キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

四季折々の富士山

2014-11-27 13:41:09 | 地球
             

             奈良に帰省するのに、もう何度東名高速を走ったことでしょう。

             この頃は新東名を使うようになりましたが、行き帰りに静岡東部

             を走るとき、いつも楽しみなのは四季折々の富士山の姿を見る

             ことです。これは数日前の富士山です。笠雲がかかっています。

             

             笠雲がかかると天気が悪くなると言われています。確かに天気

             は下り坂でした。でもこの日は見事な秋晴れ。頭に雪を頂いた

             これぞ富士のお山という姿でした。

             

             夏の富士山はもちろん雪をかぶっていません。しかも霞んでいる

             ことが多いのですが、それはそれで美しい姿です。

             

           これは10月の富士山、まだ頭にほんのちょっと雪を被っているだけです。

             

           これはお正月に見た富士山。一富士、二鷹、三茄子。めでたいお姿

           です。どの富士も静岡側からの写真です。山梨側から見ると、また

           別の美しさがあるのでしょうね。本当に稀有な山です。でも、いにし

           えの竹取物語に、不二のお山から煙が立ち上っているとあり、江戸

           時代にも宝暦の噴火があった、いつ活動を始めるかわからない活火

           山なんですよね。そう考えるとさらに恐れ多いお山です。
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ふるさとの秋

2014-11-25 14:50:08 | 季節
              

              母の手を迎ふる竜田姫絢爛     岡本紗矢句集「午後の向日葵」より

             もみじの美しい季節に逝った母に捧げる妹の句です。竜田姫は秋をつか

             さどる女神さま。女神のおわす竜田山からそう遠くない、この奈良吉野

             の地で父も母も生まれ、逝きました。

              

            父の十三回忌、母の三回忌で帰った故郷は、色鮮やかな美しい季節でした。

              

                家の裏の白倉山も一年で一番華やかな装いです。

              

              お宮のイチョウも、てっぺんの方はもうだいぶ葉を落としています。

              夏は青々と、秋は黄金色に、冬は葉を落として寒々と、帰省する度

              に、そのときどきの姿を見せてくれます。左に見える吉野杉の木肌

              の美しいこと。

              温暖な地方とはいえ、山深いこの辺りはこれから朝晩どんどん冷

              え込んできます。ふるさとの秋を詠った古の歌が思い出されます。

                み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり

                                         新古今集 参議雅経     
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柿の葉寿司

2014-11-21 15:54:26 | 季節
             

              柿の葉に鮨を包める母系かな     岡本紗矢句集「午後の向日葵」より

             子供の頃、毎年6月の若葉の季節になると、母や叔母が柿の葉に包んだ鯖

             ずしを四角い大きな木桶に何段も入れて、押しずしをを作ったものでした。

             

             その頃は、奈良の田舎だけの地方の食べ物だったのに、この頃ではデパ

             ートでも売られるほどの全国区になりました。しかも鯖ずしだけじゃなく、

             鮭や鯛のおすしまであります。

             

             しかも、秋になるとこんなカラフルな葉で包んだものまで、出まわるように

             なりました。味もそれぞれのお店によって違いますが,平均的な、誰にで

             も好まれる甘口のものが多くなってきた気がします。昔は保存食なので、

             もっとしょっぱかったような。でも、これほど故郷や両親を思い出す食べ

             物はありません。魚といっては塩鯖しか手に入らなかった、山深い南朝

             末裔の村だったふるさとからのうれしい便りです。

              南朝方の村に棲みつき蟇      岡本紗矢句集「午後の向日葵」より             
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なっちゃん、紅葉の多摩川沿いを散歩する

2014-11-20 10:16:16 | 季節
              

              晩秋の奥多摩、さわやかな風が吹いています。車が苦手ななっちゃん、

             クネクネの山道のドライブで、ちょっとしょげていたものの、降りてしま

             えば、元気回復。さあ、お散歩しましょ!

