キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

ちょっとシロガネーゼ--フレンチ・レストラン ルカンケRequinquer

2016-08-31 11:32:08 | グルメ
                 

             港区白金辺りの優雅な奥様たちをシロガネーゼと呼びます。白金はシロカネと

             呼び、シロガネ(白銀)は牛込の方にあるそうで、あまりこの土地を知らない人

             が命名した呼称のようですが、もう定着していますね。なるほど白金台駅近辺

             はほんとに綺麗な上品な雰囲気のところです。周囲は庭園美術館や自然植物

             園や緑がいっぱいです。その一角の小さなフレンチ・レストラン「ルカンケ」へ

             行って、つかの間、シロガネーゼの気分を味わってきました。まず最初に出

             てきたのが、小石の入った箱。ちょっと衝撃的な形状。

                 

             その中に二つ三つこんな形の石が。これ、パンなんです。フォアグラのパテ

             の付いた。よくこんなの考えますよね。美味しいパンでした。

                 

                 

             お味も好いけど、器に感心させられました。木の切り株の台に乗ったシャー

             ベット、おいしかったです。

                 

             鱧を茄子を炭火焼きしたもので巻いた前菜。斬新です。

                 

                 

             メインの魚料理と、肉料理。芸術的な盛り付け。

                 

             桃のデザート。絶品でした。

                 

                 

             最後に紅茶と、これまたちょっとしたサプライズ。箱に入った小さなチョコ

             レート味のマドレーヌが出ました。フレンチの感想としてはちょっと変わっ

             ているかもしれないけれど、楽しかった!                
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向日葵の午後

2016-08-30 10:16:00 | 季節
             

                  夏の間大輪の向日葵がそこここでニコニコ。

             

                  並んでニコニコ。

             

                  なっちゃんが通りかかってもニコニコしていましたが、

             

                  でも、もう八月も明日で終わり。ことに台風がそばを

                  かすめすぎた今朝はだいぶくたびれて、

              太陽の捕虜か枯れ向日葵の列     岡本紗矢句集『向日葵の午後』より

             

              一瞬の自死向日葵の午後続く     岡本紗矢句集『向日葵の午後』より
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毛皮を脱ぎたい

2016-08-28 16:24:07 | 季節
             

            「こう暑くては猫といえどもやり切れない。皮を脱いで、肉を脱いで骨だけで涼み

            たいものだと英吉利のシドニー・スミスとか云う人が苦しがったと云う話があるが、

            たとい骨だけにならなくても好いから、せめてこの淡灰色の斑入りの毛衣だけは

            ちょっと洗い張りでもするか、もしくは当分の中質にでも入れたいような気がする」

            夏目漱石の「吾輩は猫である」の一節です。夏になって、暑さにぐったりしている

            なっちゃんを見ていつも思っていたことを、こんなに上手く表してくれるとはと、大

            先生に対して僭越ながら、そして今更ながら大いに感心しています。この後吾輩

            の人間観察は、ますます脂が乗り、人間がしなくてもよいことをして、いかに勝手

            に忙しがっているかに話が及んでいきます。「自分で勝手な用事を手に負えぬほど

            製造して苦しい苦しいと云うのは自分で火をかんかん起こして暑い暑いと云うよう

            なものだ。、、、―――とは云うものの少々熱い、毛皮では全く熱つすぎる。」

            近年の夏は異常に暑いと言われますが、明治時代もやっぱり夏は暑くて、しかも

            冷房なんてなかった時代ですから、人間だけでなく毛皮を着た犬猫も苦しかった

            でしょうね。

            

            この間から、あまりに暑い時は、なっちゃんも冷房の入った部屋で過ごしてい

            ます。犬公方綱吉のお犬さまだって、そんな贅沢はできなかったでしょうに。

            なっちゃんはそれでもぐったりして食欲をなくしていますが、

            

            今日あたりは、台風が近づいているせいか天気が悪く比較的涼しいので、

            久しぶりに、マイハウスに入ってくつろいでいます。

            

            

            

            顔も体もだいぶほっそりしました。。流し目で物憂げにこちらを見やる様子は

            深窓の令嬢(おばあさま)のよう?      
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朝顔―Morning Glory

2016-08-26 10:25:06 | 季節の花々
              

              早朝のなっちゃん散歩で、綺麗な青い筋の入った朝顔を見つけました。

              

              色合いがとても和の雰囲気。純和風の美人が、こんな柄の浴衣を、

              衿を抜いて着ていたら、色っぽいでしょうね。NHKのテレビ小説「と
             
              とねえちゃん」には、ヒロインたちの浴衣の寝間着姿がよく出てき

              ます。なかなかいいものです。旅館に泊まると浴衣がおかれてい

              ますが、結構暑いんですよね、浴衣着て寝ると。

              

