キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

アヴェ・マリア

2011-10-31 16:27:30 | アート
Sacred Arias
Charles Gounod,Cesar Franck,Franz Schubert,George Frideric Handel,Gioachino Rossini,Giulio Caccini,Giuseppe Verdi,Myung-Whun Chung,Orchestra Accademia di Santa Cecilia,Andrea Bocelli
Philips
アヴェ・マリア~セイクリッド・ソングス
ラミレス,フランク,マリオッティ(ミケーレ),ヴェロ(パオロ),ボローニャ歌劇場管弦楽団,メッツィーニ(ニコレッタ),ペレグリーノ(ジャンルカ),アヤラ(カルロス),ブレッデルマン(ウルリヒ・シュテファン)
ユニバーサル ミュージック クラシック
         
         毎年12月が近づいてくると、無性にクリスマスソングや聖歌が聴き

         たくなります。そこで毎年その関係のCDをたいてい1枚は買うので、

         三大テノールからBoyzⅡMenから子どものクリスマス・ソングから、ジャ

         ンルに関係なく色々たまっています。去年はアンドレア・ボチエッリ

         のSacred Ariasというのを、今年はこの間、噂のイケメンテノール、

         ファン・ディエゴ・フローレスのSanto-Sacred Songsを手に入れました。

         フローレスはめちゃくちゃハンサム。ミーハーですねえ、わたしも。

         

         どちらにもシューベルトのアヴェ・マリアが入っているので、聴き比

         べて楽しんでいます。フローレスの声は、これはもう艶やかで、若く

         美しい。耳に心地よい魅惑の歌声。その後で聴くと、ボチェッリはち

         ょっと平凡に聞こえます。声がボッテリしているというか。歳もだい

         ぶ上ですからね。好みにもよるでしょう。ボチェッリのたっぷりした

         感じが好きという人もいるかもしれません。けれど面白いものですね、

         同じテノールで同じ歌を歌ってもこんなに印象が違うのは。でもボチ

         ッリのCDには、白百合に象徴される聖母マリアさまを讃えるアヴェ・

         マリアが色々入っています。私の今の一番のお気に入りはカッチー

         ニのアヴェ・マリアです。
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ハロウィーン

2011-10-30 14:42:01 | 行事
             

        母は通っているデイ・サービスで、毎回素敵なフラワー・アレンジメント

        を作ってきますが、今回はハロウィーンがテーマのオレンジ色のアレン

        ジでした。こんな所にまでハロウィーンは浸透してしてきましたね。

        キリスト教では万聖節の前夜という聖なる日ですが、ケルトのドルイ

        ド教に由来するというこの行事、ちょっと異教的な匂いがあり、魔女

        やらお化けやらでてくるし、いたずらっぽくって、おふざけOK、品行

        方正でなくっても良いようなところが受けるのかも。もっとも数年前

        アメリカでハロウィーンのtrick or treatで射殺された日本人の青年

        がいましたが、あんな風に冗談の通じない人も通じない場所もある

        し、キリスト教国でもない日本で、バレンタイン・デイと同じに商業

        主義に踊らされている側面があるのも確かですが。 

           

        この季節、二年前の十月を思い出します。息子の結婚式の翌日、

        夫の両親と弟と横浜見物に出かけて、山手洋館を巡ったとき、

        イギリス館にハロウィーンのデコレーションがしてありました。

        まだ10月の初めでこれから飾り始めようかという頃でした。

           

        悪魔との取引のために、天国へも地獄へも行けなくて、ランタンを

        手にさまよい続けるジャックというぐうたらな男の伝説からできた

        というjack-o'-lantern。ちょうど日本の鬼火にあたるもののようで

        すが、カボチャ(元はカブだったとのこと)のオレンジ色が陽気で、

        鬼火のように怖くありません。イギリス館の年代物のチェストの上

        でにこにこしていました。Happy Halloween
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ハロウィーン色のカフェ

2011-10-28 09:48:27 | 行事
             

             孫娘が7カ月になって、そろそろお出掛けもいいかしらと、

             武蔵小杉の64カフェへランチに行きました。民家をそのま

             ま使ったこのカフェ、駐車場の奥のちょっとわかりづらいと

             ころにありますが、落ちついてくつろげる雰囲気です。

            