              

              遠くの青い山々と、近くの紅葉のコントラストがきれいです。

              

              苔と赤い蔦のからまった石垣が秋の風情です。

              

              河原の芒が秋の陽に光っています。

              

              川の側に「御岳美術館」という小さな新しい美術館がありました。

              これが思ってもいなかった掘り出し物。明治・大正・昭和の日本

              画と彫刻の傑作の数々が展示されていました。岸田劉生、岡鹿

              之助、高村光太郎、萩原碌山、梅原龍三郎、中川一政etc、それ

              ぞれが一、二作品ずつですが、その画風の違いがまた面白くて、

              楽しめました。

              

              なっちゃんはもちろん、絵に興味はありませんが、多摩川沿いの

              木の遊歩道をトントン歩いて、ごきげんです。
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錦繍の御岳、玉堂美術館

2014-11-18 11:11:10 | 季節
             

             青梅の御岳山に行こうと、なっちゃんを連れて出発したのですが、ケーブル

             カーに乗るため駐車場に入ろうとすると、長蛇の列。何時間かかるかわから

             ないので諦め、玉堂美術館のあたりの多摩川べりを散策することにしました。

        
             

             とても良かった!なんと美しい季節でしょう!「赤や黄色の色様々に、

             水の上にも織る錦」、童謡「紅葉」の歌詞そのままの風景でした。

             

             

             多摩川上流のこの辺りは、狭いけれど変化に富んだ急流になっていて、カヌ

             ーやラフティング、果ては河原の巨岩でロッククライミングと、大賑わいです。

             

             川の向かいから見た玉堂美術館。大きな銀杏の木が黄金色に光っていました。

             

             玉堂美術館はその名の通り日本画家、川合玉堂の作品を集めた美術館

             です。70歳過ぎにこの地に疎開してから亡くなるまですんだ縁で、ここに

             美術館が建てられたようです。こじんまりとして、作品数も多くないのです

             が、彼の作品のように純和風で、とても美しい趣きのある美術館です。

             

             竜安寺の石庭とも見紛う美しいお庭があります。

             

             白い石、緑の苔、黒い岩、白と灰色の土塀、黄色いイチョウ。

             

