【ガスパチョ】
「ガスパチョ」は、スペイン料理とポルトガル料理の冷製スープであり、スペインのスープは極めて有名なもののひとつである。厚さの厳しい地方や夏に特に好まれる。
『概要』
発祥の地はスペインのアンダルシア地方である。「ガスパチョ」という名詞がスペインで使われるようになったのは17世紀のことで、語源はラテン語の「カスパ(かけら、断片)」ともヘブライ語の「ガザズ(バラバラに握る)」とも言われている。初期の「ガスパチョ」はパン、ニンニク、塩、オリーブオイル、酢、水だけから成っていたが、19世紀までにはトマト、キュウリ、ピーマンなどが入るようになった。トマトを主成分にした「赤い」ガスパチョが最も有名であるが、トマトが入らない「白い」ガスパチョもある。ポルトガルのガスパチョはスペインのものよりもパンの割合が多い。
本来は木のすり鉢とすりこぎで素材をすり潰していたが、今ではミキサーやフードプロセッサーを使うことが多い。しかし、通の間では電気機器を使ってガスパチョを作るのは邪道であるという意見がある。野菜やパンはピュレー状にせず、角切りにするだけの場合もある。
どの家庭にもそれぞれ家庭の味があり、野菜たっぷりで夏ばて防止に役立ち、爽やかな酸味が食欲を引き立たせてくれる。
『作り方』
作り方はいたって簡単、ミキサーに野菜とパンとオイル、ビネガーを入れるだけである。その日に作ったものより一日経ってからの方が味がなじんで美味しい。
入れる材料は、トマト五個、キュウリ1本、タマネギ半分、ピーマン2~3個またはパプリカ、フランスパン半分、水2カップ、ワインビネガー1/2カップ、オリーブオイル1/4カップ、ニンニク1片である。
【トムヤムクン】
「トムヤムクン」は、辛味と酸味、複雑な香りが特徴的な、タイ料理を代表するスープ。トムヤンクンとも表記される。
『概要』
「トム」は煮る、「ヤム」は混ぜる、「クン」はエビのことである。エビ入りトムヤムスープという意味であり、他にも鶏肉やイカ等、他の食材入りのトムヤムスープもある。鶏なら「トムヤムガイ」、イカなら「トムヤムプラームック」となる。
レモングラスを使った酸味のある味が特徴。
世界三大スープの一つとされるが、その話は初めて日本にトムヤムクンを持ち込んだ業者が、売り込みのために創作したキャッチコピーであるという説もある。後の二つは「ブイヤベース」と「フカヒレスープ」とされるがことが多いが、いずれかの代わりに「ボルシチ」が入る場合もある。
『作り方』
1.エビの殻と身を分ける。
2.エビの殻とレモングラス、バイマックルー(コブミカンの葉)、プリッキーヌ(青唐辛子の一種)、カー(ショウガの一種)、などの香辛料をチキンスープで煮て、スープを作る。
3.ナンプラー、ナム・プリック・パオ(チリ・イン・オイルともいう)、などの調味料とマナオ(ライム)の果汁で味を整える。
4.エビの身とふくろ筍を入れる。
5.エビに火が通ったら、仕上げにパクチー(コリアンダー)の葉を加える。
6.好みによってココナツミルクを入れても良い。
なお、固形やペースト状のトムヤムスープの素がマギーやクノールなどから販売されており、これを使えば簡単に作ることができる。