            ハロウィーンが近いので、店内もオレンジ色のデコレーション。

            孫娘はキラキラ光るシャンデリアの飾りや、天井で回る扇風

            機の羽根がとても気になったよう。他にも赤ちゃん連れのお

            客がいました。ソファの席なんかもあって、ゆっくりできます。

            

            トマトソースのオム丼もなかなかでしたが、このカボチャのチ

            ーズケーキもとてもおいしかった!ハロウィーンにはカボチャ

            はつきものですが、ハロウィーン発祥の地のアイルランドで

            は元々はカブだったんですってね。アメリカに渡ってカボチャ

            になったらしい。

            

            ハロウィーンなんて、ちょっと前までは西洋のおかしな風習く

            らいに思っていたのに、今じゃこの季節、町中オレンジと黒に

            染まります。そう言えばうちの近所にも、小さな魔女やドラキ

            ュラやお姫様が、trick or treat!とやってきました。
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フェアトレード・フラワー

2011-10-27 10:28:44 | 季節の花々
                 

              スーパーのお花屋さんでふと見かけた三輪の薔薇の花束。

              それぞれきれいだけど、色の組み合わせがいま一つだな

              あと思って、通り過ぎようとしたけれど、

                 

              こんなマークが目に入りました。”フェアトレード・フラワー”

              はるかアフリカのケニヤから来た薔薇の花。産直の対極の

              ような商品ですが、売り上げの10%が開発途上国の学校

              建設などに使われるという説明に思わず買いました。フェア

              トレード(公正取引)は、もっとも援助を必要とする人たちの

              自立を助けるために、極端な低賃金労働や中間搾取など

              なしに生産したものを買い取る制度で、寄付ではなく、あく

              までビジネスです。そのためなかなか難しいこともあるよう

              で、フェアトレードに批判的な人もかなりいるようです。

              その辺のことは余りよくわかりませんが、日本でも熱心に

              フェアトレードに取り組んでいる団体が数多くあるようです。

              

              これはインドネシアの女性が作った手編みのバッグです。

              数年前あるNGO団体に所属していた妹が、フェアトレード

              の状況を見学しに行って買ってきてくれたものです。とて

              もきれいな丁寧な仕事です。手芸用品入れにしています。

              欧米のブランド品が、途上国の女性や子どもの搾取的

              労働によって作られているというのは、まぎれもない現

              実のようです。街にはブランド品があふれ返っていて、

              すてきだなあと思うことも多いのですが、少し視点を変

              えて、こんなフェアトレードの商品に目を向けてみるの

              もいいかもしれません。

         
ブランドなんか、いらない
Naomi Klein,松島 聖子
大月書店
 
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笑いのこころ

2011-10-25 10:03:35 | アート
             

            有楽町の帝国劇場の隣のビル9階の出光美術館から下を眺めると、

            皇居の外苑に入る馬場先門が見えます。この間は麹町の方から半

            蔵門を見下ろしましたが、こちらから見ても、お掘り越しに眺める

            豊かな秋の皇居は落ち着いた美しさです。これが都心の、さらに

            そのど真ん中にあるのは不思議なような、でもとても良い感じ。

                

            出光美術館へ「笑いのこころ」展を観にいきました。大雅、蕪村、

            玉堂、仙涯の四人のユーモアにあふれた絵を集めた、肩の凝ら

            ないしゃれた日本画の美術展で、最終日でもあり、なかなかの

            にぎわいでした。

            これは池大雅の「山邨千馬図」。よく見ると全体が馬で埋めつく

            されています。よくもこれだけ描けたと思わずにいられないもの

            すごい数の馬、馬、馬。馬の表情もそれぞれ違っていたりして、

            感嘆しながらも思わず笑ってしまいます。大雅の絵はどれも風

            格のある見事な山水画でしたが、そのおおらかな雰囲気が心

            を和ませてくれました。どの絵にも、あちこちで楽しそうに遊ん

            だり、笑い転げたりしている唐子がいて、とてもかわいらしく、

            四人の巨匠のうちでは、私には一番しっくりきたかな。

             

