キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

Tropical Rainforest

2011-06-30 10:47:23 | 旅行
          

         まだ梅雨が明けていないのに、連日真夏の暑さです。しかも湿気多く、じめ

         じめむしむし。一昨年夏に行ったバリ島を思わせる暑さです。日本もだんだ

         ん熱帯化して、写真のような熱帯雨林が広がることになるかも。

          

            バリ島の棚田や、

          

         平地の田んぼが広がる風景は南国の楽園、心癒されますが、やはりこの島も

         農地化や家具製造などによる過伐採によって、森林がどんどん減少している

         のだそうです。植林の大プロジェクトが始まっているようですが。

             

         今年は国連の国際森林年The International Year of Forestsです。国連環境計画

         UNEPの機関紙Our Planetというのをご存知の方は少ないでしょうね。本屋さんで

         は売っていないので。英文のものはネットで取り寄せできます。その邦訳のお手

         伝いをしていますが、日本語版は、銀行のロビーなどにおかれています。

         UNEPは国連の組織で、世界的に環境保護運動を展開しています。これは、様々

         な国の人が、国や組織や個人が様々に行っている環境問題への取り組みについ

         て報告している雑誌です。毎回訳しながら暗澹たる気持ちになることが多いので

         すが、今回も、どうしても手っ取り早く収入を得るために農地化などされて、森林

         が、特に熱帯雨林が伐採されていく状況を訳しながら、やるせない気持ちにな

         りました。別に外国に眼を移さなくても、わが故郷の吉野杉、檜産業も、そのよ

         うな熱帯からの安い外材に押され、人手不足で手入れも行き届かず、国の林業

         に対する無策もあって、青息吐息のの状態がここ数十年続いているようです。

         悪循環ですよね。森林の持つ炭素蓄積力や水利、防災能力、生物多様性など

         を考えると、特にこれから、森林保全はとても大きな問題だと思うのですが。

         人の安寧な暮らしと環境保護を両立させること、難しい問題です。
             
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梔子と薊と

2011-06-29 10:08:36 | 季節の花々
             

           裏庭の小さなクチナシの木に一輪真っ白い花が咲きました。いい香りです。

           英名はGardenia。ビリー・ホリデーの花。八重咲きのビロードのような花び

           らが優雅です。Dr.Gardenという博物学者(近頃はナチュラリストと言うらし

           い)にちなんでつけられた名前だとか。ガーデン博士にちなんだ、ガーデ

           ンに咲くガーデニア、面白いですね。日本語名はちょっと残念。

              今朝咲きしくちなしの又白きこと       星野 立子
           

             

           夏アザミもまたこの季節の花です。英名はThistle。スコットランドの国花

           だそうです。痛いとげがたくさんあり、いかにも荒野に咲く花らしく、その

           辺のかわいらしい花とは違う、きりっとしたところのある花です。花言葉

           は「独立」、「厳格」、やっぱり。アザミの歌というのがありますね。

                山には山の憂いあり、海には海の悲しみや

                まして心の花園に、咲きしあざみの花ならば

                               作詞 横井弘 作曲 八洲秀章

            考えてみたらなかなか意味深な歌詞ですね。

            山に憂い、海に悲しみ、心に棘のある薊。          
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犬と猫

2011-06-28 10:55:32 | ペット
             

           「イヌ」という日本語の語源ははっきりしませんが、いつも人間のそばに

           いるから「いぬ」という説があるそうです。確かにね。特に食事中はそば

           に寄ってきて、テーブルの下にもぐっています。おねだり態勢。

             

            「ネコ」は「寝子」からきているという説があるらしいです。これもな

            るほど。丸くなってうつらうつらしている猫の図が思い浮かびます。

             

          だけど、うちのなっちゃん、猫と呼びたくなるほど一日中ぐうたら、うと

          うとしています。完全室内飼いペット化成功犬とでも言えましょうか。

             

             それに比べて、生存競争の厳しさを知っている野良ネコは、

             目つきも鋭い。なっちゃんは完全に貫禄負けです。
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アートな月曜日

2011-06-27 16:26:32 | アート
             

           朝からぽっかり時間が空いたので、前から行きたかった国立新美術館

           の”ワシントン・ナショナル・ギャラリー展”に行きました。アメリカの大財

           閥メロン家の収集品と資金で始まったナショナル・ギャラリーから、印象

           派を中心に80数点が来日中です。

           今日は曇りの予想だったのに、しとしとと雨が降り続き、東横線の窓か

           ら見る多摩川も灰色に煙っていました。

             

           国立新美術館近くの六本木ミッドタウンの幻想的なオブジェ。節電中で

           周りが暗いので余計に宇宙空間のような感じです。

             

