神奈川新聞社が運営するニュースサイト「カナロコ」に、興味深い記事がありました。
『時代の正体 語る男たち』の第3回「イラク派遣は正しかった。しかし…」
元防衛庁高官の柳沢協二さんへのインタビュー記事でした。
http://www.kanaloco.jp/article/76185/cms_id/96349
柳沢さんは元防衛官僚として、当時も今もイラクへの自衛隊派遣は正しかったと思っている。
現地で取り組んだのは給水や医療指導、道路改修といった人道目的の復興支援だった。
3カ月で交代する部隊の長があいさつに来るたびに言った。
「最大の使命は全員を無事に連れ帰ることだ。無理に仕事をしようとしてはならない」
武装勢力と一戦を交えた途端、現地の人々を敵に回すことになる。
だから砲弾が飛び交う中、自衛隊員は銃を向けるのではなく笑顔を向けた。
撤収にあたり小泉首相に成果は何かと問われ、
「自衛隊は1発の弾も撃ちませんでした。だから任務をやり遂げることができた」
と説明した。
安倍首相は、集団的自衛権の行使容認にこだわり強引に閣議決定をした。
「生身の人間の命を失わせるかもしれない命令を出すことに躊躇いがないように感じる」
「なぜ、これまでの国際貢献の在り方では駄目なのか」
「銃を1発も撃たない国際貢献は憲法9条のある日本らしい在り方だ」
と、柳沢さんは批判する。
安倍首相を批判することについて
「元政府高官の肩書で国を批判するとは何事か!」と批判されることがある。
だが、元同僚からはよく言ってくれたと声を掛けられる。
国に物申すことなく過ごした官僚生活を振り返り、
これからは自らの経験を基に発言していこうと思うようになった。
「米国のお付き合いのために自衛隊が派遣されることを防がなければならない。
集団的自衛権行使容認をやめさせることが自分の自己実現。いわば人生の目標」と言い切る。
「安倍首相にとっても自己実現なのかもしれない。
だから、それを防ぎたいという私の自己実現と首相の自己実現の戦いだ。
一国の首相という大きな相手で戦いは大変だ。だが、やり続ける」
柳沢さんの自己実現を心から応援したいと思います。
安倍さんの自己実現が勝ったら、国民はたまったものじゃない!