キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

なっちゃん、晩秋の旅から帰る

2013-11-28 10:52:34 | ペット
                 

             ある夜、お布団の上でくつろいでいたなっちゃんは、

             

             帰省するご主人に車に乗せられ、しかたなくお出かけ。車はきらい。

             だって、カーブするんだもの。そのたびにバランスをとってふんばら

             なくっちゃいけないもの。寝ていればいいって言われるんだけど、ど

             っちに動くかわからないから不安で。

             

             夜の道を走り続けて7時間。やっと着いたところは、知らないおうち。

             私自分のおうちでないと寛げないのよね。ご飯は食べられないし、お

             水も飲む気になれないの。だから旅に出ると飲まず食わずになっちゃう。

             おうちみたいに、家の中をうろうろさせてくれないし。でも我慢、我慢。

             

             いつもとは違う中央道なんていう道を通って、遠回りして、12時間

             もかかってやっとお家に帰ってきたの。ああ疲れた!                      
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中央フリーウエイで帰途に

2013-11-27 16:01:31 | 季節
              

              鮮やかに色づいた柿の葉に包まれたお寿司をおみやげに、奈良吉野

              から川崎に戻ってきました。

              

              吉野から北上するには、今は国道169号線が通っていますが、私たちはい

              つもショートカットするため、その昔大海人皇子も通ったといわれる、昼なお

              小暗い入野(しおの)峠を通って宇陀へと出ます。宇陀の道の駅の売店の

              入り口には土地柄のせんとくんが。反対側に時節柄のクリスマス・リース

              が飾られていたのがなんだか笑えました。

              

              宇陀のこの辺りは、飛鳥、奈良時代の遺跡のたくさんあるところです。

              「東の野にかぎろひの立つ見えて、かへり見すれば月かたぶきぬ」

              柿本人麻呂のこの有名な歌は、この地の阿騎野で詠まれたものです。

              ちょうど紅葉のまっただ中、万葉の人々もこの見事な紅葉をみたの

              でしょうね。

              

              春と秋、どちらが好きかという問に額田王が答え、「秋山われは」と秋

              に軍配を上げた、これまた有名な歌があります。古家の軒の蔦の葉

              色のグラデーションも美しい錦秋です。

              

              宇陀を過ぎて、針インターから名阪国道、東名阪道、伊勢湾岸道を

              通って、いつもなら東名高速で一路川崎へというところですが、今回

              は気分を変えて中央道で帰ることにしました。ちょっと遠回りですが。

              北上するに連れ、標高が高くなることもあり、もう初秋の雰囲気です。

              伊那の手前の駒ヶ根インターで降りて、駒ケ岳ロープウエイで千畳敷

              カールまで行こうとしたのですが、時間が遅くて断念。それでもすば

              らしい雪山の景色を堪能しました。はるか向こうに霞んでいるのが木

              曽駒ヶ岳です。

              

              青空に雪山が美しい。でも恐ろしい。雪山で7人遭難というニュースが

              ありました。北アルプスの話ですが。この駒ケ岳は中央アルプスです。

              

              この駒ヶ根の辺りは眺望の素晴らしいところです。左を見れば駒ケ岳などの

              中央アルプス、右を見れば北岳など高い山々の連なる南アルプスが望めます。

              雪山の景色を堪能したまではよかったのですが、中央道へ戻り、連休最終日

              の夕方の魔の40キロ渋滞にはまり、疲労困憊して帰宅した一日ではありました。   
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11月のふるさと

2013-11-26 10:08:18 | 季節
              

              実家を離れてもう数十年。盆暮には帰省しますが、その他の季節は

              なかなかその機会がありませんでした。でも去年の今頃母が逝き、

              帰ってみると、切なくなるほどの美しい秋に出会えました。母のお陰。

              家の裏の白倉山。紅葉真っ盛りです。

                 

              神社の樹齢500年も越えようかという大銀杏がライトアップされていました。

              だいぶ葉が落ちて、境内一面黄色い絨毯です。銀杏もたくさん採れたよう。

              

              近所の家の庭のリコリスがきれいでした。彼岸花の種類だけれど、ピンクで

              洋風で洒落た感じです。田舎の庭もグローバル化?