           人がワサワサいる地上から美術館へ通じる地下道に入ると、奇妙に人影

           がなく、ここも東京のど真ん中とは思えず無機質な異空間に見えました。

           朝テレビで噂のレディー・ガガの、震災復興コンサートでの巨大グモか

           ら脱出するパフォーマンスを見ました。六本木のクモのオブジェに触発

           されて考えたと聞いて、そのクモも見たいなと思って行ったのですが、

           それはミッドタウンじゃなくて、六本木ヒルズにあるということ。同じ六本

           木でも場所が違うんですね。同じ町に二つも巨大な複合施設があると

           は、やはり東京。たまにしか東京に出ないおのぼりさんの私にはどこ

           がどこやら。

             

           国立新美術館。素晴らしく近代的な大きな建物です。曲線が美しい。

           でもね、新しいこういう建物は大きさの差はあれ、どれも同じように

           見えるんですよね。

           ナショナル・ギャラリー展はすてきでした。コロー、モネ、セザンヌ、

           メアリーカサット、ゴッホがよかった。季節柄でしょうか,緑を基調と

           した風景画に一番心惹かれました。

             

           武蔵小杉駅で、バスを待つ間、猫にやさしいまなざしを注いでいる駅員

           さんの姿がほほえましく、写真におさめて帰ってきました。
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六月の花2

2011-06-26 15:20:17 | 季節の花々
              

          私の故郷は山間の小さな村ですが、その村の家々を見下ろすように村のお

          寺があります。階段をかなり上った山の際にある、こじんまりした曹洞宗の

          禅寺です。高校の頃でしたか、ふらふら階段を上がって行くと、几帳面なお

          寺の奥さんの性格を表すような、整然としたお庭に、赤いサルスベリが見

          事に咲いていました。しかもその時本堂の方から、モーツアルトのピアノ協

          奏曲が流れてきたんです。「ああ、和尚さん、クラシックファンだったんだ」

          とその時初めて知りました。中学校の社会科の先生でもある和尚さんでし

          たが、日ごろの演歌調のお経のイメージからでしょうか、お寺とモーツアル

          トというより、和尚さんとモーツアルトがどうにも結びつかず、妙な違和感を

          感じたのを覚えています。

              

          確かそのお庭には、大きなアマリリスも咲いていたような記憶があります。

          これもまたお寺っぽくない。そんな風に決めつけるのもおかしいですが。

              

              それから擬宝珠の花も。これは名前からしてもなかなかお寺向き。

                    
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Constant Nymph-永遠の処女

2011-06-25 19:54:22 | 
                

          明るくなるのが早いせいか、歳のせいか、朝とても早く目ざめます。

          するとコノハズクの鳴き声、ピチピチとかわいい小鳥の声、カラスの声、

          赤ちゃんの泣き声、自動車の音、バイクの音、人の声、犬の吠える声、

          色々な音が。耳を傾けていると、昔読んだ小説の一部が浮かんできま

          す。若い音楽家のルイスが、アルプスの丘の上で、夕暮れに語らい

          ながら、「僕には1ダースよりもっとたくさんの音が聞こえるよ。静か

          な夕暮だからね」という場面です。これは邦題が「永遠の処女」なん

          ていう意味深な、一昔前欧米で大ベストセラーになったマーガレット・

          ケネディーの小説。原題がConstant Nymph(常に変わらない妖精?)

          とこれまた日本語にしにくい言葉です。「永遠の処女」というのはちょ

          っとロマンス小説風のこの恋愛小説には似合っています。サンガーとい

          う不世出の音楽家の娘テッサと新進の音楽家ルイスのはかない悲恋

          物語ですが、そこに様々な個性的な人々が絡まり合い、当時の英国や

          ヨーロッパの音楽界や世情が盛り込まれ、読みごたえのある物語になっ

          ています。今ではあまり読まれないのがふしぎなくらい面白い小説です。

                 

               もう廃版になっているようで、中古品を手に入れました。

               価格はなんと1円!送料が250円でした。

           
             
          この小説の舞台はほとんどアルプスの高原にあるカリンデ山荘。アル

          プスの代表的な花は、エーデルヴァイスとエンティアンあるいはゲン

          ティアと呼ばれるこのリンドウと、

          

          そしてアルペンローゼ。アルプスのバラと呼ばれるくらいなのでバラ

          の一種かと思ったら、どうもツツジの仲間のよう。日本のミツバツツ

          ジやシャクナゲに近い花のようです。
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蓮の花

2011-06-25 09:23:28 | アート
            

            Die Lotosblume aengstigt
            Sich vor der Sonne Pracht,
            Und mit gesenktem Haupte
            Erwartet sie traeumend die Nacht.

            Der Mond,der ist ihr Buhle,
            Er weckt sie mit seinem Licht,
            Und ihm entschleiert sie freundlich
            Ihr frommes Blumengesicht.

