キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

大塚美術館

2019-07-07 08:48:42 | アート
         

         神戸から神戸淡路鳴門道で淡路島を縦断し、大鳴門橋を渡ってすぐの

         ところに大塚美術館があります。オロナミンCなどで良く知られている

         大塚製薬が、地元で様々の経緯から陶板で名画を複製することを思い

         つき、この大美術館を創設したのだそうです。

         

         まず入ったところで、システィーナ礼拝堂のミケランジェロ原寸大巨大

         壁画に圧倒されます。数年前イタリアに行ったとき暑い中を長い間並ん

         で見たのが思い出されます。米津玄師もここで歌ったんですね。

         

         そう、ここでは、世界中のありとあらゆる名画を、並んで待つこともな

         くゆったりと心行くまで見ることができるのです。なんとぜいたくな。

         でも所詮複製?でも、ものすごく質の高いレプリカ。しかも原画の質感

         が再現されていて、触ることができる!写真も撮り放題。

             

         青い星天井の清らかに美しいスクロヴェーニ礼拝堂など、まるまる再現

         されています。賛否はあるでしょうが、これだけの規模のものを、これ

         だけの数、陶板で複製にして、しかも限りなく本物と見まごうばかりと

         いうのは、驚きです。

         

         

         

         

              

              

         

         

         

              

              

              

         

         何かの本でしか見たことのなかったゲーテの肖像画、

         

         なぜか心惹かれていたが、見る機会のなかったセガンティーニを見る

         ことができてよかった!、

         

         モネが熱望したけれど実現が難しかった「睡蓮の池」の戸外展示も。あま

         りにも名画だらけで、お腹いっぱいになったけれど、素敵な体験でした。
         
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ブルー・ポピー

2019-05-20 14:58:49 | アート
         

          日本橋高島屋で開催中の堀文子回顧展に行きました。

          今年2月100歳で亡くなられた日本画家です。徹子の部屋を見た

          ことがあるなら、背後の青い民族衣装の絵に気づかれているかも

          しれません。「アフガンの女王」という堀文子さんの作品です。

          この青いポピーはヒマラヤで孤高を保って咲く珍しい花で、実際

          に堀さんがヒマラヤに行って写生をしてこられたそうで、個展で

          はその映像も上映されていました。彼女の絵は年代によって色も

          技法も様々に変化して見飽きることがなく、また、良い意味で分

          かりやすく潔い印象です。日本画らしい端正さのある一方、非常

          に個性的でエスニックな所もあり、子どものために描いたアンデ

          ルセン童話の挿絵の柔らかな色、ミジンコやクリオネの絵の独創

          的な面白さなど、興味が尽きません。

        

         この展覧会のチケットは読み聞かせやコーラスで仲間の友人にいた

         だきました。彼女は素敵な上品な奥様ですが、太極拳の先生でもあ

         る活発な人です。彼女の家の広いお庭には堀文子も描いているよう

         な様々な花々が咲き乱れています。

        

        

        

        
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三菱一号館美術館でラファエル前派を観る

2019-04-01 10:43:55 | アート
       

           お気に入りの美術館「三菱一号館美術館」へ行きました。

           東京駅のすぐそば、閑静な地区にある閑静な美術館です。

           1892年創建、ジョサイア・コンドル設計の三菱のオフィ

           スが再建された赤煉瓦作りの素敵な建物で、中で開かれ

           る様々な西洋画の美術展ともども、訪れるたびに、豊か

           な気持ちにしてくれる場所です。

          

           今回はラファエル前派の美術展でした。この派の思想的支

           柱であったジョン・ラスキンの生誕200年ということで、

           彼の作品が多く展示されていましたが、おなじみのダンテ・

           ロセッティやエヴァレット・ミレーなどの作品もたくさん

           ありました。これはロセッティの「魔性のビーナス」。豊

           かな赤毛が印象的です。この頃、日本でも、フラッシュを

           焚かなければ写真を撮っても良い美術展が増えてきました。

      

           ラスキンは、美術は自然をありのままに再現すべきという

           考え方であったそうですが、ロセッティの絵とこの野辺の

           ナズナとでは、まるで美しさの種類が違います。自然のあ

           りのままの美と、芸術家の個性から生み出される独創美と。

           金子みすゞが言うように「ちがうからいい」んですよね。

      

      

      

      

           紫花菜と薄ピンクの石楠花、春の自然の絶妙な色合いです。
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展覧会

2019-03-04 16:45:46 | アート
           水彩画を習っているコミュニティ・プラザで生徒さんたちの

           作品展がありました。水彩画と言っても、アクリル絵の具を

           使うことが多いので、油絵と見分けがつきません。下の数枚

           は油絵、数枚はアクリル画です。写真の撮り方が悪くて、真

           ん中に光が入っていて、絵の良さが半減していますが。

           

              

           

              

           

              

              

           

              

           みなさん、それぞれ特徴があって素敵です。うち2枚は

           私の絵!まだ習って1年足らずですが、立派な額縁のお

           かげで、何とか鑑賞に耐えるでしょうか?

