【スイートポテト】
「スイートポテト」とは、本来は英語でサツマイモのことである。
日本ではサツマイモを用いた日本の洋菓子を指すことが多い。裏漉ししたサツマイモに砂糖、牛乳、無塩バター、好みで香料(バニラやシナモン)・洋酒などを混ぜ、小さなアルミホイル皿の上に楕円形に整形して乗せたり、星形の搾り袋で押し出した後、焦げ目を付けるため表面に卵黄を塗り、オーブンで焼いて作る。
『歴史』
サツマイモを洋菓子の主材料とするのは日本だけで、これは明治時代に始まったものである。
もともと、サツマイモに鶏卵と砂糖を混ぜて、サツマイモの皮に盛って料理していたものが、明治20年に小さく作り、表面に卵黄を塗って焼いた菓子に変えられた。
現在、帯広市の洋菓子店「グランベリー」では、サツマイモの皮を器として焼いた「スイートポテト」が製造・販売されており、全国的に知られる商品となっている。
派生商品として、ムラサキイモ・ジャガイモを原料に使った物、皮を利用した土台、カスタードクリームを下段にした物も存在する。
【バウムクーヘン】
「バウムクーヘン」とは、中心にドーナツ状の穴があり、断面に樹木の年輪のような同心円状の模様が浮き出たケーキである。
『概要』
「バームクーエン」と表記されることもあるが、「Baum」は標準ドイツ語では「バウム」と発音する。「Kuchen」は「クーヒエン」と表記されることもあるが、これは発音規則の誤解であり、正しくは「クーヒエン」ではなく「クーヘン」である。従って「バウムクーヘン」の方が現地音に近い表記であるといえる。
「バウムクーヘン」は製法が特殊なため普通のオーブンでは作れず、「バウムクーヘン」専用のオーブンが存在する。
専用オーブンは生地を巻き付けるための芯と、芯を自動的にあるいはハンドルを使用して手動で回転させる装置が上部にあり、下部には生地を焼き上げるバーナーが据え付けられている。
庫内が密閉され壁面からの輻射熱を利用する一般のオーブンと異なり、開放型で直火で生地を焼き上げる。
生地はバター、鶏卵、砂糖、バニラ、マジパン、ラム酒、水などで作られる。芯になる棒の表面に生地を少量かけてバーナーで焼くと、表面が焦げた1~2ミリの薄い層ができる。焼けた層の上に生地を掛けながら焼くことを繰り返し、薄い層を10~20層程度つくる。
焼き上がった後に芯を抜いて輪切りにすると、バーナーで炙った際に出来た焦げと内側の白い部分が層状に表れ木の年輪のように見える。
精魂詰める作業とオーブンの直火の熱をもろに胸に受けるため、ドイツでは「バウムクーヘン焼きは長生きしない」と言われている。
日本では年輪の形状から結婚式や祝い事の引出物として使われ、繁栄や長寿をイメージするものとして慶事の贈り物として好まれる。
表面に糖衣やフォンダン、チョコレートなどをコーティングしている製品が多く見られる。
ドイツではこのような風習はなく、手間暇をかけた職人の高い技術の証となっているにすぎない。また、製造方法が非常に特殊で技術を要することから、日本のように身近・手軽なお菓子ではなく、一般の知名度としては「名前を知っている」という程度である。
『歴史』
原型は、紀元前のオベリアス(ギリシャ)という木の棒にパン生地を巻き付け焼いたものとされている。
日本で最初に「バウムクーヘン」を作ったのはドイツ人のカール・ユーハイムで、広島県商品陳列所(後の原爆ドーム)で開催された広島県物産陳列館捕虜製作品展覧会において1919年3月4日に販売された。当時はピラミッド・ケーキという名前で販売されていた。
このことを記念して、毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」と決められている。