令和4年2月1日(火)
これが、二回目訪問でいただいた、
『幻住庵記』。
「元禄初版本『猿蓑』より復刻したもの。
五文節に分かれている。
①、②、③、④、⑤の文節に分けて、
各々につき、現代語訳を掲載。
師匠の見解も加えて読み進めよう。
先ず、一つ目の文節。原文。
① 石山の奥、岩間のうしろに山あり。
① 石山の奥、岩間のうしろに山あり。
国分山といふ。
そのかみ国分寺の名を伝ふなるべし。
ふもとに細き流れを渡りて、
翠(すい)微(び)に登ること三曲二百歩にして、
八幡宮立たせたまふ。
神体は弥陀の尊像とかや。
唯一の家には、甚だ忌むなることを、
両部光をやはらげ、
利益の塵を同じうしたまふも、
また貴し。
日ごろは人の詣でざりければ、
いとど神さび、もの静かなるかたはらに
住み捨てし草の戸あり。
蓬(よもぎ)根(ね)笹(ざさ)軒をかこみ、
屋根もり壁おちて、
狐狸ふしどを得たり。
幻住庵といふ。
あるじの僧なにがしかは、
勇士菅沼氏曲水子の叔父になんはべりしを、
今は八年ばかり昔になりて、
まさに幻住老人の名のみ残せり。
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明日は、口語訳(現代訳)で。