猫と亭主とわたし

愛猫。虹のかなたに旅だったブラッキーとリリを偲び。家族になったルナと庭に移ろう季節、折々の想いを写真と文で綴っています。

散る桜によせて

2012-04-22 23:43:50 | 散歩
わたしは望遠レンズに変えた。
観覧席の最上段からカメラをグランドに向けた。
グランドの周りは桜の花びらで敷き詰められていた。

    新垣結衣主演の「フレフレ少女」のロケ地として使われました。   
     

     

花びらの海は春の突風にあおられて漣をたてていた。
薄紅色の波は光を浴びてときおりその色調を濃艶なものにした。
わたしはうっとりとその風景に見とれていた。
見上げれば、桜の葉が芽吹き始めている。

    

グランドの桜の波をパチリ。薄緑の桜の葉と花をパチリ。
静かな空間で至福のときが過ぎていく。わたしは蝶になった。
一陣の風に散る桜の花びらの中をわたしは舞っていた。
群落した無数の花びらは、すでにグランドを染めていた花弁のうえに重なった。
蝶は散る花びらと虚空で戯れていた。
ふと、夢想から覚めると……夫が木製のベンチから静かに立ち上がった。
「いい写真がとれたようだな」といった。