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俳優・勝地涼くんのこと。

『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazar-』(3)-3(注・ネタバレしてます)

2024-09-26 21:33:58 | ガンダム00

・例の人革領の研究所に大統領特使としてキム中将とともに現れたのはクラウス。おお出世して。

・「見てください」とビリーが示した映像は、半身が銀色の金属の結晶でおおわれた例の女子学生。侵食が体半分で済んでいて死んでないというのは彼女がある意味融合に成功した証だったのか。
ここではじめて「地球外変異性金属体」=ELSという名称が登場することに。ここで研究対象となっているのは彼女だけのようだが、やはり人革領の太陽光発電施設でELSに取りつかれた人たちはどうなったのか。みんな助からなかったとしたら、ELSに変われるのはやはり一握りということか。

・ビリーはクラウスに、イノベイターになりうる資質のある人間を脳量子波を遮断する施設に避難させるよう連邦議会で提案してくれと頼む。ミーナの仮説がすでに確定情報に近いものとして発言されている(いちおう推論という言い回しではあるが)あたり、彼女がビリーに頼んでいた資料は無事入手され、裏付けがとれたのでしょうね。

・ビリーがELSが人間以外の何かと融合し繁殖速度が急激である可能性を示唆する。こういう場合、本当にそういう事態がすぐ後に起こるんだよなあ。

・イノベイターになって以来刹那が出会った頃のだれにも心開かなかった刹那に戻ってしまったようで不安だ、彼に何をしてあげられるかと悩むフェルトにスメラギはおだやかな、少し悲しい笑顔で「彼のことを、想ってあげて」という。それがわかりあうために必要なことだからと。
この台詞、ちょっと聞くと具体性のない曖昧な言葉に響きますが(何をしてあげるか悩む時点ですでにフェルトは刹那のことを充分想っている。その上で何ができるかと悩んでるわけで)、実際に何かをするわけでなくても常にずっと相手を想い続けることそれ自体が相手の力になる、相手を理解したいと心から想い続けることでその想いはいつか自然と通じる時が来る(想いが通じる、理解しあえる事がイコール相思相愛になる事ではない。後述するようにスメラギとビリーだって、ずっとスメラギを想ってきたビリーの気持ちがスメラギに通じ、スメラギが悪意を持ってビリーを利用したわけではないとビリーが理解したうえで疎遠になりましたし)という、マリナの生き方にも通ずるこの作品の根幹をなすキーワードではないかと思います。
しかしスメラギは一時が嘘のようにすっかり落ち着きましたね。セカンドシーズンで本式にソレスタルビーイングに復帰すると心を決めてからは酒を飲む場面もめっきり出てこなくなりましたし。

・「まーた考え事ですか?」と笑いながらパジャマ姿でマネキンと二人分のグラスを運ぶコーラサワー。あの帽子がなんとも。この人これで30代も後半?なんですよね(笑)。
しかし広くて豪華な家だこと、さすが連邦軍の高官、と思いかけたがなんとなく部屋のレイアウトに見覚えが。これリボンズたちイノベイドが暮らしてた?場所=ソレスタルビーイング号の中ですね。視察に来てそのままここに駐留してるわけだ。コーラサワーの寝巻があまりにカジュアルなんで自宅なのかと思ってしまった。

・また同じような異性体が地球を襲う可能性を案じてパソコンに向かい調べものをするマネキンに対して、そんな偶然何度も起きない、もし起こるようなら地球は完全に悪い宇宙人に狙われているとにやりと笑うコーラサワー。
宇宙人といえるかは微妙ながらELSは単なる金属破片ではなく理性も意志も持った知的生命体だったわけで、ある意味彼の目の付け所は的を射ていた?

