佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

スウェーデンのバスはウンチで走る!

2012-11-09 | さよなら原発

いよいよ当日。

会場いっぱいの参加者の前で、いつものように元気満タンの鎌仲監督。

縦横無尽のトークに、メモをする手もいつしか止まり、

(書くのが遅くて、ついていけない…)

ただ、耳を傾けることにしました。

記憶に残ったのは、

 

○ 劣化ウラン弾の破片が残るイラク。

 そのイラクでは小児白血病の子どもが増加して苦しんでいる。

 だが、そのイラクの空間線量は東京よりも低いという事実!

 

○ イラクよりもはるかに汚染された空間線量の福島では、

 学校で普通の授業(=グラウンドで体育の授業)がおこなわれてる。

 こどもたちは汚染されたグラウンドで体育をし、遊んでいる…

 

○ そういうことに異議を申し立てると、

 「国が大丈夫だと言ってるのに、そんなに心配なら、あなたが出ていけば?」

 というリアクションがかえってきて、

 福島のお母さんたちは不安を口にできなくなっている。

 

○ 「六カ所村ラプソディー」の撮影の時、推進派の人たちの話をよく聞くと、

 彼らは好き好んで核燃料再処理工場を選択したわけではなかった。

 普通の工場を建設すると思い込まされて、土地を売った。

 その工場で雇ってもらえるということで土地無し農民になったが、

 15年間工場は建たず、出稼ぎに行かざるを得なかった。

 途中から工場の正体がわかってきたが、反対する気にはならなかった。

 工場を建設するあいだは雇ってもらえて出稼ぎに行かずに済むし、

 その間は放射能の心配もない。 

 村に大金も入り、豊かになる。

 本当の意味で核燃料サイクル推進というわけではなかった。

 

○ 取材を終えて三沢空港から夜もどるとき、上空から見ると、青森は真っ暗だった。

 羽田に戻ると…光の海。

 六ヶ所村に放射性廃棄物を押し付けて、都会では電気を無駄に消費している。。

 

○ 去年は福島のお米も豆も野菜も最高に売れた。

 それらは、すべて外食産業に流れた…

 

○ スウェーデンでは、国中の公共バスの燃料はウンチ!

 トイレの便器は、大と小が分かれて溜まるように造られている。

 大は乾燥させてバイオマスにして、バスを動かし、

 小は熟成させて有機肥料にしている。

 便座は木製で冬も冷たくないので、日本のように電気で温める必要はないし、

 林業の支援につながる。

 

○ エネルギーシフトには選択肢が必要。

 電力市場の開放ができていないのは、先進諸国の中では日本だけ。

 

○ 事故の補償金を東電が国に求めたとき、もっと社員の給料を下げるよう枝野さんに言われたが、

 当時の東電の平均給料より、九州電力の社員の給料の方がずっと高かった。

 その平均給与は、なんと835万円!

 

○ 脱原発に進むには意思表示することが大事。

  市民が諦めずにやることが大事。

 

 

 質問コーナーでは、たくさんの手が上がった。 

ほとんどが女性。

皆さん、とても真剣で、切実な思いを込めて発言されました。

中には、東北にいる友人たちのことを思って、泣きながら問いかける若い女性も…。

 

友人のY子さんは、知人のお嬢さんが甲状腺検査でA2(5mm以下の結節や20mm以下の嚢胞)

にランク付けされたのに、次の検査は2年後と言われ、とても心配していることを紹介。

 

それに対し監督は、ベラルーシでは移動検診でこまめに検査をしているし、

ポーランドでは事故後すぐにヨード剤を子どもたちに飲ませたので、

国境をはさんで、甲状腺がんの発症率がベラルーシよりも劇的に少ないと説明。

 

それを受けて、Mさんが発言した事実に、監督もみんなもビックリ!

Mさんの夫はオランダ人で、子供が一人いる、三人家族。

福島原発事故直後、オランダ政府から3人分のヨード剤が送られてきた。

「私は国籍は日本なのに、オランダ政府に守られている」

そう語った時のMさんの声はふるえていた。

会場にいた皆の心もふるえたと思う。

 

他にも、たくさんの女性が、多くの疑問を投げかけ、不安を語ってくれた。

もちろん、この場では何も解決しないけれど、

たくさんの人たちが原発をなくし、安心して暮らせる社会を望んでいるし、

その思いを伝えたいと感じていることが、とてもよくわかった。

 

講演会の後、監督を真ん中に、暗くなった佐世保の街を、「原発いらない」の幟を掲げて歩きました。

いつもより、もっと明るく、もっと元気に・・・

 

コメント
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