東京電力福島第1原発を設計した東芝の元技術者Oさん(69歳)が16日、東京の外国特派員協会で
記者会見し「1967年の1号機着工時は、米国ゼネラルエレクトリック社(GE)の設計をそのままコピー
したので、津波を全く想定していなかった」と明かした。
日本の原子力発電は英米の技術輸入で始まり、福島原発はそのさきがけ。
Oさんは1、2、3、5、6号機の冷却部分などを設計し「1号機は、日本側に経験がなく無知に近い状態
だった。地震津波の多発地帯とは知っていたが、批判的に検討、判断できなかった」と話した。
2号機からはGEの設計図を改良したが、「マグニチュード8以上の地震は起きない、と社内で言われた。
私の定年が近くなってやっと、地震対策の見直しをしたが、それでも大地震は想定しなかった。
責任を感じる」と述べた。
これは17日の北海道新聞の記事です。
この会見をした東芝の元技術者は私の知人です。
退職後、Oさんはずっと反原発を訴え続けてきました。
技術者としての良心が、彼をそのような行動に駆り立てたのだろうと思います。
「原発を並べて自衛戦争はできない」という小さな冊子を自分で作り、
あちこちで講演し、多くの人に原発の危険性を伝えてきました。
そのOさんが実名で会見し、このような事実を伝えたのは、
本当に勇気の要ることだっただろうと思います。
会見の前日、Oさんは、各電力会社にFAXや速達で原発の即時停止を要請しました。
中部電力の水野社長には手紙を書きました。
以下、ご本人の了解を得て、転載させて頂きます。
中部電力株式会社
水野明久社長殿
拝啓
初めてお手紙をお送りします。
去る3月11日に起きた東北関東大地震によって、東京電力福島第一および第二原発において、
非常用電源装置がすべて機能を失い、複数の原子炉の冷却をすることができなくなり、放射能を環境に放出しなければならないという重大な事態が発生しました。それらの原発と同じ基準による安全審査に合格した日本のどの原発においても同様な事態が発生する可能性が高いと考えます。そこで、
貴社の運転中の原発をすべてただちに安全に停止してくださるようお願いします。
私たちにとって、お金よりも、電気よりも大事なものは命です。
中部電力(株)の最高責任者である貴殿もそのことを理解してくれていると信じます。そうであるなら、貴社の原発も安全に止められる今、ただちに止めて、安全な状態に導く決断をすべきです。原発事故の影響は、すべての日本に住む人々に及び、そして、その運命を逃れることができる人は誰もいないのです。
時期を逃してはいけません。面子にこだわる時ではありません。事業者として、恥も外聞も捨てて、自主的な蛮勇をふるう時です。その結果、貴殿が国民の命を何よりも大切にしていることをすべての国民が信用してくれるでしょう。
私のため、国民のため、これから生れてくる子々孫々のために、上記の決断をされるよう、伏してお願い申し上げます。
敬具
http://www.ustream.tv/recorded/13371747
日本全国には同じ立場の人がたくさん居るはずです。後藤さんの勇気と行動に敬意を思いつつ、現場の作業員に感謝しつつ、後に続く勇気ある技術者を期待したいです。
管総理は論外。保安院、東電ではダメです。
必要ない配慮で仮名にすれば信憑性が小さくなります。
そうかもしれませんね。
誤解のないように言いますが、Oさんも後藤さんと同じようにカメラの前に登場し実名を名乗りました。
新聞記事にも実名で出ています。
知人である私がかってに「必要のない配慮」をしてしまったのです。
必要のない配慮であっても、私はなぜか書けませんでした。
お知りになりたい方は検索すればすぐにわかることです。