             門の前で待っていたなっちゃんまで、この場所では何やら高貴な犬に見えます。   

                        
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読み聞かせ

2014-11-14 11:14:39 | 絵本
              

              春には白やピンクの可愛い花をつける花水木ですが、秋にも美しい木

              です。赤く色づいた葉と鮮やかな赤い実が青空に映えます。もう11月

              も半ば、昨日は毎月1度の小学校での「読み聞かせ」に行きました。

              「読み聞かせ」という言葉、「読んで聞かせてやるぞ」という感じの

              上から目線の言い方で、あんまり好きじゃないのですが、じゃあ、どう

              いうかというと、良い言葉も思いつきませんが。まあ、呼び方なんてど

              うでもいいか。

ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん)
織茂 恭子
岩崎書店

              今回は季節柄、柿の話です。ケチンボのおじさんが、自分の甘い柿の

              実を人にあげるのがいやで、結局柿の木を切ってしまって、元も子も

              なくし後悔するという、なにやら「金の卵を生むガチョウ」のような、お

              伽話っぽいお話です。のんびりした感じの絵が秀逸で、柿の実がほん

              とにおいしそう。日本の秋の色、秋の風景です。
            
しっぽのはたらき (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)
薮内 正幸
福音館書店

             打って変わってこれは科学絵本。1冊こういうのを入れると、お話し会

             全体の雰囲気がピリッとします。絵が緻密でリアルで、前のページに

             しっぽだけを出し、一体何のしっぽかを推測させ、次のページでその

             動物の全体の姿を見せるという賢い進め方をしています。人間にも

             昔はあったかもしれないしっぽ。こうやって見ると面白いものです。

             そういえば、うちのなっちゃん、お散歩に行こうというと、ものすごい

             勢いでしっぽを振ります。「犬がじぶんのしっぽを見て歌う歌」という

             やなせたかしさん作詞、木下牧子さん作曲の歌があります。「ぼくはな

             ぜしっぽがあるんだろ、、、」

へびのクリクター
中野 完二
文化出版局

             最後にドイツのトミー・ウンゲラーの楽しい絵本を読みました。ウンゲ

             ラーには、動物を主人公にした素敵な絵本がいくつかありますが、この

             へびのクリクターを初め、タコやコウモリなど、あまり絵本の主人公に

             なりそうにないちょっと気味悪い動物が多いのが面白いところです。

             でもどの動物も気が良いんですよね。賢いやさしいクリクターは人気者

             になり、銅像まで作られ、幸せに暮らします。世界中で一番愛されてい

             るヘビかもしれません。誰だって主人公になれる、絵本っていいですね。
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開放的なお寺-總持寺

2014-11-09 15:58:21 | 季節
              

              横浜鶴見区にある總持寺は永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山です。

              能登にあったお寺が、明治38年に布教の本山として海外にも開か

              れた横浜に移されたのだそうです。

              

             荘厳な大寺です。以前訪れた時、大勢のお坊さんが唱える聲明

             静謐な美しさにうっとりして、もう一度聞きたいものと訪れたのですが、

              

              何とこの日は、境内でつるみ夢広場というイベントが行われていて、

              岩手の大槌町復興のための屋台は出るわ、ポップスのコンサート

              は行われるわ、大変なにぎわい。一般の人々もお坊さんも入り混

              じって大盛り上がりでした。さすが、開かれた禅寺です。

              

              そこに、総持寺が母体の鶴見大学のゆるキャラ「つるたん」まで

              登場して、なんだかもう訳の分からない状態になっていました。

              

             でも少し脇にそれると、人影もなく、禅寺らしい整然とした静かな雰囲気です。

              
              

              ニコニコと明るく人々に接していたお坊さんたちですが、普段は

              座禅や掃除や読経や、仏の道の修行にいそしんでいるのしょうね。    
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文化の日-七五三日和

2014-11-06 10:13:12 | 季節
              

              横浜鶴見区にある鶴見神社は推古天皇の時代にまで遡る由緒正し

              い神社です。こじんまりした、地元に密着した感じが伺える神社です。

              

            周りに高いビルがたくさん立っていて、いかにも都会の神社という感じです。

              

            この神社で孫娘の七五三と孫息子のお宮参りを合同で行いました。着

            付けも写真撮影も全部神社の中でしていただけるので、助かります。

            この間まで赤ちゃんだった三歳の孫娘がかわいいピンクの着物を着て

            もうちゃっちゃなレディーです。ご祈祷の後で、ドンドンと元気に太鼓を

            たたいて、これからの人生、一層気合が入った?

                青空に祝はれてゐる七五三    八木下巌             

              

                      
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深山

2014-11-04 15:10:11 | 季節
            

            滴りに乱調のなき深山かな     岡本紗矢句集「向日葵の午後」より

            深い山の静謐さを表した佳句だと思います。とても好きな句です。

            でも、俳句はたった十七文字。全く作者の意図を取り違えている場合

            もあるかもしれません。だからかえって自由に想像できる、そこが良い

            所でもあります。

            

              青々としていた山々も今はもうすっかり色づいているでしょう。

              朝晩冷え込むようになりました。

            

            裏山の静けさ蒲団重ねをり    岡本紗矢句集「向日葵の午後」より

            これも好きな句です。晩秋のふるさとの夜。裏山からしんしんと寒さが

            忍び寄ってきた過去の記憶が蘇ります。

            

            火ばさみで拾ふぎんなん山颪   岡本紗矢句集「向日葵の午後」より

            お宮の大いちょうは冷たい風にたくさんの銀杏を落としていることでしょう。
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