猫と亭主とわたし

愛猫。虹のかなたに旅だったブラッキーとリリを偲び。家族になったルナと庭に移ろう季節、折々の想いを写真と文で綴っています。

リリを想う

2016-05-03 16:59:44 | ねこちゃんのお話
朝、夫が静かに障子を開ける音で目覚めた。
「あっ、寝過ごしてしまった――」
「リリに水を取り替えてあげなければ」
「リリはもういないんだ――」と夫。
悲しみがどっとおしよせてきた。
毎朝リリを抱きしめ、「リリ可愛い」と頬ずりして1日がはじまった。
リリの遺骨のある部屋へ行ってお骨をだきしめた。
「リリおはよう」
「カランと小さな乾いた音がした」
涙があふれでる。
夫がそっとわたしを胸に抱きしめてくれた。
夫の胸で泣きじゃくった。
夫も見えないところでひそかに泣いているのだろう。
30年ちかく何匹も猫ちゃんを飼ってき。
リリはあまりにも可愛すぎた。
素直な優しいリリ。
呼ぶと一目散に飛んできた。
紙を丸めた小さなボールでリリとキャチボールをした。
わたしのお腹の上でよく眠った。
こんに泣いたのは初めて。
全身がけだるい。
胸がかきむしられるように苦しい。

4月28日の夜、急にリリが苦しみだした。
29日は獣医さんが休みだった。
もうインターフェロンはやめて家で、静かに余生を送らせようと夫と決めていたのに。
30日もう一度だけ診てもらおうと医者に連れて行った。
嫌がって泣いたのだから止めればよかったのに――。
キャリーバックからだしてあげればよかった。
酸素が心臓にいきわたらなくなって苦しかっただろう。
獣医さんについてすぐ息をひきとってしまった。
連れて行かなければ、リリはまだ生きていただろう。
「リリごめんね、ごめんね」
いくら謝っても取り返しのつかないことをしてしまった。
間を抜かれてしまった。さいごのさいごに、適切だと思った判断。
それが裏目に出てしまった。家にいて、静かに息をひきとつてもらいたかつた。
もこもこのあたたかな柔らかな三毛猫。
リリの3キロほどの重み。
もうわたしの手で感じることはできない。
でも、まだ足元に来て、すりすり、リリがしているような気配がする。
また、涙があふれてくる。


   リリ ごめんね    


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