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道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

8/22 「石炭」と「コークス」

2012年08月22日 | 豆知識

【石炭】

「石炭」とは、古代の植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれ、そこで長い期間地熱や地圧を受けて変質(石炭化)したことにより生成した物質の総称。見方を変えれば植物化石である。

「石炭」は古くから燃料として使われてきた。特に産業革命以後20世紀初頭まで最重要の燃料として、また化学工業や都市ガスの原料として「黒ダイヤ」「黒いダイヤ」「黒の宝石」等と呼ばれていた。第一次世界大戦前後から、艦船の燃料が石炭の2倍のカロリ-を持つ石油に切り替わり、戦後中東で大量の石油が採掘され1バレル1ドルの時代を迎えると、産業分野でも石油の導入が進み(エネルギ-革命)西側先進国で採掘条件の悪い構内掘り炭坑は廃れた。

しかし、1970年代に二度の石油危機で石油がバレル12ドルになると、産業燃料や発電燃料は再び石炭に戻り、米国やドイツや中国などでは現在も最も重要なエネルギ-源である。ただし、日本では国内炭坑は復活しなかった。豪州の露天掘りなど、採掘条件の良い海外鉱山で機械化採炭された、安価な海外炭に切り替わっていたからである。海上荷役も原油に次いで石炭と鉱石が多く、30万トンの大型石炭船も就役している。

他の化石燃料である石油や天然ガスに比べ、燃焼した際の二酸化炭素排出量が多く地球温暖化問題の面から不利だが、天然ガスも石油も数十年の埋蔵量しかないのに比べ、石炭は110年程度の埋蔵量がある。また石油と違い政情の安定している国の埋蔵量が多く、価格も安定しているほか、日本を含む多くの国にとって石炭は有事の場合に自給可能な唯一の燃料である。

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【コークス】

「コークス」とは、石炭を乾留(蒸し焼き)した燃料のことである。蒸し焼きにすることで石炭から硫黄、コ-ルタ-ル、ピッチなどの成分が抜ける。この乾留工程を経る事で燃焼時の発熱量が元の原料の石炭より高くなり、高温を得ることが出来ることから蒸気機関車や鉄鋼業などを中心に、現在においても重厚長大産業には欠かせない燃料となっている。外見は石炭に似るが、多孔質であるため金属光沢は石炭に比して弱い。多孔質は、乾留(1300度以上)の際に石炭中の揮発分が抜けて出来るものであり、結果的に炭素の純度が高まり、高温度の燃焼を可能とする。

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