【カカオ・ココア】
「ココア」とは、カカオの種子を主原料とした飲料。ココア飲料はカカオ豆を発酵・焙煎させた後、種皮と胚芽を取り除いてすり潰したカカオマスや、それを脱脂して得られるココアパウダーに湯、砂糖、牛乳などを加えて作るのが一般的である。
カカオの実は、厚さおよそ3ミリの荒い革のような種皮を持つ。南米で「baba de cacao」と呼ばれる甘い粘質でパルプ質の実の中に、30から50個の大きなア-モンドに似た柔らかくピンクまたは紫色の種子(豆)が包まれている。
カカオはアメリカ大陸に自生してる。カカオは今日の南米のアマゾン流域、アンデス山脈山麓東部およびオリノコ川流域が起源といわれる。とかとながらスペイン人到来のはるか以前にもその後同様にこれらの地域で栽培されていたため、過去においてどけだけ広域であったかについては不明瞭である。カカオは古代マヤ族によって中米に伝わりオメルカ、トルテカ帝国、アステカによりメキシコで栽培され、スペイン制服前にはメソアメリカとカリブで共通通貨として用いられていた。
カカオの木
カカオの実の中のカカオ豆
焙煎前のカカオ豆
ココア製品
【チョコレ-ト】
「チョコレ-ト」は、カカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めたものである。ただし、近年の工業生産チョコレ-トでは、主原料以外に、原料コスト削減や加工性を上げる目的で植物性の油脂などを加えたり、加工コスト削減の目的で乳化剤を加えたり、風味の向上の目的で香料や甘味料などを加えるなど、様々な添加物が配合されることも多い。
イギリス人が固形のチョコレ-トを考案するまでは、チョコレ-トといえば飲物を意味していた。現に、例えば米国では今でも「ホット・チョコレ-ト」と言えば日本で言うところの「ホット・ココア」飲料を意味する。
「chocolate」の語源については、辞典などでナワトル語の「チョコラトル」が由来とされているが、アステカがスペインに征服される前にはチョコラトルという用例が無く、はっきりしたことは解っていない。一説によれば、スペイン人がマヤ語の「チョコル(熱い)」とアステカ語「アトル(水)」から作った新語だという。