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俳優・勝地涼くんのこと。

『新・愛の嵐』(2)-5(注・ネタバレしてます)

2008-07-23 02:20:55 | 新・愛の嵐
〈第15回〉


・ひかるに後ろから押さえられても、なお友春に殴りかかろうとする猛。
この時「放してください」などの言葉はいっさい発せずずっと吼え続けているのが、まさに抑制を失った野獣のおもむき。
ひかるに平手打ちされてやっと正気に返ったときとのコントラストも、彼の野性味を強く印象づけます。

・ピンチを救ってくれた猛をひかるは「私を行かせたお前が悪いのよ」と罵倒する。
台詞だけ書くとあんまりな言い草に感じますが、叫ぶように言い放つ時の表情にも涙を滲ませた声音にも彼女の恐怖と安堵、猛への甘えと愛着が溢れている。
むしろ心からの愛情をぶつけた感があって、ひかるに愛おしさを覚えてしまう。
このシーン、藤原さんも勝地くんも、互いの演技に触発されたかのように、真に迫った実にいいお芝居をしてます。

・「ばかー!」と叫びながら猛にすがりついて泣き崩れるひかる。この時ひかるを見下ろす猛が一瞬とても痛ましそうな切ないような顔をする。
さっきまでの獣の顔と打って変わった表情は、日頃抑えているひかるへの愛情がふと溢れ出したようで、つい引き込まれてしまいます。

・ひかるにコートを着せ掛けてやる猛。そのゆっくりした動作にひかるに触れることへのためらいといたわりが同時に感じ取れる。本当はそのまま背中から抱きしめたかったんだろうに。

・しかし猛が抱きしめるまでもなく、ひかるの方が小屋を出ようとする猛に後ろから抱きつく。
「雨が止むまででいいの。こうしていて」と頬を押し付けるひかる。一度「いけません」と言ったあとはもう抵抗せず、無言で複雑な思いを表情に滲ませながら立つ猛。
まだほんの少年少女なのに(だからこそ?)絵になる切ないシーンです。

・晴れ上がった空を並んで見上げる二人。
「一生私を守ってくれる?」「はい」 こんな大事な会話をあえて互いの顔は見ないまま口にする。どちらの顔にも晴れやかな笑顔が浮かんでいます。

・猛が自分を一緒守ってくれると言ったことを崇子先生に話すひかる。その照れた顔に恋する乙女の含羞が満ちていて、本当に可愛らしいです。

・番小屋でひかるのブラウスのボタンを発見したお花は、ひかると猛が妙に機嫌がいいのと結びつけて、ひかるを好きになっても不幸になるばかりだと猛に迫る。
ブラウスのボタンから二人の恋愛に話を発展させるあたり、お花は何を想像したんだ。

・友春の父親が、息子が猛に殴られ怪我をしたと怒鳴りこんでくる。
友春は何を考えて言いつけたりしたものか。なまじ騒いで真相がバレれば自分の立場が危ういだろうに。事がレイプ未遂だけに、ひかるが表沙汰にしたがらないだろうと踏んだんでしょうか。
しかしこの時点での三枝家での友春の信用度ってどの程度なんだろう。文彦の勘当の原因になった旅館での芸者遊びのアリバイ作りに友春もかんでたわけですから。

・友春を殴ったのは事実かとの問いにごくシンプルに「その通りです」と認めたうえで、理由は「言えません」の一点張りな猛。話の展開に驚かないのは客が友春の父親と知った時点で覚悟を決めたからでしょうね。
何ら言い訳をせず、ひかるの名誉を傷つけないために一切を自分が引き受けようとするその毅然とした態度――。
出自がどうあれ彼の方が御曹司の友春よりはるかに高貴な精神の持ち主ですね。

・伝衛門の立場としては、怒鳴りこんできた相手の手前、被疑者が理由を言いたがらないからと放免もできない。
猛としても自分が黙ってることで伝衛門を苦境に追い込むのは本意ではなくまさに板挟み状態。
ちょうどひかるが来なかったらかなり辛い状況になっていたかも。

・「何があったのです」というひかるの問いかけを、猛は「お嬢さまは関係ありません」と突っぱねる。関係ないどころか一番の当事者なんですが、どこまでもひかるには辛い思いをさせまいとする猛の男気がシンプルな台詞の中に表れています。
この時三枝家の皆が事情をひかるの耳に入れまいとしてるのに、自分からぺらぺら喋った友春父は完全な自爆ですね。

