キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

タリアセン

2013-06-30 05:55:57 | 旅行
           

           軽井沢の南の風越地区にあるタリアセンは、塩沢湖という人工湖を中心

           にしたリゾート・パークです。湖の周囲に気持ちのよい散歩道があり、

           イギリス庭園や、美術館、レストランなどもあります。

           

           あちこちの木陰に可愛い妖精が潜んでいます。

                      

           タリアセンというのは古代ウェールズの詩人の名で、「輝く額」という意味

           だとか。建築家ライトが主催した創造的集落の名前でもあるそうで、ここ

           はそれから名付けられたのでしょう。いくつか素晴らしい建物があります。

           

           その内でも最も印象深かったのは睡鳩荘。まどろむ鳩の館というすてきな

           名前の臙脂色の洋館。上の写真はその遠景です。関西学院や明治学院

           のチャペルなど、大正から昭和期、多くの建物を設計したヴォーリズという

           人の手になるものです。

           このヴォーリズという人、大変多才な人で、実業家としては、あのメンソ

           レータムで知られる近江兄弟社を作り、音楽家としても、宣教師としても

           活躍したそうです。

           

           睡鳩荘は三越や朝日生命の社長だった朝吹常吉の別荘で、娘の朝吹登水子

           が暮らしていたとか。彼女が訳したフランソワーズ・サガンの数々の小説を

           若いころ耽読した私には感慨深いものがありました。ああこんなすてきなと

           ころで住んでいたから、あんなに洒落た感じに訳せたんだななんて思って。

           

           元々は軽井沢の他の場所にあったのを、最近ここに移築したようです。

           館内で假屋崎省吾の向日葵をテーマにした華道展が開かれていました。
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軽井沢の花

2013-06-29 10:27:54 | 季節の花々
           

           昼間でも15度ほどの涼しい軽井沢は今薔薇が花盛りです。

           

          前日の雨でうなだれ加減でしたが、濃い紫の気品ある薔薇にも出会いました。

           

           バラ園の横の池には蓮の花が、艶やかな葉の間に顔をのぞかせ、

           

               岸辺には名残の菖蒲も、

           

               クレマチスも今花盛りです

              

               これも見事な八重のクレマチス、

           

           これはフウロソウでしょうか、道ばたで風に揺れていました。

           

           これはカルミアという花。別名アメリカシャクナゲというそうです。

           川崎ではもうとっくに咲き終わっているのに、やはり涼しいので

           しょうね、1ヶ月は遅い感じです。

           

           これはアサザという水に咲く花。岸辺にいたおじさんによると、数年

           前に出現して、瞬く間に増えて、今では池を覆い尽くさんばかりです。

           でも霞ヶ浦なんかでは減り続けていて、保護植物になりかけていて

           なかなか貴重な植物のようです。

           6月の終わり、梅雨の晴れ間に、素敵な軽井沢花紀行をしてきました。
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なっちゃん、蛍狩りに出かける

2013-06-24 16:39:52 | ペット
           

           真夏に比べれば、まだまだ気温は低いのですが、湿度が高いせいか

           夕方まだ明るいうちに散歩に連れ出したなっちゃんは、ばてばて。

           「ああ、やっぱり家はくつろぐわ、極楽極楽」枕をして、まるで人間の

           おばちゃん。

           

           ほんとに暑さには弱いんですよね。まあ。毛皮を着てますからね。

           

           そんななっちゃんですが、暗くなって涼しくなってから、近所へ

           蛍見物に連れて行くと、昼間のだらけていたのが嘘のようにシャ

           カシャカ元気に歩きます。近所にある「たちばなふれあいの森」

           は里山を整備して、毎年今ごろにはボランティアの方々が養殖し

           た蛍を放してくれるので、素晴らしく幻想的な光景が見られるので

           すが、今年は残念!少し遅かったようです。

           

           結局1匹も見ることができませんでした。なっちゃんの良いお散歩

           にはなりましたが。

           

           その代わり、スーパームーンを見ました。月が地球に一番近づく

           時と満月が重なる時が一致する現象で、大きさが普段の14%、

           明るさが30%増しで見えるのだそうです。初めて知りました。雲

           がかかっていたけれど、なかなか幻想的なお月さまでしたよ。
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オレンジ色のペンギン