            仙涯に至ると、もうこれは、笑わせようとして描いているとしか思

            えません。花見の図なんか、呑んでいる人、踊っている人、寒が

            っている人、ゲロを吐いている人、中には書き損じなんて注がつ

            ついて、黒く塗りつぶされた人もいて、だれも花なんか見てやし

            ない。禅宗の名僧だったそうですね。だから絵は余技だったのでし

            ょうが、あまりに皆から描いてと頼まれるので、とうとう「絶筆の

            碑」という絵を描いたけれど、その後もやっぱり頼まれれば描い

            てあげたそうです。一見おそろしく適当な、今の漫画に通じるよ

            うな、ちょっと西原理恵子の「毎日かあさん」なんかを連想させ

            る絵です。これは六人の老人の絵。仙涯には長寿を言祝ぐのや

            茶化すのや、老人を描いた絵がたくさんありました。百人の老

            人を描いた絵など、もう何が何やら訳のわからない滑稽さです。

            病気がちになり、耳も遠くなり、耄碌し、それでもなお生きてい

            ることを喜ぶ。老いを肯定するその朗らかさに勇気をもらって帰

            ってきました。
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Nachsommer-晩夏

2011-10-23 21:34:41 | アート
晩夏 下 (ちくま文庫)
アーダルベルト・シュティフター,藤村 宏
筑摩書房
晩夏 上 (ちくま文庫)
アーダルベルト・シュティフター,藤村 宏,Adalbert Stifter
筑摩書房
      アーダルベルト・シュティフターの「晩夏」が今も日本で文庫本になっているということは、

      いまだに読む人がいるということでしょうね。ある人物の成長を描くいわゆるドイツの教

      養小説に入る大長編小説です。しかしゲーテの「ヴィルヘルム・マイスター」のように

      悪戦苦闘するわけでもなく、挫折を味わうわけでもなく、主人公はきわめて順調に成長

      して、自然科学者として大成します。時代の嵐に揉まれることも、劇的な出来事が起こ

      ることもありません。この本は日本でも何故生き残っているのでしょう?同時代の劇作
 
      家ヘッベルは「これを読み通したらポーランドの王冠を進呈しよう」と言ったそうです。

      ほんとに何も起こらなくて退屈なんです。でもねニーチェはこれは歴史に残る大傑作だと

      思ったらしい。主人公のお父さんは言います。「人間はまず人間社会のためにあるので

      はなくて、自分自身のためにあるのだ」と。こんなことを言ってくれるお父さんが世の中

      に何人いるでしょうね!裕福な主人公は心の赴くままに様々な研究をして、自然科学者に

     なります。そして薔薇が家全体を覆っている田舎家に魅せられ、そこで運命的な出会いを

     します。そのような細々とした出来事が、あくまでも落ち着いた静かな筆致で描かれています。

     KINOKUNIYA書評空間の津田さんはこの本をジェーン・オースティンよりさらに「偉大な退

     屈読本」と評しています。読んでいるときはとても退屈だったのに、いつもいつも思い出す

     小説だと。今まだ30ページ目、さて私は最後まで読み切れるでしょうか?

            
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入り日色

2011-10-22 21:35:25 | 季節の花々
             

             まっ赤だな まっ赤だな つたの葉っぱがまっ赤だな

             もみじの葉っぱもまっ赤だな 沈む夕日に照らされて

             まっ赤なほっぺたのきみとぼく まっ赤な秋に囲まれている

                      「まっ赤な秋」  薩摩忠作詞・小林秀雄作曲

             

             つたの葉っぱも、はなみずきの葉っぱも赤く色づいてきました。

             

             サトーハチローの「小さい秋」の三番に「ハゼの葉赤くて入り日色」

             というフレーズがあります。ほんとにまたハゼの葉が入り日色になる

             季節がやってきました。九十歳近くになった母が、どんどん子供に帰

             っていくのを見て、いとおしく、また切なくなっている今日この頃です。      
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音の雫

2011-10-21 16:04:43 | ミュージック
             

             コーラスをやっていなければ、こんな大きな舞台で聴衆の前に立つなん

             てことはなかなできないでしょう。そういう意味では得難い機会でした。

             時間が足りない、覚えられない、頸椎が痛い、あれがどうした、これ

             がどうしたと文句ばっかり言いながら迎えたコーラスのコンサートで

             したが、無事終わりました。出来はともかく、舞台に立つのは晴れが

             ましく気持ちの良いものです。一人で舞台に立つとなると、めちゃく

             ちゃ緊張すると思いますが、そこはコーラス、数を頼んでの気楽さが

             あります。

                 