・猛の名誉のために、自分がレイプされかけたという「恥ずかしいこと」をあえて皆の前で話すひかる。
ぎりぎりまでひかるに事実を明かさせまいとし、伝衛門に事実確認をされても無言で頷くのみだった猛。
二人の思い合う気持ちと相手の為には泥もかぶれる凛とした強さが眩しいです。

・「お父さま、猛はいつでも私を救ってくれるのです」 
毅然とした言い切り口調には、猛に対する揺るぎない信頼と、今後また猛が誤解をまねくような言動をしたとしてもそれは自分のためなのだという予防線を張ることで猛を守ろうとする心意気があります。
それを理解すればこそ伝衛門も黙って頷いているわけですね。

・番小屋に入り、ひかるに辛い告白をさせたことを悔やんで柱を叩き、柱にもたれる猛。
その仕草と表情が何とも切なくて、16歳の設定にもかかわらず(勝地くん自身はまだ15歳)男の色気を漂わせている。すごいです。

・詫びと感謝をこめて使用人の猛に土下座までする伝衛門。
実子文彦を勘当した今、彼が猛に寄せる感情は単純に使用人・部下として信頼できるかではなく、自分の後継者になりうるかどうかも念頭に置いてるんじゃないでしょうか。

・人前ではしたない話をするなと絹はひかるに説教する。堂々とした態度で恩人の名誉を守ったのだから、本当は「はしたない話」どころか誇りある立派な行動なんですけどね。
そしていつか話題はひかると猛の恋愛問題にシフト。伝衛門・絹の二人とも猛との身分の違いを言ってるんですが、二人の思うところは実はすれ違っているような。
絹の言わんとするところは、「身分が違うから猛は恋するにふさわしくない」であり、伝衛門は「身分違いの障害は覚悟のうえで愛を貫くならそれもよし」と言ってるように思えるのですが。

・それぞれに夜空を見上げる猛とひかる。
先に二人並んで晴れた空を見上げた場面と表現を対にすることで(さらにひかるが猛のくれた貝を耳に当ててることもあり)、離れていても互いを思う二人の絆を思わせます。

・意外にあっさりと勘当を解かれた文彦。久々に屋敷に戻ってきた文彦を見る猛の表情は穏やかでかすかに微笑んでいる。
いつも嫌味ばかり言われ、文彦の本性もわかっているはずなのに、嫌な顔一つせず帰還を喜んであげている。
文彦自身のためというより旦那さま奥さまのために喜んでるんだろうけど、いい奴です。

・三枝家の人々がお膳を囲む中、一人土間に膳が設えられている猛。
使用人だから当然ではあるんですが、改めてその構図を見るとちょっと寂しいものがあります。

・猛はワインの微妙な桃の香りを嗅ぎわけ、将来はワイン作りも考えていたと言う。これ第三部の伏線かと思えば、全然ワインなんて作りませんでしたね・・・。

・猛がいつになく積極的に自分から崇子先生に話しかける。
問いかけに対して返答するさいもいつもより口数が多いし、ワイン作りの希望に彼の心が躍っているのがわかります。

・番小屋にやってきた崇子先生。最初は普通にワインの話をしていたものが、唐突に豹変。これまで抑えてた感情がワインの酔いで引き出されたのでしょうか。
自由恋愛を説くあたりはいつもの先生らしいともいえるが、この場で実践しないでもいいようなものだ。

・迫る崇子を突き飛ばした猛の表情には恐怖の色がある。
16歳の純な少年としては、誘惑にくらっとするよりはその行動の唐突さへの恐れが先に立つのは自然かと思います。ひかる一途であるだけになおさら。

・「捨て子だったおまえに男爵家の姫が輝く肉体をほどこしてあげるわ。さあ下郎、むしゃぶりつきなさい」
オンエア当時ファンを騒然とさせた伝説の名台詞。いったいどこからこんな途轍もない台詞が湧いてくるのだ(笑)。崇子先生役の森ほさちさんも勝地くんもよく噴き出さなかったよなあ。
それにしても誘惑するのに「下郎」呼ばわりはいかがなものか。とくに身分差別に過敏なきらいのある猛にそれを言うか。実際誘惑に乗るどころか「何が下郎だよ!」って怒っちゃってますよ。

・ひかるが戸を叩くのを振り向いたときの猛の驚いた顔が、本当にまずいところを見つかった!という感じ。気持ちはわかるが、君が悪いわけじゃないんだから、もっと堂々としていたまえ。
心にやましいところがあるみたいな顔をしてるから、ひかるもますます疑ってしまったわけで。
しかし二日連続でレイプネタって・・・。昼ドラって凄い世界だなあ。

 

(つづく)

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