今年も鈴蘭の季節がやってきました。五月の花ですが、もう満開です。
ベルの形の純白の小さな花がほんとにかわいい。
近くの団地の庭にたくさん咲いています。
鈴蘭の英名「谷間の百合」はバルザックの小説Le Lys dans la valleeを連想させます。
若い男性に言い寄られるが、貞節を貫く貴婦人の話ですが、そこはバルザック、
純愛物語では終わりません。貴婦人は死の間際に、欲望と嫉妬にさいなまれた
生涯だったと告白します。人間だもの、ですよね。大好きな小説です。
庭のジャスミンが良い香りです。この花もある小説を思い出させます。トレーシー・
シュバリエの「天使が堕ちるとき」。ヒロインのキティーが亡くなる間際に言う一
言。「いつも夏の夜のジャスミンの香りが好きだったわ」切ない場面です。花は物
語に様々な趣を添えてくれます。「エミリーに薔薇を」なんていうウィリアム・フォ
ークナーの怖い小説もありますが。