キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

あと三日

2011-12-28 18:22:04 | 地球
             

            なにとなく心せく日の昼時をハボタン植えて安堵ており  鳥海昭子

         この感じ分かります、別に12月の末だからといって、何を急くこともないの

         ですが、なんだか心慌ただしくて。私も妙にそわそわと葉牡丹を植えました。 

             

                 水仙や寒き都のここかしこ     与謝蕪村

          蕪村の都は京都のようですが、これは古都奈良の水仙です。12月の季語

          の水仙、都と言わず、ここかしこに咲いています。

             

                   良いお年を
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なっちゃんのリード

2011-12-28 14:47:41 | ペット
            

           多摩プラーザの駅前を歩いていると、素敵なコートを着たキレイな

           マダムが、これまたしゃれた服を着せられた、いかにも血統書付き

           という感じのスレンダーな犬とお散歩しているのに出会いました。

           一番感嘆したのは、そのリード。茶色のレザーで金の鋲がいっぱい

           ついている高価そうなリードで、思わずなっちゃんのリードと頭の

           中で比べてしまいました。なっちゃんのは、二年半前に引き取りに

           行ったとき、とりあえず近くの百円ショップで買った布製の代物で

           す。首輪もそう。

                

           それ以来雨の日も風の日も、一日二回の散歩をずっとこれで

           通しています。泥んこになると、時々洗って。メタルのや、伸

           び縮みするのや、多摩プラーザの犬のような高価なレザーの

           や、リードも色々ですが、使い慣れたのが一番。

             

           この布製のリード、拾われっ子で血統も何もわからないなっちゃ

           んの身の丈にあっていると言えるでしょうか。高価なリードなん

           て、飼い主の自己満足ですからね(ちょっと負け惜しみかな?)
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ボクシング・デイ

2011-12-26 10:38:42 | 季節
            

            今日12月26日はボクシング・デイ。英語圏の人でなければ、ボ

            クシングつまり拳闘にまつわる、何かの記念日だと思うでしょう

            ね。私もそうだったのですが、英国の作家トレーシイ・シュヴァ

            リエの『天使が堕ちるとき』を訳していて、ヒロインのキティー・

            コールマンのメイド、ジェニーが「年がら年中こき使われて、休

            みはボクシング・デイだけ」と不平を言う場面があり、ああ、こ

            の日は使用人の休みの日、日本の藪入りみたいなものだと分

            かりました。主人が使用人に箱(BOX)に入れた贈り物を渡す

            日なんですって。シンガポールなどは、この日は祭日だそうで

            す。ボックスの中に一体どんなものを入れてたのでしょうか?

            

            贈り物といえば、先日キリスト教会のクリスマス会でスイスから

            来ていらっしゃる宣教師さんに、娘の作ったメレンゲを差し上げ

            ると殊の外喜ばれました。大好物なんですって。なぜかというと

            メレンゲの語源となったスイスのMeilingenという町の出身だそ

            うで、懐かしく思われるのでしょう。卵白とお砂糖だけのシンプ

            ルなお菓子です。もっとも娘のにはチョコレートが入っていました。

            食べ物でもなんでも、故郷のものに再会するのは嬉しいものです。
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クリスマスの晩

2011-12-25 10:30:46 | 季節
            

             雪の教会 クリスマス
             なんてきれいな あの明かり
             なかでおいのり きこえます
             今夜オルガン ひいてます

             雪の教会 クリスマス
             ここは街角 ふきさらし
             ぼくはこごえて たってます
             なにかしんしん してきます

             雪の教会 クリスマス
             星もでました あのやねに
             はいってみようか どうしよか
             ぼくはないんだ 母さんが

             雪の教会 クリスマス
             ああら だれかがでてきます
             マリアさまでは ないかしら
             かわいい赤さん だいてます
                   クリスマスの晩   北原白秋

           街角に凍えて立つみなし子の男の子、今夜はクリスマス・イブ。

           親がいないので、一人で教会に入れない。何やらマッチ売りの少

           女のような悲しい光景です。こんな子にこそ温かさ必要なのに。

           厳冬の北朝鮮では、停電がちで、お店も閉まり、大変なクリス

           マスのようです。まぶしくきらめくイルミネーションの下、浮か

           れ騒ぐ人もいるし、寒さと飢えで力尽きかけている人もいる、ク

           リスマスってなんだろう、人間ってなんだろう、なんて考えた今

           年のクリスマス・イブでした。

                

         ともあれ、静かに夜は開けました。寒いけれど穏やかなクリスマスの朝です。

             

                    Merry and Happy Christmas
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クリスマスの思い出-A Christmas Memory

2011-12-24 11:15:02 | 
クリスマスの思い出
山本 容子,村上 春樹
文藝春秋
A Christmas Memory
Beth Peck
Knopf Books for Young Readers


        トルーマン・カポーティは『ティファニーで朝食を』がとても有名ですが、

        恐ろしいノンフィクション・ノベル『冷血』も有名です。英語で小説を読

        むのが何とかでき始めた頃、最初に読んだのが『冷血』でした。おぞま

        しい内容なのに、文体が簡潔明瞭で、英語力より感覚で読めたので

        しょうか、長編を瞬く間に読み終えた記憶があります。

        

        それに比べてこの『クリスマスの思い出』のやさしさは何でしょう?

