猫と亭主とわたし

愛猫。虹のかなたに旅だったブラッキーとリリを偲び。家族になったルナと庭に移ろう季節、折々の想いを写真と文で綴っています。

迷子の仔猫ちゃん

2014-09-26 18:20:38 | ねこちゃんのお話
9月5日の夕暮れ。
夫と買い物から帰る。門扉をくぐる。すると、庭木の茂みから猫の鳴き声がする。
微かな、すがるような、鳴き声だった。
「仔猫かしら」
わたしの声を聞きつけて、猫はさらに哀れぽい声で鳴いている。
低い植え込みから這い出てきた3か月位の仔猫が、わしを見上げて鳴いている。
両脚を少し開いて佇んでいるわたしの足元に、からだをすりつける。
仔猫はわたしの脚の間を8の字にまわりはじめた。
それから頭をわたしの脚にこすりつける。この「すりすり」にはわたしはヨワイ。
仄あたたかい仔猫の体温が伝わってくる。
「迷子になったのかしら」
「それにしては、骨がごつごつしているね」
「間違いなく飼い猫だわ」
「捨てられたのかしら」
「可哀想に」
猫大好きな夫が
「取りあえず餌をあげたら」
というのでブラッキーの餌をとりに家に駆けこむ。
何日も食べていないのか夢中で食べている。

さて、どうしたものか……
帰る場所のない仔猫のことを思うと涙が溢れそうになった。
夫に気づかれないようにそっと目がしらをおさえた。
その晩は心を鬼にして家に入れなかった。

次の朝バラに水やりをしていると夫の呼ぶ声が。
「仔猫が鳴いているよ」
夫の書斎の窓の下で昨日の仔猫がしきりに鳴いている。
餌を持って近寄る。すぐには寄ってこない。
猫は変にいさぎよいところがある。
昨日拒まれたと思ったのだろう。
毅然としている。それでも――。
餌を近づける。ひもじかったのだろ。
わたしの手から……やっと……食べ始めた。

その日の夜はひどい土砂降りだった。
可哀想なので、裏庭に面した廊下へ入れてあげた。
急きょトイレと寝床を用意した。
安堵したのか静かに眠りについたようだ。

はやいもので我が家に来て3週間になる。
体重も2キロまでに増えた。
名前はリリ、三毛猫の雌。
リリはわがもの顔で、部屋のあちこちを歩き回っている。
もとからわが家の猫だったような顔をしている。
このあたたかくて柔らかい、ふわふわした毛の生きもの。
そして小さな微かな鼓動。
魅惑的で不思議なこの生きている――仔猫。


   

   

   

   

   

       
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ほっと心が休まるひと時

2014-09-23 22:17:29 | 身辺雑記
日が西の空に沈むころ散歩を兼ねて夫と買い物にでかける。
家を出るなり夫。
「飛行機雲がきれいだね」
澄んだ空に飛行機雲が何本も長く尾を引いている。
「こんなに飛行機が飛んでいるのね」
飛行機雲にはロマンを感じる。

遠くに見える山の稜線が赤くふちどられて絵画のよう。
空が茜色に染まり、刻々と変わる空の色、雲をながめる。
大きく深呼吸して空の青さを吸い込む。
日常からはなれ、ほっと心が休まるひと時。

買い物の帰りよく通る好きな道。
ちょっとした距離だが遊歩道と小川を挟んで樹々が植えられている。
一歩足を踏み入れると虫の鳴き声がいっきにわたし達をつつみこむ。

道すがら曼珠沙華の真っ赤な花が目に染みる。
我が家の庭でも曼珠沙華やしゅうかいどうが満開。

  しゅうかいどう

   

   

   

   

  曼珠沙華

   

   

   

   

   ほととぎす

    

    


    
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あまり好きになれない――わたしの性格

2014-09-03 22:28:34 | 身辺雑記
このところ涼しい日が続いて過ごしやすい。
一日でも涼しい日があると助かる。
バラも少しずつ体力を回復して、秋には美しい花を咲かせてくれるだろう。
パソコンとカメラのトラブルでブログをしばらく休んでしまった。
裏庭でアイスバーグとコーネリアが開花していた。

体力の限界を感じるようになった。
ほとんどバラは鉢植えのため水やりにⅠ時間はかかる。
ジョウロに水を入れて二階まで少なくとも5回は往復する。
健康のためと頑張ってきた。
以前は人目に触れぬ道の片隅に静かに咲く花に心をうばわれていた。
いつだったか夫が散歩の帰り「mimeが好きそうな花が咲いていたよ」と露草を摘んできた。
我が家の庭の片隅にも濃い紫の露草が咲いている。
みずみずしい紫の花、こんな花をこよなく愛していた。
いつの間にかばラの華やかさに魅せられ、バラを育てるようになった。
これでいいのか、バラにかかる膨大な時間。
もちろん新芽がで、蕾がふくらみ開花したときの喜びは言葉につくしがたい。
考えてみるとわたしはいつも心で葛藤していた。
野の素朴な花をめでていればいのではないか。
バラの世話にかかる時間を、本を読む時間にあてたほうがいいのではないか。
わたしはいつも迷っている。
気をもんでいる。
あまり好きにはなれない。――わたしの性格。

   アイスバーグ
   

   

   コーネリア
   

   

   

   

   

   
     
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