              

                   昔ながらの南天や、

              

              万両も健在です。赤い実がつくと、ふるさとの冬が近づいてきたのが感じられます。

                  万両や母に告ぐべきこと選ぶ        神蔵 器

              もはや母に何を告げることもできなくなりましたが。        
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秋晴れ

2013-11-22 14:52:29 | 絵本
            

            秋晴れの午前中、自転車で街を巡っていると、赤い実が目につきます。

            これはトキワサンザシ、ピラカンサとも呼ばれます。赤い実がびっしりつい

            た小鳥が喜びそうな木です。春には白いかわいい花が咲きます。サンザ

            シの英語の別名はmayflowerですね。春も秋も目を楽しませてくれます。

                

            先日那須の道の駅で買ってきたガマズミもまだ元気です。それに

            しても、秋になるといろいろな実がほんとに真っ赤になりますね。

            

            サザンカももうあちこちで咲いています。あと10日もすれば12月です。

            

            道ばたに葉が半分茶色くなった、お世辞にも格好良いとはいえない

            木がぽつんと生えていました。木の種類に詳しくない私には落葉樹

            だということぐらいしかわからなかったのですが、

            

            クヌギの木、横に説明書きがありました。丹沢の山のドングリさんでした。

            川崎のこの地で芽生えてから20年、大きくなりましたね。そう言われてみ

            ると、細いモシャモシャの葉っぱもなにやら健気に見えてきます。

            去年の今頃亡くなった母が、晩年に好んで読んでた本を思い出しました。

            
山のごちそう どんぐりの木 (絵本 気になる日本の木シリーズ)
川上 和生
理論社

            この「気になる日本の木シリーズ」の本は「杉」、「桜」もありますが

            どれも、吉野の山里で育った母のお気に入りでした。なつかしいクヌ

            ギの木に母を懐かしんだひとときでした。
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ビフォア・アフター2

2013-11-19 16:55:48 | 季節
           

           やさしい黄色の、やさしい良い香りのユズ。

           

           主役にはなれないけれど、冷奴に、湯豆腐に、鍋もののつゆに、

           お漬物に、名脇役です。このごろNHKの朝ドラのテーマソングを聞

           く度に、歌っているデュオのゆずから柚子を連想してしまいます。

           

           レモンも今が季節のようです。柑橘類はだいたい秋が旬なんですね。

           ご近所から見事なのを戴きました。日本でも立派に実るんですね。

           

           高村光太郎の智恵子抄の一節、智恵子が光太郎の手から一つとっ

           たレモンを死の床でガリリとかじると「トパアズ色の香気が立ち」ます。

           レモンは柚子よりもっと峻烈でさわやか、目の覚める酸っぱさです。

           

           里芋も秋の味覚です。私、おいも類の中では里芋が一番好きなん

           です。そんなに味の強いものではないけれど、あのぬめりの中に

           密かな自己主張を感じる食べ物です。

           

           今回は牛肉と煮たちょっと芋煮風。京都の名物料理に里芋の一

           種である海老芋と棒鱈を炊いた「いもぼう」というのがあります。

           一度食べてみたいと思っているのですが。

           里芋に対して山の芋というのは別名自然薯。とろろにする芋です。

           これもおいしいですね。芥川龍之介に「芋粥」という短編があります。

           「平安時代のある下級役人は、気が小さく覇気のない人物でしたが、

           人生のたった一つの望みは芋粥をお腹いっぱい食べることでした。

           ある時願いがかなって、大量の芋粥を供されて、、、」さあ一体どう

           なったでしょう?この芋粥、山の芋を細かく切って、甘葛の汁で煮

           たものだということです。甘いものは贅沢品だった時代のお話です。

           どんな味だったのでしょうね?これも一度食べてみたいものです。
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ビフォア・アフター

2013-11-13 11:58:54 | グルメ
            

            「いもたこなんきん」という言葉があります。江戸時代の作家井原西鶴の浮

            世草子に、女の好きなものは「芝居、浄瑠璃、芋蛸南瓜」と出てくるそうです。

            いも、なんきんはともかく、なぜタコなのでしょうね?

            

            その南瓜、カボチャという方が一般的でしょうか。きれいなオレンジ色の

            パンプキンを煮付けました。中は皮よりもっと鮮やかなオレンジ色です。

            

            さつまいもも美味しい季節です。こどもが幼稚園の頃、お芋掘りに

            行ったのを思い出します。ご近所から大きいお芋をたくさんいただ

            きました。さあ、どうしましょう?

            

            まずは大学芋にしてみました。今朝の新聞にこんな句がありました。

              さつまいもごろごろしてるみんなもね     太田海翔

            小学校4年生が作ったお芋掘りの句だそうです。情景が浮かびます。
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なっちゃん、おやつのバスケットに近づく

2013-11-12 16:53:15 | ペット
           

           そんなにお腹が空いていないんだけど、なんだか口寂しいな。

           

           天高く馬肥ゆる秋ですもの。それに私、なんだかここのところスリムなの。

           

           ちょっとぐらいおやつ食べたっていいと思うの。ご主人はいろいろ食べて

           るのに、私にはあんまりくれないの。人間の食べ物は犬には良くないって。

           

           あっ、私のおやつのバスケット。

           

           ちょっと、ちょうだい。おいしいササミが入ってるの知ってる。

           

           ううん、いいにおい。

           

