猫と亭主とわたし

愛猫。虹のかなたに旅だったブラッキーとリリを偲び。家族になったルナと庭に移ろう季節、折々の想いを写真と文で綴っています。

春を呼ぶ雨/姫椿・プリムラ

2010-03-07 16:51:20 | Weblog
    微かな雨音がしていた。
    わたしを目覚めさせたのは、この雨音なのだろうか。
    屋根に落ちる雨音。
    でもこのしのびやかな音は春がひたひたと近寄ってくる足音のようにおもえる。

    なにか期待するような気持ちで、そっとカーテンをあけてみる。
    姫椿が雨滴をつけて枝垂れている。
    でも雨の重みに耐えているようすはない。
    むしろ、ぼってりと水分を吸収して春への期待をふくらませているようだ。
    花の色もいつもの朝より鮮やかだ。

         

    花の鉢を狭い窓枠のうえに移す。
    鉢植えのプリムラはつぎつぎと新しい花を咲かせている。

         

        ジュリアン ブライダルベル
         

        ジュリアン キャディインブライト
         

        ジュリアン いちごのミルフィーユ
          

    窓を開けてみる。
    雨は降っているがさほど寒くはない。
    芽吹き始めた庭木やバラ、かずかずの草花を眺める。
    春をよぶ慈雨がしずかに、けぶるように降っている。
    うっとりと眺めていると細かい雨が庭にすいこまれていくのが感じとれる。
    埃を洗いおとされた木々の葉がさらに青くもえたつようだ。
    いま生まれたばかりの新緑が春のプロローグを飾っている。

    啓蟄も過ぎ。
    わたしのささやかな庭ではもう春を迎える準備がととのった。
    あとは暖かになったり寒くなったり、小糠雨が降りつづいたり、行きつ戻りつしている天候が定まれば春はもうそこに来ている。