2013-06-22 15:33:23 | 絵本
            

            どのページにも青い空と灰色の砂、青い海と灰色の砂、

            そこに豆粒みたいな黒いひょうと豆粒みたいな白い少年。

            空は悲しいほど澄んだ青で、砂は何の汚れもない灰色の砂。

            そんな広い静かな世界の豆粒みたいなひょうと少年が、な

            んと心に迫ってくること。少年の憧れが痛いほど感じられる、

            不思議な絵本です。

イルカの星
葉 祥明
佼成出版社

オレンジいろのペンギン
葉 祥明
佼成出版社


           葉祥明さんの絵本の青はほんとうに美しい。昼間の空の青も、

           夜の空の藍色も、深い海の紺色も。この「オレンジいろのペン

           ギン」もすべてのページのほとんどの部分が青と白。その中の

           オレンジ色の小さいペンギンがとても温かい。みんなと違うオレ

           ンジ色だからって、仲間はずれになんかされません。違うってい

           うことは素敵なことなんですから。作者の温かい優しい心がペー

           ジいっぱいの青や白や灰色やオレンジ色から伝わってきます。

あのひのこと――Remember March 11,2011
葉祥明 絵・文
佼成出版社
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梅雨ながら

2013-06-21 10:28:00 | 季節
            

              梅雨ながら且つ夏至ながら暮れてゆく    相生垣 瓜人

            今日は夏至、その名の通り夏に至る日ですが、梅雨寒です。台風

            もきています。先日来の暑さから開放されて、紫陽花は元気です。

            

            

            様々な色に咲いています。

            

            ジャガイモの花も咲いています。種類によって花の色が違います。

            男爵は白い花が咲くそうです。この薄い紫色の花はメイクイーン

            でしょうか。もっとも、このごろはキタアカリとかアンデスレッドと

            か、男爵、メイクィーン以外にもいろいろな種類があります。こ

            の間、インカノメザメという種類のお芋をもらいました。色が黄

            色くてホクッとした、ちょっとジャガイモ離れしたおいしさです。

            だれが名付けたのか、原産地にちなんだしゃれた名前です。

            

            もうすぐ、水芭蕉の花が咲いている尾瀬を思い出す夏がやってきます。
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御嶽山

2013-06-19 08:55:31 | 旅行
            

            東京都青梅市の奥にある御嶽山は知る人ぞ知る霊山で、ちょっとした山

            歩きの好きな人に大人気です。その頂上にある武蔵御嶽神社。御嶽山と

            いうのはいくつかあります。木曽の御嶽山は一番有名ですが、これは民

            謡にもあるように「おんたけさん」と読みます。世田谷の田園調布あたり

            にも、なんと「御嶽山駅」というのがあります。これも読み方は「おんた

            けさんえき」。近くに御嶽神社というのがあるそうです。でも青梅のは

            「みたけさん」。

            

            昔、御嶽山で道に迷った日本武尊をどこからともなくやってきた狼が助

            けたことから、ここでは狼を大口真神(おいぬさま)として崇めていま

            す。それで今では犬と一緒にお参りする人が多いようです。わりと近く

            の三峰神社にもそういう逸話があります。こちらは「山犬」ということ

            ですが。いかにも孤高な感じのする狼は、昔の人々の信仰の対象に

            なったのでしょうね。夏バテでまいっているなっちゃんみたいに軟弱

            なペット犬とは大違いのストイックさが感じられます。

            

            ケーブルカーで御嶽山駅まで上り、そこから色々な散策コースがあります。

            

            お決まりの参道の商店街。レトロな感じが魅力的です。

            

            神社の草の生えた藁葺き屋根が時代を物語っています。

               

            産安社の安産杉。ここは木花開那毘売命(コノハナサクヤヒメノミコト)

            を祀る縁結び、子宝、安産祈願の神社です。

            

            山紫水明。世俗の垢にまみれた心身の清涼剤!

            

            可憐なヤマオダマキに心和みます。   
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なっちゃん、食欲不振

2013-06-16 10:44:17 | ペット
          湿気の高い蒸し暑い日が続いているからか、わが家のなっちゃんは超食欲不振。

            

          朝晩のドッグフードに見向きもしません。いつも食欲旺盛で食べたくないなん

          て言う人の気持ちがわからない私には、理解できない事態です。心なしか痩

          せたような。

            

          一日中、半分寝ているようなぐったりした姿勢で過ごしています。まあ、前か

          らそうですけどね。取り越し苦労でしょうが、動物病院へ。するとお医者さ

          ん、開口一番「このところ食欲不振の犬がいっぱい来るんだよね」。気候の

          せいのようです。

            

          獰猛な唸り声を上げ、大暴れして抗生物質と栄養剤の注射を2本打たれ、

          計4000円なり!でもその後も同じ。散歩以外は茶色の棒状にのびたまま

          一日を過ごしているなっちゃんです。苦手な夏本番はまだこれからだとい

          うのに、先が思いやられます。
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六月の楽しみ

2013-06-15 10:25:28 | 絵本
             

             毎年6月の初め、柿の若葉が少ししっかりしてきた頃、つやつやした柿の葉

             に包んだ柿の葉寿司を作るのが、私のふるさと奈良の吉野の風習でした。

             塩さばをそぎ切りにして握り寿司を作り、柿の葉でくるんで、専用の木箱

             に何重にも並べ入れ、ふたをして重しの石を置きます。いわゆる押し寿司

             で、保存食。今では各家庭ではあまり作らないようですが、専門のお店が

             たくさんあります。少しずつ味が違って食べ比べると楽しいのですが、や

             はり昔から食べ慣れている、実家の近くのお店のが一番美味しく感じます。

             弟が送ってくれました。6月1日に解禁になる吉野川の鮎とこの柿の葉寿

             司を食べると、ああ今年もそろそろ夏がくるなと思ったのを覚えています。

             

