貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

『いしぶみ』と鯉城

2019-08-18 09:19:21 | 日記

『いしぶみ』と鯉城

令和元年8月18日

 『いしぶみ』を読了!

 切なさと哀れと残酷と無残さ。

広島二中一年生 全滅の記録。

「はじめに」

「広島市には、”鯉城”と呼ばれる

お城があります。もちろん原爆で

一度吹っ飛んだものを、

戦後、復元した建物です。その

周囲に水をたたえ、鯉が泳ぎ、

蓮の花が咲く、美しい内堀が残さ

れています。将来、ここは市民の

憩いの公園となり、観光の対象と

なるはずですが、考えてみれば、

このお城といいお堀といい、

戦争のための要塞として生まれた

ものです。近々数百年前までは、

日本でも外国でも、せいぜい

この程度が戦争の規模であった

わけです。

 ところがどうでしょう。

第一次大戦では、タンクが発明され、

毒ガスが生まれ、第二次大戦では

飛行機が主要戦力となり、火器も

強力化する一方となり、挙げ句の

果ては極め手の武器として核兵器

が生まれました。戦争史上類のない

広島の悲劇は、それでも核爆弾の

うちでは極めて幼稚なもので、

その後エスカレートする一方の

核兵器開発は、人類を、地球を、

死滅するに足る保有量となって

います。・・・・。」

190頁に及ぶ広島二中一年生の

投下後の一人ひとりの様子が

端的に描かれている。

 その慰霊碑に記されているように、

「なぐさめの 言葉しらねど

 ただ泣かむ

 汝がおもかげと

 いさをしのびて」

 ただただただただ・・・

泪・泪・・泪・・・泪・・・

4人の先生と一年生321人の

6日の投下直後から数日の命

の尊い記録。

「烈し日の 真上にありて

    八月は

腹の底より 泣き叫びたき」