・コーラサワーの言葉にふっとやわらかく笑うマネキン。「お前といると真面目に考えることが愚かしく思えてくる」。彼女が気を張り詰めすぎないためにコーラサワーがいい息抜きになっている。貴重な存在ですね。

・ちょっといい雰囲気になったところで、マネキンの顎に手をかけキスしようとするコーラサワー。マネキンも目を細め応じようとするが、そこへ緊急通信が入ったため「どうした!」と押しのけられるコーラサワー。
床に倒れてお尻さすってるのが何とも(笑)。この報われなさこそコーラサワー。

・施設内の未確認のハッチが開いて機体が飛び出していったとの報告。映像を見ると赤いGN粒子をふりまきながら一直線に飛び立ってゆく謎の物体。
どんな機体か形状も見えませんが、マネキンは「トランザム!」と叫ぶ。この船がもともとソレスタルビーイングのものだった(正確にはソレスタルビーイングの実働部隊とは対立関係かつアロウズの黒幕でもあったイノベイドたちの旗艦でしたが)こともからめると、ソレスタルビーイングの秘密兵器が眠っていて、ソレスタルビーイングの意を受けて動き出したと即座に解釈したことでしょう。
現在連邦軍とソレスタルビーイングは敵対関係ではない、むしろ緩やかな協力関係とも言えるものの明確な味方でもない(マネキンはセカンドシーズンの最後で〈ソレスタルビーイングはアロウズを倒した功労者ではあるが、武装放棄しない限りは危険な存在〉だと宣言している)以上、今は連邦軍の管理下にあるこの船が実質的にはやはりソレスタルビーイングの支配下にあることを突きつけてくるようでまあ面白くはないですよね。
観客にとっても、このトランザム状態の機体が敵なのか味方なのか、それが発進したことはソレスタルビーイングにとって吉なのか凶なのか現状わからずハラハラするくだり。続いて空っぽになった何らかのカプセル複数が映され、とくにその一つが大写しになるのも緊迫感をあおる。
結果を見れば、このカプセルの中で新たな肉体を眠らせていたティエリアが、ヴェーダの中にいた精神を新しい肉体に接続させ、ガンダムを動かして刹那たちの応援にかけつけたという実に頼もしいシーンでした。

・プトレマイオス2改に近づいてくる謎の船。映像を見て「連邦の輸送艦か?」と口にしたラッセに「違う」と答える刹那。
フェルトが案じるような顔をしているのは謎の船が接近しているという事実にではなく、船の正体を即座にある程度察してしまう刹那がまたみんなから浮いてしまっている、彼が遠い存在になってしまうことへの不安ゆえでしょう。

・謎の船が破壊されたはずのエウロパという事実─少し前に皆で確認しあった内容からすれば刹那が出会ったリボンズが本物のリボンズでなく木星探査計画に参加していたリボンズタイプのイノベイドに金属異性体が擬態したものだったのと同様、エウロパに擬態したELS─を知って出撃するガンダムマイスターたち。
共にガンダムハルートに乗り込んだマリーとアレルヤ。出撃を前に謝るアレルヤに、さっきの話が本当なら私も狙われる、この船の人に迷惑をかけるわけにはいかない、とマリーは厳しい表情と声で答える。
アレルヤが謝ってるのはセカンドシーズン以来のマリーを戦場には出さないという約束をまた破らざるを得ないからで、それを受けてのマリーの答えは自分で納得して戦いに出ることを決めたんだから気にするなという意味。
迷惑をかけられないから、と言う表現は意に反してやむなく戦うかのようですが、ハルートが複座式になってる時点でもはやマリーも一緒に戦う前提にされてる(アレルヤとマリーもそれを受け入れてる)んでは。

・「ガンダムハルート、アレルヤ・ハプティズム、ソーマ・ピーリス、迎撃行動に向かう」と答え出撃するアレルヤ。
セカンドシーズンでもそうでしたが、ガンダムに搭乗する時はマリー・パーファシーじゃなくてソーマ・ピーリスなんですね。パイロットを務めるときは軍人時代に戻るみたいな感覚でしょうか。

・無数の尖った金属片が襲いかかってくる。ハルートが攻撃のために撃ったミサイルを逆に取り込み同化してミサイルの姿に変わりハルートを追ってくる。なまじ攻撃するとかえってこちらの兵器を取り込んでその能力をわが物とするという・・・ものすごく嫌な相手ですね・・・。