        今度はじっくりじっくり味わって読んでいます。村上春樹が「イノセ

        ント・ストーリーズ』と名付けて、カポーティーの小品を6作集めて

        訳を出しています。そのうちには山本容子のユニークな銅版画がつい

        ている版も出ています。どれもカポーティの子どもの頃の体験が背

        後にあるようです。彼は享楽的な両親に言わば見捨てられ、幼いこ

        ろ親戚の家を転々として過ごしたのだそうです。この『クリスマスの

        思い出』の主人公の親友で年の離れた従姉(60才を過ぎた、世間

        的にはちょっと知恵遅れの、それだけに子どもの心を失っていない)

        のモデルになった人もきっといたのでしょうね。カポーティは大人に

        なって、社交界の寵児となり、結局は社交界から追放されてといっ

        たスキャンダラスで自堕落な生活を送ったようですが、それだけに

        イノセントな子ども時代を取り戻したい気持ちが強く、このような

        一連の作品を書いたのでしょうか。『クリスマスの思い出』は原作

        で読んでも村上春樹訳で読んでも、ピュアで、切なくて、チャーミ

        ングな、心が悲しみと同時に喜びで満たされるようなお話です。

             
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Winter Symphony

2011-12-23 10:12:37 | ミュージック
Winter Symphony
Trevor Barry,Bjorn / Anderson, Stig Benny / Ulvaeus,Johann Sebastian Bach,Loris Ceroni,Harold Darke,Neil Diamond,Vince Gill,Charles Gounod,Franz Xaver Gruber
Manhattan Records

       クリスマス頃になると聴きたくなるアルバムの一つがこのサラ・ブライトマン

       のWinter Symphonyです。彼女の声は細い光沢のある絹糸とでも言えるで

       しょうか、クラシックの発声とポップスの発声を使い分けることができるそ

       うです。その3オクターブも出るという高音が気持ちよくて、彼女のCDは

       よく聴きます。中でもAmazing Graceがすてき。とても感動的な曲ですが、

       悔い改めた元奴隷船の船長さんが作った歌だそうです。

Time to Say Goodbye
Angel Records
Angel Records

      でも、なんといってもサラ・ブライトマンはこの曲Time to Say Goodbye。

      コマーシャルでもよく使われています。美声のテノール、ホセ・クーラとの

      デュエットはドラマチックです。かなり前、まだ久米宏がニュースステーショ

      ンをやっていた頃、サラ・ブライトマンが出演して歌ったのを覚えています。

      なんと美しい人だろうと思った記憶があります。今は50才を過ぎていると思

      いますが、相変わらずの美貌美声のようです。天が二物を与えた好例ですね。
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おいしい和菓子

2011-12-20 17:04:07 | グルメ
            

         茨城の和菓子をいただきました。栗づくしの本当においしいお菓子です。

            

         その包装紙がまたとてもかわいくて。子どもたちの向こうに見えるのは

         筑波山でしょうか。この間行った時に聞いた茨城弁の独特のしり上がり

         のイントネーションを思い出しました。この頃テレビでもお笑いの人が

         しゃべっていたりして、耳になじんできましたが、なんだかユーモラス

         に聞こえます。逆に私の関西弁は茨城の人には「けったいに」聞こえ

         るでしょうね。ほっこりした味の和菓子、日本茶に合います。

            

            でも、娘の作った洋菓子も負けず劣らずおいしい。幸せですねえ、

            和洋のおいしいお菓子が家にいながら食べられるなんて。
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心がやさしくなる季節

2011-12-19 22:57:28 | 季節
ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
バーバラ クーニー,Margaret Wise Brown,Barbara Cooney,上条 由美子
福音館書店


        野原に一本はえたもみの木は毎年クリスマスになると掘り起こされ、

        足の不自由な男の子のベッドのそばでクリスマスツリーになり、春

        になるとまた野原に植えられました。それが数年続いたある年、い

        つももみの木を掘り起こしに来る少年の父親がいくら待っても、やっ

        て来ませんでした。もみの木は暗い野原にひとりぼっち。でもその

        時はるか向こうからクリスマスキャロルが聞こえてきました。大勢

        の子どもたちがやってきます。その先頭に立っているのは、あの足

        の不自由な男の子でした。元気になった男の子がもみの木に会い

        に来たのです。

        