              青色の挿し方がそれぞれ違うのも「いとおかし」って感じ。朝顔は

              奈良時代に日本に入ってきたようですが、江戸時代に、トルコの

              チューリップのように大流行して、盛んに品種改良が行われ、とて

              てもたくさんの品種があるようです。小学1年生は毎年夏休みに朝

              顔を育てるし、朝顔市なんかもあって、とても馴染みの深い花です。

              

              いかにも朝顔らしい定番のヘブンリー・ブルーもステキです。夏空

              と同じ色の清らかな青色です。もっとも、朝顔の季語は秋ですが。

              赤やピンクや紫やいろいろな色の朝顔がありますが、昔から青い

              色の朝顔に思いを寄せるひとが多いようです。

                 朝顔の紺の彼方の月日かな          石田波郷
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下呂温泉

2016-08-25 11:24:47 | 旅行
               

               奈良から川崎への帰り道、いつものように東名でさっさと帰るのも

               つまらないので、ちょっと足を伸ばして下呂温泉で一泊し、中央道

               で帰ることにしました。名前は聞いていたけれど、初めて訪れた飛

               騨の下呂温泉、予想以上にいい感じの温泉地でした。

               

               町並みがとてもすっきりしていて清潔な感じです。温泉場って

               時々、妙に廃れた、うらぶれた感じのところもあり、それはそ

               れで風情があるのですが。

               

               

               有馬温泉、草津温泉と並んで日本三名泉の一つだそうです。

               

               

               もっとも、投票で決めたわけでもなく、ここを訪れて気に入った

               林羅山万里集九という二人の大先生がそう宣たもうたからとい

               うことですが。アルカリ性単純温泉で、匂いのないあっさりした

               泉質も気に入りました。

               

               13世紀、白鷺が湯の湧き出るところを知らせたのが温泉の始まり

               だということで、あちこちに白鷺のモチーフがあります。

               

               このカエルはわかりますよね、もちろ地名の下呂の読み方「ゲロ」

               に、カエルの鳴き声をかけているんです。
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大野寺から室生寺へ―室生の里を行く

2016-08-24 15:22:47 | 旅行
                     

               奈良県の北東部、もう少し東に行けば三重県名張市に入る辺りに

               室生の里はあります。古事記や日本書紀にも現れる古い古い土地

               柄ですが、山の中です。山紫水明とはこのような土地を言うので

               しょう。緑濃い真夏の室生は静かでした。室生の中心部室生大野

               に大野寺があります。

                 

               建物は残念ながら明治時代に全焼し再建されたものだそうですが、

               こじんまりと清潔な佇まいの良いお寺です。春には右手に見える

               枝垂れざくらが見事に咲いて、大勢の人々が花見に訪れるようです。

                 

                 

               でも、なんといってもこのお寺で有名なのは横を流れる宇陀川岸の

               岩に刻まれた弥勒磨崖仏です。1209年に後鳥羽上皇の臨席のもとに

               開眼供養されたとか。

                 

                 

               暑い時期ということもあり、訪れる人もまばらで、蝉の声を聞きなが

               ら川辺に佇むと、心が洗われるようでした。

                 

               大野寺から数キロ南に下ると室生寺があります。ここは言わずと知

               れた女人高野。来る人がみな癒やされて帰るような、とても心やす

               まるお寺です。

                 

                 

               門をくぐり石段を上がると、身の内の世俗の垢が流れ落とされたよう

               な気持ちになります。春には石段の両脇の石楠花がそれは見事です。

                 

                 

                 

               奈良の古いお寺ではままあることですが、本堂も金堂も五重塔も、

               中におわします釈迦如来立像、十一面観音像、釈迦如来坐像もみ

               な国宝です。贅沢な目の保養です。

                     

               でも不敬ながら「可愛らしい」と表現したくなる五重塔は、18年前

               の台風で倒れてきた大杉の直撃を受け大被害を被ったのですが、

               きれいに修復されました。何度も繰り返し訪れたくなる奥ゆかし

               くも、魅力的なお姿の塔です。


                

 
               参拝後、このあたりの名物三輪素麺のにゅうめんを食べました。
        
               柚子の香りの効いたやさしいほっとする味です。
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なっちゃん、古刹をめぐる

2016-08-24 10:23:21 | 旅行
              

             この暑い中、旅行になど行きたくない(と思っているらしい)なっちゃんですが、

             帰省する間一人置いておく訳にもいかず、毎回車の後部座席に乗せて長時

             間ドライブに付き合わされます。途中のサービスエリアで、文字通り足を伸ば

             して、ちょっと休憩。それにしても暑い!