・ELSの攻撃をかわすものの繰り返し「叫び」が聞こえるたびに硬直してしまいよけるのが精一杯の刹那。ついには戦線離脱するもELSは脳量子波に惹かれてダブルオーライザーを追ってくる。
ソードを取り込まれ、よりダイレクトに伝わってくる叫びに苦しむ刹那。そこへ一際大きな尖ったELSが正面から突っ込んでくる。絶対絶命、と思われたところで何者かの攻撃がこれを迎撃。さらに数多のビームが刹那の周辺のELSを次々撃墜する。
そこへ勇壮なBGMとともにダークグレーのごつい機械の手が(手の部分だけが)現れ刹那の機体を掴んでELSに汚染された左腕を引きちぎり宇宙空間に放り投げるとELSごとビームで消滅させる。
この力まかせの容赦ない戦い方、手のごつさが武骨な巨体を想像させるあたり、まさかの「彼」が来てくれたのだ、とテレビシリーズを見てきた人ならわくわくしたことでしょう。

・手が飛んでいった先にガンダムとおぼしき機体。その全身像が映るより先に顔面の一部がアップとなりそこに「Raphael Gandam」の文字が。ソレスタルビーイングのガンダムの機体は多くが天使の名前・階級名から命名されていますが、今までで一番のビッグネームでは。
続けて全体像を映しつつ両手(マニピュレーター)が本体、というか本体らしい細身の機体が両肩に乗せた巨大なコンテナにドッキングするのを見せる。
優美と言いたいような機体にその機体を重みで押しつぶしそうな巨大かつ武骨なコンテナを乗せてるというフォルムのシュールさが、「やっぱり彼だなあ」(かつて敵から「デカ物」と呼ばれた機体=ガンダムヴァーチェに乗っていた)と改めて感じさせてくれる。

・さらにトランザムで赤く機体が染まり、ロックオンとアレルヤの危機をたちまち救って、さらに木星探査船をも巨大粒子ビーム砲で刀のように船体を切り裂き爆発させる。ガデラーザに続く無双シーンで、その圧倒的強さにロックオンとアレルヤもぽかんとなってます。

・プトレマイオスの面々もまだぽかんとしてる中で、いち早く笑顔になり、「ノリエガさん、あの機体は!」と声を掛けたのはミレイナ。真っ先に「彼」に反応したのがミレイナというのは、のちの「告白」シーンの伏線ですかね。

・ミレイナの言葉を受けて「彼が来てくれたんだわ」と言いつつもスメラギの表情は固い。嬉しくないわけじゃないけど、彼が今現れた意味をまず考えてしまうんでしょうね。

・プトレマイオス2改に戻ったマイスターたち。ティエリアが入ってきた時点では緊張した面持ちだったロックオンとアレルヤは彼がヘルメットを取ったとたんに笑顔になる(とくにロックオン)。ティエリアだろうと想像はしていても、死んだはずの人間だけに顔を見るまでは信じきれなかったんでしょうね。
再会を喜ぶ間もなく、なぜELSを攻撃しなかったのかと刹那を攻めるティエリア。刹那の方も沈んだ表情でうつむいている。すぐ後のシーンでわかるようにティエリアは攻撃しなかったことを怒ってるのではなく、そこに込められた重要な意味をおよそ察してるからこそ、事情をはっきりさせるために詰問口調で問いただしたわけですが。

・攻撃しなかった理由は「わからない」という刹那に「わからないって、おまえ」とロックオンはあきれたような怒ったような声だが、腹を立ててるかに見えたティエリアは「やはり。イノベイターとしての直感ががそうさせたようだな」と高評価というか期待した通りの反応、と言いたげな態度。
ヴェーダでも彼らの目的がわからない、しかし刹那の反応からすればELSには意志があるとティエリアは断じる。一つ事態が前に進んだ瞬間。

