昨日(11月30日夜)ETV特集「三池を抱きしめる女たち」を見ました。
関東に住む友人からのメールで、その番組のことを知りました。
見終わって、大きな感動と恥ずかしさを感じました。
感動はもちろん三池の女たちの生きざま。
炭坑での事故の後遺症で心身が壊れてしまった夫を介護し、
家計を支え、子どもたちを育て、
その上、会社や国と闘い続けた女たちの強さと優しさは、
どこから湧いてきたのだろう。。
私にはとても真似のできない、桁外れの強さと優しさです。
そして、その50年の女たちの闘いの歴史を、私は何も知らなかった。。
三池炭鉱の炭じん爆発事故が起きた時は私はまだ小学生で、よくわかっていなかったにせよ、
その後22歳で卒業して福岡を去るまでの間、訴訟などのニュースは目にしていたはず。
でも、何も覚えていない。知らなかった。
それはきっと当時の私には関心がなかったからでしょう。
少しは世の中のことを考えながら暮らしていたように思っていたけれど、
それは大きな勘違いだったようで、とても恥ずかしくなりました。
ディレクターの熊谷博子さんのメッセージを転載します。
1963年11月9日、福岡県大牟田市の三井三池炭鉱で起きた炭じん爆発事故。
死者458人、一酸化炭素中毒患者839人を出す、戦後最悪の労働災害であった。
事故のことは、もう世の中から忘れさられている。
しかし、一酸化炭素中毒の夫を抱えた妻たちにとっては、何も終わっていない。
当時、企業も政府も医学界も「後遺症は残らない」とし、労災補償を打ち切った。
だが脳を破壊された夫たちは、人格が変わって暴力をふるうようになり、
記憶を失い、もの忘れもひどく、子ども同然になった。
この半世紀、妻たちは、そうした夫を抱きしめ、
子どもをたち抱きしめ、
事故を抱きしめ、
そして日本最大の炭鉱であった「三池」を抱きしめて生きてきた。
症状は外からは見えにくく、ニセ患者などと誤解されてきた。
妻は長い間、“失われた夫の脳”の代わりをはたしてきた。
それは国と企業に翻弄され、生活を奪われていった労働者と家族の姿である。
彼女たちが背負わされたものは何なのか。
夫婦とは何なのか。
そして、患者たちの真の病像に迫ろうとする女性医師。
今日もまた妻たちの変わらない日常が続く。
これは、“三池”を生き抜く女性達の、愛と正義の物語である。
この番組を見たかったな~と思う方にお知らせします。
再放送があります。
12月 7日(土)0時45分~ NHK教育で全国放送です。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/1130.html