              

             その上、今回はお寺めぐりにまで付き合わされました。ここは奈良県宇陀市の

             室生大野にある大野寺。こじんまりした美しいお寺です。枝垂れ桜が有名。

              

             お寺横の涼しい川辺でほっと一息。宇陀川の清流に癒やされます。

                

             すぐまた、車に乗せられて室生寺へ。ここは女人高野と呼ばれた名刹。石

             楠花で有名です。山懐の美しく、静謐で、優しい雰囲気のただようお寺です。

              

             その優しさは犬にまで及び、全山どこに入るのも自由。金堂の前で

             うれしげななっちゃんです。この後牡丹で有名な長谷寺へ寄りました

             が、ここではさすがになっちゃんは中へ入れてもらえませんでした。

             大きなお寺や神社はたいていワンちゃん立ち入り禁止です。ネコは

             勝手に出入りしていますけれどね。

              

             お寺めぐりが終わり、やっと夫の実家へ到着。「ああ疲れた、もう動ごけません!」          
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車道にはみださないでください

2016-08-07 09:18:51 | 地球
                 

             朝六時に散歩のでかけても、もうカンカン照り。なっちゃんは

             例によって途中でストライキを起こします。

             

             

             「ふう、暑い暑い!ちょっと休みましょうよ」

             

             それにしても、車道に半分はみ出していますよ。まだ、朝早く

             車通が少ないからいいようなものの、そんなに広い道路でもな

             いのでしっぽ、ひかれちゃいますよ。

             

             

             鹿の子百合やランタナや、花たちが笑って見ています。
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なにがおもいの?--What are heavy?  クリスティーナ・ロセッティの童謡詩2

2016-08-05 10:44:36 | 世界
              

          なにが おもいの うみのすなと かなしみ What are heavy? Sea-sand and sorrow:

          なにが みじかいの きょうと あした  What are brief? To-day and to-morrow:

             

          なにが もろいの はるのはなと わかさ  What are frail? Spring blossoms and youth:

          なにがふかいの おおきなうみと しんじつ What are deep? The ocean and truth.

                              クリスティーナ・ロセッティ作 安藤幸江訳

            クリスティーナ・ロセッティのシング・ソング童謡集にある小さな詩です。

            短いさりげない言葉で、悲しみの大きさ、月日の短さ、若い日の儚さ、

            真実の深さをみごとにあらわした珠玉の一編です。悲しみの重さを海

            の砂に、若さの移ろいを春の花に、真実の深さを大きな海に例えた感

            覚は、天性の詩人のものでしょうね。優しい言葉で、童謡の繰り返しパ

            ターンで綴られたほんの数行の中に、何と深い真実が宿っていることか!

               
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だれが風を見たでしょう?Who has seen the wind?  クリスティーナ・ロセッティの童謡詩

2016-08-02 11:18:20 | アート
            

            昨夜はゲリラ豪雨に襲われました。バケツをひっくり返したかのような土

            砂降り。英語でもbucket downなんていう同じような言い回しがあります。

            It rains cats and dogsという言い方はおなじみですよね。なんで猫と犬が

            降ってくるのか?渇水で困っているこの時期、水源地で降れば恵みの雨

            ですが。

シング・ソング童謡集―クリスティーナ・ロセッティSING‐SONG A NURSERY‐RHYME BOOK訳詩集
安藤 幸江
文芸社

            英国の詩人クリスティーナ・ロセッティにこんな詩があります。

            "If all were rain and never sun, No bow could span the hill;

            If all were sun and never rain,there'd be no rainbow still."

            「もし雨ばっかりでお日さまがなかったら、丘に虹はかからない

            もしお日さまばっかりで雨がなかったら、やっぱり虹はかからない」

            5歳になった孫娘が、自然や天体のことにいろいろ興味を示します。

            虹をとても見たがっているのですが、まだ見たことがないようです。

            

             雨は大事。でもお日さまも大事。極端なのが困りものですが、

             自然は人間の言いなりになってはくれません。

            

            ロセッティの童謡詩を読んでいると、以前に行った彼女の故郷

            イギリスの美しい風景を思い出します。

            

            

            

            特に風に揺れていた野の花々の可憐だったことを。ロセッティの詩には

            風をうたったものが数多くありますが、一番有名なのはこれでしょうね。

            Who Has seen the wind? Neither I nor you:

            But when the leaves hang trembling The wind is passin thro'.

            「だれが風を見たでしょう? ぼくもあなたも見やしない。

            けれど木の葉をふるわせて、風はとおりすぎてゆく」  西条八十訳詞

            小学校の音楽の教科書に載っていた気がします。

            ほんとにそう、風って見えないんです。隙間風、熱波、暴風、寒風、

            そして、そよ風。写真で風を表すのは至難の業です。でも、こんな

            にも五感で感じる自然現象は他にないでしょう。ほら、今も窓から、

            セミの声と一緒に優しい風が吹きこんできました。
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