             この頃になると、村のお寺の夏ツバキも咲きはじめていたような。別名

             沙羅双樹、お寺には相応しい木です。クリーム色の清楚な花を思い出す

             と、懐かしくなります。

             

             

             オレンジ色の百合や黄色い未央柳も盛りです。雨に濡れる花々の可憐な

             風情に、梅雨もいいなと思うこのごろです。
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切通し

2013-06-13 17:10:00 | 季節の花々
           

           鎌倉市東南部、安国論寺から南に下って行くとますます鄙びた景色にな

           ります。今の季節、金糸梅や紫陽花がきれいです。

           

           横須賀線の線路を渡ると、「名越の切通し」という立て札が出てきます。

           切通しは山や丘を切り開いて道を作った所で、どこにでもありますが、

           鎌倉の7つの切通しは有名です。朝比奈の切通し、化粧坂の切通し、

           釈迦堂の切通しなど。ここ名越の切通しは逗子へ抜ける道です。

           

           ひどく険しいので「難越」と呼ばれそれが「名越」になったとか。重機も

           ない時代、よくこんな岩山を切り開けたものです。

           

           敵が攻め入りづらいように、大きな岩を道の真ん中に置いたとか。世界史で

           習ったテルモピレーの戦いを思い出しました。その昔、ギリシャ中部のテル

           モピレーの峠の隘路で、スパルタ王レオニダスが大群のペルシャ軍と雄々し

           く戦い討ち死にしたという逸話です。テルモピレーもこんな峻険な山道だっ

           たのでしょう。洋の東西を問わず、人間は戦い好きな動物です。

           

           軟弱な私は狭い切通しを登るだけでも、ヒーヒー。戦いになったら最初に討ち

           死にでしょうね。そんな昔に思いを馳せながら、逗子へと下りて行きました。

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歴史の宝庫、鎌倉のお寺

2013-06-12 11:27:33 | 季節の花々
            奈良の田舎生まれの私です。鎌倉のお寺は奈良や京都のお寺とはちょっと

            趣が違う気がします。建立の時代の違い、宗派の違い、地形の違いなどあ

            るのでしょうね。

            
   
            これは本覚寺。鎌倉駅のすぐ側です。鎌倉時代の刀工正宗のお墓があり

            良い感じのお寺ですが、駅に中途半端に近すぎるのか、かえって観光客

            がいません。小町通りは、原宿のような人出で、動けにないくらいなのに。

            

            次に訪れたのが妙本寺。堂々とした佇まいの格式ある日蓮宗のお寺です。

            もともと北条氏に滅ぼされた比企能員の屋敷だったのを、後に子の能本が

            お寺としたのだそうです。そこには大変な紆余曲折が合ったようです。

            鎌倉のあちこちに、そんな悲劇の跡があります。なにしろ戦に負ければ

            一族郎党討ち死にするか、殺されるかの時代だったんですものね。

            

            少し行くと常栄寺というのがあります。別名ぼたもち寺。大きな提灯でわ

            かります。日蓮が刑場に引かれて行くとき、このお寺の尼さんがぼたもち

            を差し出したとか。日蓮は奇跡的に刑を免れ、このぼたもちは縁起がよい

            餅となったとか。この辺り、日蓮のエピソードがいっぱいです。有名なお

            寺の割に、草ぼうぼう、障子の破れた、迫力のある荒れ寺です。

            

            これは八雲神社。小さな神社ですが、なにやら歴史で習ったような気の

            する「後三年の役」の時、11世紀の半ば創建の八幡太郎義家縁の古い

            神社だそうです。

            

            

            そこからちょっと行くと妙法寺というお寺があります。妙法寺というのは

            日本全国あちこちにあるようです。ここは日蓮が安房から最初に移り住ん

            だという由緒あるお寺。鬱蒼とした木立の中の苔の石段や庭が見事。苔

            寺とも呼ばれています。人手が入っているような、いないような生い茂っ

            た庭もなかなか風情があります。

            

            

            妙法寺のすぐ近くにある安国論寺。その名の通り日蓮が立正安国論を書

            いたお寺。これは禅やら浄土やらの邪宗はだめ、法華経だけを唱えよと

            いう結構過激な内容で、もちろん排斥されました。八面六臂の大活躍の

            日蓮を偲ぶには、ひなびた風情のところです。鎌倉のお寺は、五山のよ

            うに格式のあるところはともかく、あまり整然としていなくて、かすかに荒

            れた気配があるのが、趣があって気に入りました。
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