【鬼饅頭】
「鬼饅頭」は、芋饅頭とも呼ばれ、薄力粉と砂糖を混ぜた生地に、角切りのサツマイモを加えて蒸した菓子。主に愛知県などの東海地方で見られる。
一般の饅頭や中華まんとは異なって、菓子の中央部に具(餡)がまとまって入りそれを生地が包んだ形ではなく、具であるサツマイモの角切りが生地に混じっており、表面にもサツマイモの角切りがいくつも見えている。また、一般の饅頭や中華まんよりも生地の粘りが強く、生地の表面は光沢がある。
表面にいくつもサツマイモの角切りが見える様子がゴツゴツして鬼やその金棒を連想させることから、この名称が付いた。サツマイモの替わりに、リンゴの角切りなどが食材として使用されたものもある。
庶民的な菓子であり、愛知県や岐阜県では、高級店でなく庶民的な和菓子店には必ずといってよいほど「鬼饅頭」が売られている。学校・学校教育の現場では給食でデザートとして出されたり、家庭科の調理実習で調製する地域もある。また、家庭では蒸しパンの素にサツマイモの角切りを混ぜて製する場合もある。
【薄皮饅頭】
「薄皮饅頭」は、福島県郡山市の土産菓子。甘い饅頭で、名前の通り黒糖を使った薄い皮で包んでいることが特徴である。
『特徴』
寛永5年から続く和菓子の老舗「柏屋」が製造・販売している。
2010年、郡山市内で行われた「春のまんじゅう祭り」では重さ159キロの巨大「薄皮饅頭」に入刀する「薄皮大萬寿開き」が行われた。
皮は、小麦粉に黒糖を多く混ぜて作った生地を使用しているため、茶色をしている。通常の饅頭よりも皮が薄い分、餡の占める量が多い。このためかなり甘いが、くどい味わいではない。
現在、餡の種類で「漉し餡」、「粒餡」の2つがある。また、小さいサイズの「薄皮小饅頭むや、蒸篭に入れて販売している「せいろ薄皮むがある。そのまま食べるほかに、焼いて食べたり、凍られて食べたり、衣をつけて天麩羅にして食べたり、茶漬けにして食べたりする人もいる。
『歴史』
柏屋の当主である初代・本名善兵衛が考案したとされる。江戸時代の奥州街道の郡山宿で薄皮茶屋という店を開き、主に旅人相手に販売した。当初は漉し餡を用いたものであったが、現在は好みの変化もあり、粒餡も用いている。