・リニアトレインの中でELSについて語り合うビリーとミーナ。ELSと戦ったのはソレスタルビーイングでしょと聞かれて「おそらくね」と答えたビリーはどこか悲し気な遠くを見るような顔。
そこへミーナが「昔の女のこと考えてる」と突っ込みを入れ、あからさまに赤くなって動揺するビリー。ということは図星だったのか。ソレスタルビーイングの名前が出たことでスメラギを思い出すのはまあ自然ですが、彼女とのことはもう過去なのか。
セカンドシーズンのラストでダブルオーライザーのトランザムバーストによってスメラギと心を通わせ、誤解も解けて告白までしたのが、なぜ付き合わないまでも関係が終わってしまったのか。心が通ったがゆえに彼女が自分に恋心を抱いてはいないのをはっきり知ってしまったということなのか。小説版ではスメラギが死んだ恋人を思い続けているのを知ってしまった、その後少しの間は連絡を取りあっていたが次第に疎遠になったと記されてます。
ミーナはビリーとスメラギの関係をどの程度知ってるんでしょう。ブレイクピラー事件の時にスメラギは連邦軍に対し素顔をさらしていて、あのリーサ・クジョウがソレスタルビーイングの指揮官というのはすでに上層部では把握していた様子(刹那がスメラギを迎えに来た時点で彼女がソレスタルビーイングと知っていたビリーが復讐を誓いつつも彼女の正体をアロウズに報告しなかったあたりに、捨てきれないスメラギへの愛情と優しさが感じられる)。
以前からビリーに目をつけているらしいミーナならリーサとビリーが学生時代から親しかったことも調べはついていて、上の情報を合わせれば、ビリーの(元)想い人はソレスタルビーイングのメンバーと知ってても不思議ではないかも。

・ELSに意志はあると思うかとのビリーの質問にミーナは「あるわね」と即答する。根拠は木星電波がここ最近変質している、わずかだが脳量子波も検知できるからという。刹那のようなイノベイターでなくとも、旧人類の科学的叡智をもって真実に迫ることはできるのだと示すシーン。
なのだが一連の会話の間ずっとミーナはセクシーなしぐさでビリーを挑発し、ビリーはどぎまぎしながら目をそらそうとしてそらしきれず、といった駆け引きが平行して描かれる。ファンサービス+小難しい会話を少しでもとっつきやすくという配慮?

・ELSとの遭遇がイオリアの想定していた「来たるべき対話ってやつか」というラッセに対し、ティエリアは来たるべき対話とは人類が外宇宙に進出した先を想定したもので、数世紀先の予定だった、それが今起ころうとは、という。
今でも十分な準備ができてないには違いないが、これが10年前ならどうなってたことか。ソレスタルビーイングの武力介入によって地球連邦ができたのが6年前、アロウズを倒して新政府が発足しイノベイターが誕生したのが2年前、本当にぎりぎりのタイミングだったわけだ。

・起こってしまったものは仕方がない、戦うしかないというロックオンとラッセ。対して直接ELSに追い回された経験者にもかかわらず「ELSがぼくらのことをわかってないから起きた悲劇かもしれない」と慎重論を唱えるマリーとアレルヤ。
この二人は超兵であるゆえに脳量子波を含むさまざま超人的能力を有していて人間としてはいささか規格外。普通の人間との齟齬を感じることも多々あったのかもしれず、理解しがたい相手への不安が排他的攻撃的対応を生んでしまうことを身をもって知っているのでしょう。だからこその感想とも思えます。
加えて、もしかするとELSに追われたさいに敵意・殺意といったものを感じなかったんじゃないですかね。それが彼らへの好意的というか攻撃的ではない反応に影響しているのかも。

・フェルトは黙ったままの刹那に「刹那はどう思う?」と話をふり、スメラギなどもはっとした顔を刹那に向ける。ELSの声をダイレクトに聞いた、唯一のイノベイターである刹那の考えに皆の注目が集まるのは当然ではありますが、この期待はひとりの青年の身には重いともいえる。
刹那の答えはまたしても「わからない」。主人公が中盤はずっとわからないばかり言ってて態度がはっきりしない、との批判も目にしましたが、確かに映画としてのカタルシス的な意味ではその通りかも。

・ダブルオークアンタの建造状況を尋ねたティエリアは、刹那のためのこの機体が切り札になるかもしれない、という。「まさか、ELSと」「あなただって考えていたはずだ」。ふと目をそむけて「刹那に頼りすぎよ・・・」というスメラギ。
二人の頭に浮かんだプランはダブルオークアンタを介してのイノベイター刹那とELSとの対話。ただ上で書いたような刹那一人に地球の命運を託すという負担の重さをやはりスメラギとしては考えずにいられないわけですね。

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