佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

お土産話その二

2009-07-29 | 
今回の埼玉行きの目的の一つに、「Hさんを励ます会」がありました。

人生の先輩であり、平和案内人として最も尊敬する方のお一人Hさんが、この春突然の入院。
5月の連休明けに手術。退院後に、すい臓癌だったことを知らされました。

Hさんを知る仲間はみな大きなショックを受けましたが、そんな私たちを逆にHさんが励まし、
勇気を与えてくれました。


Hさんは、沖縄で生まれ、父や兄などたくさんの家族を沖縄戦で失い、0歳で敗戦を迎え、
栄養失調や大病などに見舞われながらも、お母様の大きな愛に包まれて生き抜いてきました。

沖縄を出てからは、大都会東京で仕事をしながら夜学に通い、卒業後は社会科の教師として
高校生と共に学んできました。

歴史を学ぶ大切さ、特に先の戦争を忘れてはならない、風化させてはならない、
その思いは、退職後もますます強くなり、各地で沖縄戦の真実を語り続け、
また沖縄への平和ツアーを度々企画してきたのです。

中でも、宮良英加(沖縄戦で亡くなった師範学校生徒)という若者の死と生き様を伝えることが、
Hさんの大切なライフワークとなっていました。


そんな使命感と、生命力の強さと、生来の前向きな性格と、いろんな要素がミックスして、
Hさんは退院後も落ち込むことなく、切り取ることのできなかった自分の癌細胞と真っ向勝負、
闘病生活を開始しました。

山梨に住む仲間の一人が、励ます会をしようと言いだし、東京のとある沖縄料理店に
皆が集うことになり、私もなんとか出かけたいと思ったのです。

久しぶりに見たHさんは、確かに以前より少しは痩せていたけど、
その笑顔は全く変わらずハツラツとしていて、声も元気そのもの!
ん?すい臓癌ってほんと?誤診じゃなかったの?と言いたくなるくらい・・

なにしろ、現代医学、東洋医学、民間療法、食事療法、免疫療法・・・
ありとあらゆることにチャレンジし、しかも楽しんで続けているという。

これはもう、勝負あり。
癌細胞さん、住み着くところを間違えましたね。早くお引っ越しを!
と、乾杯しながら心の中でつぶやきました。

「励ます会」のつもりが「励まされる会」になってしまい・・・
その上たくさんのお土産までいただきました。

採れたての野菜、オクラ、ゴーヤー、ナーベラー!
そして、写真家でもあるHさんの作品を額に入れて・・・

私がいただいたのは、「夏の一日の始まり~富士山頂にて~」と題されたもの。
朝焼けに染まった流れる雲、そのスピード感が伝わるような壮大な音楽がきこえてきそうな
そんな"はじまり"の瞬間です。

静かな勇気がわいてきそうな…そんな写真です。

ありがとう、Hさん。 






コメント
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