            Sie blueht und glueht und leuchtet,
            Und starret stumm in die Hoeh;
            Sie duftet und weinet und zittert
            Vor Liebe und Liebesweh.


            蓮の花は恐れている
            輝く太陽の光を
            頭を垂れて
            夢見ながら夜を待っている

            月が蓮の恋人
            その光に蓮は目を覚ます
            そしてうれしげにヴェールを取り
            淑やかな花の顔を見せる

            花開き、光輝き
            黙って空を見上げる
            香り、泣いて震える        
            愛と愛の痛みに
                            ハイネ詩 わが拙訳

            

            シューマンの歌曲集「ミルテの花」の中の一曲「ハスの花」の歌詞は

            ハイネのこんなに美しい詩です。メロディーもまた繊細微妙、振幅の

            小さい音の動きで、夜開く蓮の淑やかな美しさを余すところなく表現

            しています。それだけに歌うとなると難しい。ドラマチックな華やか

            なイタリア歌曲の対極にあるような曲です。珠玉の名曲というのは、

            こんな曲を言うのでしょうか。

            

            これは去年の夏、平城宮跡を訪れた時、太極殿のそばに咲いていた蓮。

            猛暑の中、まさに一服の清涼剤でした。蓮はお釈迦さまのお花です。

            ハイネもシューマンも東洋の神秘を感じて、この曲を作ったのかもしれ

            ません。詩と曲の静かなゆらぎに何か西洋的でないものがあるような。 
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百合

2011-06-23 16:00:37 | 季節の花々
            

           居間のちっちゃな床の間に、もう何年も前から私のつたない水彩画

           が掛っています。百合の花の絵。あまりに長くそこにあるので、壁の

           一部と化していますが,百合の咲く季節になると、ああここにも百合

           がと一瞬気づきます。

            

           百合は本当に種類の多い花ですが、これは白百合。鉄砲ユリでしょう

           か。カサブランカという種類かもしれません。マドンナリリー。清らかな女

           性の象徴みたいな花ですね。白百合女学園なんていう学校もありそう。

            

           鮮やかなオレンジ色の百合。スカシユリの仲間のようです。

            

           これまた鮮やかなピンクの百合。アカカノコユリという種類だそうです。

            

            これは言わずと知れたオニユリ。名前は怖いけれどかわいいですね。

               百合折らむにはあまりに夜の迫りをり    橋本多佳子          
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夏至

2011-06-22 21:57:25 | 季節の花々
             

           今日は夏至。梅雨の最中ですが,暑い暑い一日になりました。

             

           この時期に似合うスイレン、いかにも涼しげです。

星のひとみ (岩波少年文庫 (1004))
丸木 俊,万沢 まき
岩波書店


          フィンランドの作家トペリウスの童話集、岩波文庫から「星のひとみ」

          というタイトルで出ていますが、その中に「スイレン」というお話があ

          ります。若いシラカバに恋をしているスイレンに、岩ヤ杭や葦が横

          恋慕して、結局スイレンの命をうばってしまうという童話にしてはちょ

          っと色っぽい感じのするお話です。この童話集、昔から大好きですが、

          19世紀後半の作品で,この頃は忘れられています。日本人にはキリ

          スト教色が濃すぎかもしれません。でも、タイトルの「星ひとみ」を初

          め、北極に近いラップランドの白夜や暗い冬のオーロラの出てくるお

          話はどれも不思議な美しさを持っています。童話とはいえ、大人向き

          かも知れません。

                       

          その中の8番目のお話は「夏至の夜の話」です。一晩中明るい夏至に夜

          には、子供たちは野原でたき火を囲んで踊ったり遊んだり、朝まで楽し

          みます。内容は良い子の兄妹が天使に会うという、キリスト教の教訓め

          いたお話ですが、白夜の戸外で一晩中遊ぶというのがなんともエキゾチ

          ックに思えて、読む度に一度ラップランドへ行ってみたいと思っていまし

          た。その夢はまだ叶っていませんが。今でもそんな風習は続いている

          のでしょうか? 
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父の日のプレゼントは

2011-06-21 18:12:08 | グルメ
            

           私にはお花をくれた子どもたち、父の日に、夫には全てお酒でした。

           日本酒と焼酎。酒豪だと思われていますね、普段を見ていますから。

           でも、会社の健康診断の前、数週間禁酒していたんですよ。まあ、そ

           の禁酒もめでたく解けて、

           

            ぐでんとテレビ枕にあごをのせたなっちゃんを肴に、

           

          蒸し暑い梅雨、創意工夫の夫がうまく風が当たるように考案した小さな

          扇風機にあたりながらの酒盛りも一興かも。

           

            きれいなカラーがあちこちで咲いています。サトイモ科の花だそう。

            日本語で海芋、花の形からいかにもって感じですが、英名はCalla Lily。
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