佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

いにしえロマン

2008-09-07 | 
旅行最終日。

昨夜の「砂蒸し風呂」の効果か、気分爽快な目覚め!
太平洋に上る朝陽もバッチリ拝んで、今日はいいことありそう・・・




さて、今日はどこに行こうか?
長崎鼻は昔行ったし、鹿児島は今や篤姫ブーム一色で面白くないし…

せっかく指宿まで来たのだから、この近くをもう少しじっくりみたいな
ということで、熟慮の結果、
宿の近くにある「魚見岳」と「時遊館coccoはしむれ」、そして「池田湖」に決定!


まず最初に目指した「時遊館coccoはしむれ」は、小さな博物館。
国指定の「橋牟礼川遺跡」に隣接する体験型の博物館で、「古代のロマンが身近に!」とガイドブックはうたっていた。

しかーし、着いてみると、館内に客は見当たらず、受付の若い女性二人が妙に愛想いい。
ははーん、これも悪名高い箱物行政の産物か…、赤字を増やすだけの無用の博物館なのか…と、早くも落胆気分。
しかし、もう入館料は払ったので見なきゃあ損、と足を踏み入れた。

視聴覚室ではちょうどCGを駆使したビデオ上映が始まると聞いて行ってみた。
100人ほど座れそうな硬い長椅子が並んでいたが、視聴者は我々二人だけ。。
もったいないなぁと思いつつ見ているうちに・・・引き込まれてしまった!

「橋牟礼川遺跡」(私は聞いたこともなかったけれど)とは、専門家にとっては大変有名な、貴重な遺跡だったのだ!

というのは、かつて(大正時代頃)は、種類の違う二つの土器、縄文土器と弥生土器は、同じ時代に違う民族が作った土器という説が有力だったらしい。

しかし、大正7年、ここ橋牟礼川流域で近所の中学生が同じ場所で縄文土器と弥生土器を拾ったことがきっかけとなり、発掘調査が進み、地層関係から「縄文土器は弥生土器より古い」事が証明されたのだという。
そして縄文時代→弥生時代と言う年代関係も確立された重要な遺跡だったのだ。

知らなかったなア・・・。

小さな土器のかけらが、古い古い過去の流れを教えてくれるなんて・・・
素敵だなぁ、やっぱりロマンだなぁ・・・来てよかった!

あらためて展示室へ。じっくり観察。
旧石器時代から始まって、縄文時代、弥生時代、古墳時代の各ゾーンを順に進む。

たくさんの土器を見ても、その違いや価値はさっぱりわからないが、
中学時代からの友人Tさんのために写真を撮る。
友人は福岡で、発掘された土器の修復再現の仕事をしているベテランである。

また、竪穴式住居や貝塚、当時の食生活の再現コーナーがあり、火おこし体験や古代服が試着できる。

それを過ぎると、「隼人」のコーナー。
「薩摩隼人」とは、よく聞く言葉だが、ここで初めてその語源を知った。

「隼=はやぶさ」のようにすばしっこい人間→隼のような人→「隼人」

大宝律令ができた翌年から、律令制度の押し付けに反発する隼人と朝廷側は度々戦ってきたというが、その隼人のすばしっこさに政府軍もかなり手をやいたようだ。




そうして、都では貴族が優雅な生活を送っていた平安時代の874年、開聞岳の大爆発によってこの地域は火山灰に埋もれる。
後に、畑や道、家屋の跡などが次々と発見され、「日本のポンペイ」とも呼ばれるようになったとか。

それに因んでこの博物館の名前が「時遊館coccoはしむれ」になったのだ。
coccoとは、イタリア語で、「宝物」という意味!

普段は考古学や歴史など縁のない生活をしているが、たまーにこういう場所を訪れるのもいいものだ。
少しタイムスリップをして、歴史のロマンを感じて、何故か心がリッチな気分になる。




次に向かった「魚見岳」。
何があるわけでもない、標高215mの小高い山である。
が、薩摩半島の東端に位置し、鹿児島湾に面しているので、展望台からは、
向かいの大隅半島や桜島、開聞岳に太平洋と、グルリ360度の眺望が得られるとのこと・・・だったのだが、あいにくの曇り空。いや、一応晴れなんだけど。。

つまり、真上の空は晴れているのでカンカン照り(暑ーい!)で、
空の端っこのほう(下のほう)に雲がかかっているので、景色が見えないってこと。

で、すぐそばの景色だけを撮っていたら、




な、な、なんと、すごいもの発見!





すぐ近くにある小さな島とこの薩摩半島を結ぶ道のようなものが薄っすら見えるではないか!
実はこれ、潮が引くと、本当の道になるんだそうな。

帰宅後ネットで確認したのだが、島の名前は「知林ヶ島」で、3月~10月の大潮の干潮時には歩いて渡れるそうだ。

ああ、これも旅のロマンだなァ・・・と思う。

それにしても、この展望台にも誰一人いない。
暑いもんナ。真昼間の炎天下、見に来る物好きは地元の人ではいないだろうナ。
でも、旅人にはお勧めのスポットですぞ!




さて、いよいよ最後の目的地「池田湖」に向かう。



開聞岳の噴火でできた九州最大のカルデラ湖。
周囲15km、最高水深233m。
このでっかい湖には、天然記念物の大ウナギが生息している。
その大ウナギの特大版だったのか、はたまた幻の怪魚でもいるのか、一昔前にはイッシーと呼ばれて、マスコミ等で話題になっていたっけ。
ネス湖の怪獣ネッシーの日本版として。

地図によると、そのイッシー像が湖畔に建っているらしい。
ワクワクして見に行くと・・・




「池田湖パラダイス」というお土産屋さんの入口に、照れくさそうな笑みを浮かべてたっていた。



コメント
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