             「音の雫」と題したコンサートで、シャンソンや日本の童謡をたくさ

             ん歌いました。やはり日本の歌の方が出来がよかったかな。シャン

             ソンはリズムも音も難しく、オーシャンゼリゼの手拍子など、おばさ

             んたちはどうしても盆踊りになって、パリの小粋な感じはだせません

             でした。本来一人で歌うシャンソンをコーラスで歌うむずかしさもあっ

             たのですが。

             

               わが友のすばらしいピアノ伴奏にかなり救われれました。

               歌をうたっていられる幸せをかみしめたコンサートでした。
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Bergkristall-水晶

2011-10-20 15:24:03 | 
              
Bergkristall. Grossdruck.
Adalbert Stifter
DTV Deutscher Taschenbuch
>
水晶 他三篇―石さまざま (岩波文庫)
手塚 富雄,藤村 宏
岩波書店

          スイスから帰って来られた宣教師のジグリストさんんから、お土産のチョコ

          レートをいただいて、その連想からか、久しぶりにアーダルベルト・シュティ

          フターの「水晶」を読んでみたくなりました。もっとも、シュティフィターはス

          イス人ではなく、オーストリアの人ですが、彼の小説の舞台となる雪に閉

          ざされた小さな村々の日々の営みは、きっとスイスとよく似ているでしょう。

          

           高い山に囲まれた小さな村クシャイトの靴屋の息子は、若いころ放蕩をつく

          したが、山一つ超えた町の名家の一人娘を見初め、彼女を娶るために心機一

          転家業に精を出し、商売は徐々に上向き、ついには彼女をクシャイトに迎え

          入れる。やがてコンラートとザンナという二人の子供に恵まれる。ある年のク

          リスマスの前の日、二人は母親の実家の祖父母を訪ねた。山越えの難儀

          な道だが、それ以外に道はなく、二人はもう幾度となく自分たちだけで行き

          来していた。祖父母の家からの帰り道、峠のあたりで雪が降りだした。二人は

          道を間違え、進んで行った先はただ一面氷に囲まれた不思議な所、高い山を

          上へ上へと登ってしまったのだ。兄のコンラートは必死で妹を守り、眠らない

          ように励まし、妹のザンナは兄を信頼しきって素直に従い、ついには雪の中

          で一夜を明かす。夜が明け、村人総出の捜索隊が二人を無事に救い出す。

          

          優れた画家でもあったシュティフターの山々や村の、そしてまた登場人物

          の描写は静かに美しく、読んでいると穏やかな、妙な言い方ですが「敬虔」

          な気持ちなります。生存中は一定の評価を得たものの、小さい取るに足り

          ないものばかりを題材にすると、非難されることが多く、この「水晶」が入っ

          た短編集「石さまざま」に、それに反論する序文を書いています。

          小さいもの、ささやかな仕事の中に実は大きな宇宙につながる深い真理

          が潜んでいるのだと。山間の村に住む人々の慎ましやかな暮らし、温かい

          愛情、深い信仰を何のてらいもなく美しく描いたこの物語を読めば、それ

          がよく理解できます。

          後にニーチェやトーマス・マンが、シュティフターを絶賛し、指揮者のフル

          トヴェングラーは、シュティフターを読まずにはヴェートーヴェンの「田園」

          は振れないとまで言ったそうです。

          そのあたり、松岡正剛の千夜千冊の「水晶」にうまく解説されています。
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実りの秋

2011-10-18 16:19:42 | 季節の花々
           

          昨日は夏に逆戻りしたような暑さでしたが、街はもう秋色です。ザクロの実、

           

               むらさき色のアケビ、

           

               栗、

           

               カラスウリ、


           

               そして たわわに実った柿。

           

           空には鰯雲。鯖雲とかうろこ雲とかいう言い方もあります。どれ

           も巻積雲の仲間で、それぞれの形状に似たものを言うようです。

           秋の空ですねえ。「故郷の空」の歌詞が思い浮かびます。こんな

           に豊かな秋色の中に、目に見えない放射能の恐怖が潜んでいる

           とは。自然を侮った人知の奢りの結果でしょうか。
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