佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

シンポジウム「佐世保の水これから」を振り返って

2009-12-15 | 石木ダム


12月8日、シンポジウム「佐世保の水これから」に、こんなにたくさんの方が来て下さいました~

師走ですよー 忙しい時期です。
夜ですよー 外は暗くて寒いです。
なのに こ~んなにたくさん!
嬉しかったです。

やはり、それだけ、水資源に対する市民の関心が高まってきたのでしょうか?

オープニングはオトヒトツのミニコンサート!



演奏している彼らも、水のこと真剣に考えている仲間です。

7時からシンポジウム、スタート。

まずは、横浜から駆けつけて下さった遠藤保男さんの基調講演。
遠藤さんは、元東京都の水道局職員だった方で、
現在は「水源開発問題全国連絡会」略して「水源連」の共同代表です。

その遠藤さんが、何故か全国の中でも特に佐世保の水事情に注目して下さって、
今年8月には佐世保市の水源地や水道施設を視察、調査されました。
そこから見えてきたものは何か?

たくさんの表やグラフをパワーポイントでスクリーンに表示。
客観的な事実が素人にもわかります。

最後のまとめで訴えられたことは、
佐世保市水道局は、有収率の向上(=漏水対策を強力に推進すること)に努めなさい!
現在のあまりにも恥ずかしい状態から脱却しなさい!と。

佐世保市民の水の使い方は全国でもトップクラス(=とても大切に水を使っている)なのに、
佐世保市水道局の水の供給の仕方は最低クラス。
全国の大規模水道事業体215中、有効率は203位、有終率は201位。
(=漏水がものすごく多い=水をたくさんムダにしている)

福岡や東京のように漏水率3.3%を目指せば、ダムなど要らない。
漏水対策にかかる工事は、地元の仕事創出、経済活性化につながる。
「造る」公共事業から「修理・改造」の公共事業へ。

とても説得力のあるお話でした。


こちらは、パネルディスカッションで発言中の遠藤さん。

お隣に座っているのは、「ライフ佐世保」の編集長の末永修一さん。
市議会に提案された30%近い水道料金値上げ案に驚いて記事にしたら、
新聞を配布した1時間後に、水道局の部長さんが二人とんできて、クレームがあった。
水道局には取材してないじゃないか、一方的だと。
しかし、その日以降、市民からの電話が殺到、「よく書いてくれた」「もっと書いて」が大部分。
「水が足らん言うから節水したのに、収入が減ったから値上げなんて冗談じゃない!」
「これ以上値上げされたら、水を使われんようになる…」と怒りや愚痴も。
しばらくは仕事ができない状態だったそうです。

でも、外回りの記者たちは行く先々でミカンやらお菓子やら、お土産をたくさん渡されるようになったとか。

編集長のお隣は、県議会議員の末次精一さん。
今回のシンポジウムの言いだしっぺ。
前日の県議会で一般質問に立ち、ご本人によるとうまくいかなかったと反省しきりでしたが、
シンポジウムでのディスカッションでは、実に歯切れよく、好評でした。

議員になってわかったことの一つだが、
行政というのは一度決めたことは、ぜったい変えようとしない。
ダムにかかる費用はどんどん増えていってる。
今まで県や市は総事業費285億円と言ってきたけれど、
ダムに付随する施設設備費を足せば538億円もかかるんですよ。
一方、海水淡水化施設はダムの何倍もお金がかかる、とても無理だと県は言っているけれど、
それは、毎日4万トンも造水した場合の話。
ふだんは間に合っているんだから、渇水の時に備えた小規模のものなら、それほどかからない。
などと、強くアピール。会場の人々は大きく頷いていました。

浅田眞澄美議員のコーディネートでパネルディスカッションはさらに盛り上がり、
会場からの質問の時間になると、質問というより賛同の意見ばかり。

そして、最後にマイクを握ったのは、現地住民を代表して松本好央さん。



いつものように、素朴で正直な語りで、会場がシーンとなってしまいました。
「僕らの親は四十数年間、僕は生れてずーっと34年間、ダムと闘ってきた、それが僕らの人生だった」
「強制測量のときのあの経験を自分の子どもにはさせたくない。その思いで、今も闘い続けている」
「僕らの住んでいるところを奪ってまで水が必要なんですか?」と言いつつも、
「今日、佐世保でこのような話が聞けて励みになった」
「自慢できるものは何もありませんが、僕らの住んでいる川原(こうばる)を是非見に来て下さい」と。

「この前行ったよー!のどかないいとこやったー」と会場からの声!

「ありがとうございます」と答える松本好央さんの声が心なしか潤んでいました。

閉会は9時を少し過ぎましたが、ほとんどの方が最後まで熱心に聴いて下さいました。
そして、最後に署名と節水に関するアンケートとカンパのお願いをしたら、
たくさんの方が応じて下さいました。

署名95筆、アンケート80枚。カンパは・・・¥33,850!!

1枚のアンケート用紙の裏に、こんな文章が記されていました。


    今回のシンポジウムにて、いろんなことがわかった!
    水道局の怠慢、ねつ造等。
    ・水道料金値上げ反対
    ・石木ダム建設反対
    このことを推進するには
    今回参加した人間は、どのように、
    何を、行動すればよいのか?
    『どがんすれば 石木ダムは 建設されんと?』


何より嬉しいメッセージでした。
40代男性の方、ありがとうございました。





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3 コメント

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いい! (mocci)
2009-12-16 08:37:13
いいですね、こういう市民活動。利権にもお金にも縁のない一般市民の誠実で地に足がついた、しっかりとした調査に基づく訴え。大きな力だと思います。
石木ダムは大丈夫、建設されない。
返信する
すごーいー (ひさごん)
2009-12-16 14:22:53
感動しました。
シンポジウムを開催された皆さまに拍手です。
勇気と希望が湧いてきます
返信する
ありがとう! (cosmos)
2009-12-16 21:51:31
mocciさん、ひさごん、ありがとう。
実行委員会が立ちあがったころは、どうなることかと不安でいっぱいでしたが…結果は予想以上の成功でした。

「利権にもお金にも縁のない一般市民」としては、この結果が最高の報酬です。

また、シンポジウムは終わりましたが、資料の希望者がまだチラホラいて…。
昨日は長崎大学の環境科学部から依頼があり、郵送しました。
多めに作ったので、これからもあちこちで役立てたいと思っています。

お二人の応援にも心から感謝しています。
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