           頬がゆるんじゃうわ。
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日本の秋 お豆腐料理と菊と

2013-11-08 21:27:46 | 季節の花々
           

           年に数回、仕事仲間とプチ贅沢なランチの会を開きます。たいていフレン

           チかイタリアンですが、今回はお豆腐料理でした。川崎鷺沼のとうふ屋う

           かいは千と千尋の神隠しにでも出てきそうな、和風の建物のお店で、工夫

           をこらしたおいしい豆腐料理をいただけます。

           

           接客も感じ良くて、お誕生日を迎えたばかりの友人には、薔薇の花のプレ

           ゼントまでありました。時節柄、七五三のお祝いに来ているのでしょう、か

           わいい着物姿の女の子も見かけました。

           

             外に出ると、菊の花が満開です。

           

              

           

           

           あちこちで菊花展なんかも開かれていて、皇室の紋章も菊花だし、桜と

           と並んで昔から日本を象徴する花です。「庭の千草」というアイルランド

           民謡の原題はThe Last Rose of Summerで、バラの花を歌っているのです

           が、日本の訳詞では「ああ、白菊、ああ、白菊、一人遅れて咲きにけり」

           と菊になっています。家々の庭に菊が咲き乱れているのを見ると、とても

           自然に菊が浮かんできたのがわかります。

            日本の秋をかざる花 きよいかおりの菊の花  文部省唱歌「菊の花」より
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那須の秋をめぐる

2013-11-05 16:18:03 | 季節
           

           那須岳の秋の空があまりに青くて、たなびく雲があまりに美しくて、

           苦労して高い山へ登る人の爽快感がわかる気がしました。ロープ

           ウエイで登って、その後200メートルほど歩いただけなんですが。

           那須の御用邸にいらっしゃった時に、皇太子ご一家もよく登られ

           るそうですよ。

           

           御用邸の一部、といっても560ヘクタール(東京ディズニーリゾート

           は100ヘクタール)というたいへんな広さですが、公開されて、すて

           きな散策林になっています。

           

           色づいた雑木林の中に小道が作られていて、自然体験のガイド

           ウォークなんかもしてくれます。

               

               秋アザミの花の上品な紫色まで、ちょっと高貴な感じ。

           

           赤い紅葉の浮かんだ水盤が洒落た感じ。このへんは御用邸の

           恩恵を色々受けているようです。それがあるだけで箔が付くし、

           近くのチーズガーデンでは、「御用邸」という名前のチーズケー

           キや紅茶が飛ぶように売れていました。

           

           近くにある130メートルもの長さの「つつじ吊橋」。いい眺めでした。
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秋の大内宿

2013-11-04 15:13:37 | 旅行
            

            広々とした土の道の両側に並ぶ藁葺き屋根の家々。時代劇でしか見るこ

            とのできない風景がここにはあります。会津西街道の宿場町「大内宿」。

            深まり行く秋の一日、観光客で大賑わいでした。

            

            会津若松から江戸へ行く脇街道だった会津西街道は、あまり使われなく

            なり、水害にあったりしたものの、この大内宿は紆余曲折を経て生き残り、

            昭和四十年頃から、まずは外部の人々の保存の熱意で形を整え、観光

            地化されるに至ったそうです。

            

            今は家々は土産物屋や蕎麦屋など営んでいます。1980年代にはたった

            2万人だった観光客が、2007年にはなんと100万人を突破したのだそう

            です。一緒に行った友人夫妻は、前回あまりに道路が混んで行き着け

            ず、今回が再挑戦で、平日だったこともあり割合楽に到着しました。

            それほどまでに人気があるのはわかります。これほど完璧に昔が残っ

            ているところは、日本にはなかなかないんじゃないでしょうか。

            

            今は資料館になっている旧本陣の二階から見た風景です。高度成長期、

            日本中の藁葺き屋根がトタンなどに変えられていく中、武蔵野美術大学

            の相沢教授という方などが、保存を訴えられ、悪戦苦闘の末ついに、こ

            こまでにしたのだそうです。

            

            ほとんどの家がお店になっていていますが、地元の民芸品や特

            産物などを売り、、景観を壊さない、味のあるたたずまいです。

            

            大内宿は太い葱をお箸代わりにして食べる高遠蕎麦が名物です。通り

            の裏に広がる蕎麦畑でとれたお蕎麦の実を使っているのでしょうか。

            

            大内宿は、問題をはらみつつも、保存に成功した好例です。

            「全国の宿場町は、どこでも大内になり得た、、」と相沢教授は

            悔しそうにおっしゃったそうです。近代化、高度成長の下でどれ

            ほどたくさんの古き良き日本が消えていったことでしょう。美しい

            藁葺き屋根を眺めて、色々な思いに捕らわれたひとときでした。
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