今朝の新聞に最低賃金のことが書かれていた。
長崎県の最低賃金は30日から「1時間628円」に改定され、
これは、昨年よりも9円(1.45%)アップとのこと。
時給628円はかなり厳しい数字だ。
地域別最適賃金についてネットで検索してみると、
やはりこれは全国の中でも最低に近いものだった。
沖縄の失業率の高さや賃金の低さはよく耳にするが、
その最も低いと言われる沖縄の額が、627円。
わずか1円の差である。
しかも、宮崎県と鹿児島県が同じ627円。
そして、628円の長崎県に並んでいるのが、佐賀県と熊本県と岩手県。
(大分県は630円だった)
つまり、福岡県を除き、九州各県は全国で最も賃金の低い地域ということ。
ちなみに、最高はもちろん東京で、766円。埼玉は722円。
全国平均でも703円と、700円を超えている。
766円と628円。その差138円。
1日8時間働けば、その差1104円。1週間5日で5520円。
1か月22日で24288円。
住んでる場所によってこれだけの格差が生じる。
この差をどう判断したらいいのだろう?
賃金に見合って物価が安ければ、実質の生活レベルは同じなのか?
しかし、その物価も、地産地消の食料品などには差があっても、全国販売されているもの(カレールーだのチョコレートだのビールだの)そういうものに小売価格の差はないだろう。
また、車や電化製品を、田舎だからと安く売ってはくれないだろう。
土地の値段は、それこそ地域格差の最たるものだから、田舎で家を買えばもちろん安いが、最低賃金に近い収入で暮らす人には無縁の物価であるだろう。
そもそも、最低賃金というのは日本国憲法第25条(すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する)の主旨に基づいて定められた法律(最低賃金法)に則って設定されるものらしい。
であるならば、日本国民としての最低限度の生活に地域各差があるのはおかしいと思う。
最高賃金や平均賃金の格差はよしとしても、最低に格差があるのは解せない。
最低賃金に地域格差があることそのものを否定しているのではなく、その賃金で営む生活レベルが等しくあるべきだと思うのだ。
では、この地域別最低賃金って、誰がどうやって決めているのだろう?
調べてみると、これを決める審議会というものがあって、
①労働者の生計費、②類似の労働者の賃金、③通常の事業の賃金支払い能力の3要素を考慮して決定され、
そして、その審議委員は、労働者代表、使用者代表、公益代表の人々各同数からなるらしい。
ところが、経営者側の委員は中小企業の経営者等が多いにもかかわらず、
労働者側の委員は大企業労働組合の代表が多く、地域別最低賃金により影響を受ける中小零細企業の労組代表がほとんど選任されていないらしい。
中小企業の経営者が多いのは納得できる。
決定された最低賃金以上払わねば罰金を科せられるわけだから、小さな会社の経営者から正当な支払い能力を聞き出す必要は当然あるだろう。
が、一方で、労働者の側も、中小零細企業で働く人々を委員にしなければ、現実が見えてこないだろう。
最低賃金とは、そういう人々のセーフティバルブのようなものではないのか?
どこに住んでいようと、まじめに一生懸命働けば、憲法25条が保証するような生活ができる、そのための最低賃金審議会であってほしい。
cosmosさんの言うように、限りなくこの金額に近い報酬で労働する人にとっては家を購入する際のメリットなど関係ありませんが、地方の「家賃」が東京より安いのはせめてもの救いです。
地価の差は、そのまま家賃の差でもあるわけですよね。ご指摘ありがとう。
低賃金で貸家に住んでいる人にとって、生計費の一番大きな出費はたぶん家賃でしょうから、その差は大きいですね。賃金格差によるひと月の収入差に匹敵するかもしれませんね。
今年の7月から最低賃金法が改正され、違反した経営者には50万円以下の罰金が科せられます。(今までの上限は2万円だった!)
また、産業別最低賃金というのもあるんだけど、それに関する罰則はなくなったようです。
もし興味があったら、厚生労働省のHPを見てね。詳しく出ています。http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/saiteichingin02/index.html
こんな話があります。
同じ会社の同じ職種なのに、都心と都下では100円以上も賃金差があるのです。理由は地域の生活レベルの差です。例えば目黒あたりで時給900円で募集しても応募者はありません。1000円にすればくるかも、という会社の目論見、ヒドイ!
同じ東京都内でも、長崎県内でも、その中での地域格差というのはやはりありますよね。
でも、今や都会でもワーキングプア問題が深刻化していると聞くのに、目黒区では自給900円で応募者無し?そうなんだ・・・。まあ、職種にもよりますよね。
とにかく、一生懸命働けば、衣食住が満たされる社会であってほしいですね。