キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

The Lonesome Puppy - 奈良美智の”きみかわいい”世界

2015-07-02 16:59:19 | 絵本
The Lonesome
Puppy
Yoshitomo Nara
Chronicle Books

ともだちがほしかったこいぬ
奈良 美智
マガジンハウス

          ぼくはひとりぼっちでさびしい犬、お友だちがほしい。でも、だれもぼくに

          気づかない、それはぼくがとてもとても大きいから。でも、ある日、女の子

          がぼくに気づいた。女の子はのぼってきて、歩いてきて、ぼくの顔にたどり

          ついた。女の子はぼくに歌をうたってくれた。そして友だちになった。もう

          ぼくはさみしくない。ときどきけんかもするけど。さがしてごらん、きっと

          きみと友だちになりたい子がいるから。

          

          この絵本はハンディキャップのある子どもたちに捧げられています。他と

          違うというのは、生き難いものです。この犬もあまりに大きすぎて、だれ

          にも気付いてもらえなかったんです。でも一人の女の子が気づきました。

          その子もきっと一人ぼっちだったんですよね。                 

Slash with a Knife 改訂版
奈良 美智
フォイル

          奈良美智「ならよしとも」さんは申し訳ないながら、「ならみち」さん

          だと思っていたりしたのですが、彼のなんとも不思議な女の子の絵は、

          一度見るとまた見たくなる、やみつきになる絵です。「きもかわいい-気

          持ち悪くかわいい」という言葉がありますが、彼の女の子は「きみかわい

          い-気味悪くかわいい」とでも言えるでしょうか。その大きな顔の睨みつ

          けるような目は、何もかも見抜いているような深みがあります。決して

          愛らしい万人に愛されるような女の子じゃありません。しかもナイフを

          握っていたり、怪我をしているらしく、包帯をグルグル巻きにしていた

          りします。

深い深い水たまり
奈良 美智
角川書店
Yoshitomo Nara: Lullaby Supermarket
Yoshitomo Nara
Verlag Fur Mododerne Kunst

         深い深い水たまりに沈んでいく女の子。人間って何?生きるって何?

         自由って何?気味悪く、あどけなく、だまって、じっと見つめて、あなた

         の心を深い深い水たまりにひきずりこむ、奈良美智の世界へようこそ!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 文月 | トップ | 犬も歩けば - なっちゃん... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

絵本」カテゴリの最新記事