行にもスポットが当たっているのが嬉しい。
・実際の映画のシーンを抜粋しながらのあらすじ紹介。
ここで流れる行の声(「撃たれる前に撃つ、それが鉄則だ」「あんたは実戦を理解してない」)が、パーソナリティとして話してる勝地くんの声と全く違うことに今さらながら驚かされます。声そのものでなく発声の仕方、声の表情が全然違うのですね。
トーク番組など「素」で話してる時の声は笑いと空気を含んだソフトな響きで温もりを感じさせる。役に入ると発声はより明瞭になり、キャラクターに応じて高めの澄んだ声だったり低く太い声だったり。
行の声はやや高めで、鋭さと潔癖さが前面に出ている感じです。まあどの役の声もすごーくいい声なんですが♪
そして吉田さんにも言われてましたが、役の上で真田さんと対等に怒鳴りあってる彼とスタジオであたふた喋ってる彼が同じ人間だとは(笑)。
・勝地くんに『イージス』に関して10の質問。バックの音楽(『イージス』のサントラ)がやたらものものしい。
「撮影が始まり、大物俳優との絡みに内心ビビっていた」という質問に「イエス」と答えるなり勝地くんと吉田さんが二人して笑ってる。ここまでラジオを聴いてれば100%答えがわかる質問ですからね。
でも「出演シーンが多く責任も重大なので、もっとシーンを削って欲しいなとちょっと思った」という質問には迷いのない声で「ノー」と即答。むしろたくさん出たかった、とは頼もしい言葉。
人一倍緊張する性質なのに決してそこから、気持ちのうえでさえ逃げ出そうとはしないんですよね。「むしろいっぱい出たいって思った、俺」という独り言のような口調も、番組中ずっと丁寧語で通しているだけにすごく「素」な感じで、強がりじゃなくて本心なんだろうなと感じさせます。
作品の規模・役柄の重要性・豪華共演者と、『イージス』で勝地くんにかかった重圧は相当なものだったはずですが、作中の彼は実に堂々としていて、そんなプレッシャーを微塵も感じさせない(記者会見や舞台挨拶は噛み噛みでしたが)。
彼だからこそ如月行を演じきれたんだなあと改めて(欲目気味に?)思ってしまいました。
・「撮影中情けない失敗をした」という質問に長ーいタメのあとに疑問符つきで「イエ・・・ス?」。
この時の声のトーンとか一生懸命説明してる感じがえらく可愛いです。「失敗」の詳細はあとで明かされますが(ここで書いたコンタクトの話です)、確かに失敗ではない。
・「この質問で十問目である」というネタ質問に「イエス」と答えてから吉田さんと二人して大爆笑。緊張してると言いながらも終始朗らかなのは彼の良さですね。
・「夜が明けると、こう日本中の人が見に詰めかけるわけですよ。どうですか気持ちは?」と吉田さんに聞かれて「いやすごく、ワクワクします」と答える。
「緊張します」と言うかと思ってたのでちょっと意外でもありつつ、「エンタメキャッチ」での発言(こちら参照)など思い返すと、とても勝地くんらしい答えだなと感じました。
三つ上でも書いた「気持ちのうえでさえ逃げ出そうとはしない」性格が表れています。
・映画版『イージス』の一分間ストーリーダイジェスト。・・・なんかものすごい勢いでネタバレしてますが。
・ストーリーダイジェストが終わったところで再び勝地くんのご挨拶。「まだ緊張はとれてませんが、ちょっとトイレに行って気持ちが落ち着いてきました」。
「(緊張してるのかしてないのか)どっちなんですか」と吉田さんにさっそくツッコまれてます。わざわざ「トイレに行って」とか説明しちゃうあたりがあいかわらず天然さん。
彼がついさっきダイジェストで語られた「謎の青年・如月行」なんですからねえ・・・。
(つづく)