        この1954年に書かれたマーガレット・ワイズ・ブラウンの『ちいさな

        もみのきThe Little Fir Tree』は半世紀以上経っても色褪せない名作

        絵本です。静かな、詩をまじえた語り口と、楽譜入りの3つクリスマ

        ス・キャロルが特徴の、やさしい、温かい気持ちになれる絵本です。

        私はキリスト教徒ではないけれど、この時期、にぎやかなクリスマス

        商戦とは別に、とても静かな人を思いやる気持ちになるのはなぜでしょ

        うか。大切な季節の気がします。

                
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山茶花

2011-12-17 09:26:16 | 季節の花々
            

            お隣の庭の山茶花が今真っ盛り。山茶花ほどあちこちにさいている

            花もあまりないでしょうね。椿と似ているけど、花びらが柔らかくて

            椿のように首からぽとりと落ちないで、花びらが一枚一枚散るそ

            うです。ピンクの花がびっしり咲いた木はとてもにぎやか。

            

            「さざんか、さざんか、咲いた道、たき火だ、たき火だ、落ち葉たき、、、」

            『たき火』の二番の歌詞にも出てきます。親しみを感じる花です。

            

            八重咲きの派手な花もあります。『さざんかの宿』なんていう

            歌もありますね。「愛しても 愛しても ああ、他人の妻、赤く

            咲いても 冬の花。咲いて寂しい さざんかの宿」まさに演歌

            っていう感じの、でもきれいなイメージの歌詞の歌です。
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クリスマス・スピリット

2011-12-16 06:29:50 | 
Christmas Spirit: Two Stories by Robert Westall
John Lawrence
Catnip Publishing Ltd


        レコードやCDのジャケ買いと同じに、本も時々表紙買いをしますが、

        これもその一冊です。英国の児童小説作家ロバート・ウェストールの

        "Christmas Spirit"『クリスマス・スピリット』、中には"Christmas Cat"

        『クリスマス・キャット』と"Christmas Ghost"『クリスマス・ゴースト』

        というクリスマスにちなんだお話が二つ入っています。ウェストール

        のお話のほとんどの挿絵を描いているジョン・ローレンスの表紙が良

        いんです。雪の降る通りに街灯がぽつりと一つ灯って、その下を男の

        子が駆けていきます。いつまでも見ていたいような味わいがあります。

       

       『クリスマス・キャット』

       勝気なキャロラインは、あるクリスマス・シーズン港町で牧師をしている

       伯父さんのもとで過ごすことになります。そこで待っていたのは、手ごわ

       い伯父さんの家政婦ブリンドリー夫人。伯父さんを町の人々から遠ざけ

       て、我が物顔で牧師館を支配しています。当然キャロラインにもつらく

       当たります。ある日キャロラインは牧師館の納屋に忍び込んだ町の

       少年ボビーと出会います。貧しいが誇り高いボビーと彼女は不思議な

       友情で結ばれます。ボビーは余命幾ばくもない隣家の少女に、納屋で

       生まれた子猫たちを見せてあげたいと願い、彼女も賛成します。そして

       クリスマスの夜、納屋のほのかな明かりで、忍び込んだボビーたちは

       ブリンドリー夫人に見つかってしまいます。でもその光景は、ああ、な

       んとキリスト生誕の厩の光景とそっくりでした。感動した牧師の伯父さ

       んは、警察を呼ぶと騒ぐブリンドリー夫人を叱りつけ、みんなをクリス

       マスのご馳走にさそいます。怒ったブリンドリー夫人は牧師館を出て

       行き、戻りませんでした。それから何年後か、再会したキャロラインと

       ボビーは結婚し、そして今、キャロラインはその時のことを孫娘に語っ

       て聞かせているのです。     

かかし
Robert Westall,金原 瑞人
徳間書店


       ウェストールには『ブラッカムの爆撃機』(宮崎駿の『紅の豚』のヒント

       になったらしい)や、『海辺の王国』など実体験を基にした戦争絡みの

       読み物が多くあります。それ以外も、上の『かかし』のようないわゆる

       spookyな、背筋がゾクゾクするようなお話が多くて、ホラーの苦手な

       私にはちょっとつらいのですが、このクリスマスの二つのお話は、とく

       に『クリスマス・キャット』はウェストール独特の不気味さがあまりなく、

       それでいてぴりっとしたユーモアがあって、この時期になると読み返

       したいと思う好短編です。
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