佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

きのうはあすに

2009-01-23 | 佐世保・長崎

長崎新聞に「健康歳時記」というコラムがあります。

先日、そこに、一つの詩が紹介されていました。

筆者の丸山寛之さん(医学ジャーナリスト)は、その詩を、毎年お正月の朝、読みたくなるのだそうです。

その詩は、大正生まれの詩人中桐雅夫が昭和の晩年に書いたもので、詩集『会社の人事』(晶文社)に収められています。

その詩集も、その詩も、その作者も、私は知りませんでした。
が、とても心に沁みるものでした。

来年のお正月が来る前に、私はきっとまた読みたくなるでしょう。
私の中にもある"後ろめたさ"(戦後生まれの私のそれは、ちっぽけなものかもしれないけれど)が、
大きく膨らんで困った時、きっと読みたくなるでしょう。

そのときは、このページを開いてみましょう。




           きのうはあすに              



     新年は、死んだ人をしのぶためにある、


     心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、


     おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ、


     でなければ、どうして朝から酒を飲んでいられる?


     人をしのんでいると、独り言が独り言でなくなる、


     きょうはきのうに、きのうはあすになる、


     どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる、


     でなければ、どうしてこの一年を生きてゆける?

 


 

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