          

          隣で生け花展も開催していました。こちらも力作ぞろい!
           
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三菱一号館美術館

2018-10-31 16:16:52 | アート
           

           東京駅近く丸の内にある三菱一号館美術館はその名の通り、三菱の

           事務所として、かの有名なジョサイア・コンドルが設計した赤煉瓦

           の建物を美術館として復元したものです。

           

           上野の美術館群よりアクセスしやすいので、私のお気に入り。昔事務室

           であった小部屋に、少しずつ展示するという形式なので、大きな美術館
        
           で鑑賞するときのような、お腹一杯感がなくて疲れません。

           

           内装も部屋のインテリアも素敵だし。

           

           屋内から眺める中庭もきれいです。

           

           

           今回は、アメリカのフィリップス・コレクションの展覧会でした。印象派

           からキュビズムに至るモダンアートのコレクションです。ゴッホ、セザン

           ヌ、モネ、マネ、ユトリロ、シャガール、ルノワール、パウル・クレー、

           カンデンスキー、etc.ワシントンD.C.の大富豪ダンカン・フィリップス

           さんが、生涯をかけ、集めに集めた膨大なコレクションから選りすぐり

           の絵画彫刻が展示されています。日本の他の美術館と同じで、ここでも

           展示室内は撮影禁止ですが、すてきな内装の一室に複製画が数点展示さ
     
           れていて、そこは撮影可能でした。カンペンドンクの「村の大通り」、

           ジョルジュ・ブラックの「鳥」、複写だけど、良い!              
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足立美術館

2018-08-09 11:32:46 | アート
            

            米国の日本庭園専門誌で15年連続第一位に選ばれているという

            壮麗な庭園を持つ美術館です。この地で生まれた実業家足立全

            康が、大好きだった横山大観の作品やその他名だたる日本画を

            心血を注いで買い集め、その上、死に至るまで美しい庭園を造

            り続けた結果、日本中にその名のとどろく素晴らしい庭園美術

            館になりました。島根県安来市にあるので、川崎からはちょっ

            と遠く、かねがね訪れたいと思っていた願いが叶いました。

             

            

            

            枯山水の庭、苔の庭、白砂青松の庭、池の庭、建物の中から眺

            めることになりますが、借景の青々とした夏山、青空を背景に

            見事です。完璧すぎて却ってバーチャルリアリティーのよう。

            

            

            

            窓枠を額縁に見立てたり、自然の掛け軸の絵のように見立てたり、

            なんとも風情があります。

            

            横山大観をはじめ数多くの素晴らしい日本画は撮影できませんが
 
            ゆったりと見て回り堪能しました。かなり大きな童画のコレクショ

            ンにも心和みました。   
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我が家の極小トイレギャラリー

2017-02-13 15:19:59 | アート
                

                

                先月千葉の館山から送られてきたストックとガーベラが今も

                可憐に咲いています。                               

                

                うちのちっちゃなトイレにちっちゃな額を何枚か掛け、中の絵を

                入れ替えて楽しんでいます。今は先週三菱一号館で観たナビ派

                の絵を飾っています。これはナビ派の中心画家の一人、モーリス・

                ドニの「ミューズたち」。                

                

                これは、ナビ派の端緒となった象徴的なポール・セリュジエの

                「タリスマン」。ナビとは旧約聖書の預言者のことだそうで、メ

                ンバーが皆カトリック教徒であることから、名づけられたとか。

                    

                トイレのドアにはもう何十年来このドイツのNord-Sued出版社の

                絵本のポスターが張られています。はしっこがボロボロになって

                いますが、そのかわいらしさに、剥す気になれないでいます。

                

                でも何といっても、うちのトイレギャラリーのハイライトは写真の

                額です。私が撮った花や植物の写真が主ですが、旅行に行くと

                その後しばらくは旅先で撮った写真のシリーズが続きます。これ

                はスコットランドのエジンバラ郊外の世界遺産「フォース鉄道橋」。

                壮大な感じの伝わる良い写真だと自画自賛している一枚です。
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だれが風を見たでしょう?Who has seen the wind?  クリスティーナ・ロセッティの童謡詩

2016-08-02 11:18:20 | アート
            

            昨夜はゲリラ豪雨に襲われました。バケツをひっくり返したかのような土

            砂降り。英語でもbucket downなんていう同じような言い回しがあります。

            It rains cats and dogsという言い方はおなじみですよね。なんで猫と犬が

            降ってくるのか?渇水で困っているこの時期、水源地で降れば恵みの雨

            ですが。

シング・ソング童謡集―クリスティーナ・ロセッティSING‐SONG A NURSERY‐RHYME BOOK訳詩集
安藤 幸江
文芸社

            英国の詩人クリスティーナ・ロセッティにこんな詩があります。

            "If all were rain and never sun, No bow could span the hill;

            If all were sun and never rain,there'd be no rainbow still."

            「もし雨ばっかりでお日さまがなかったら、丘に虹はかからない

            もしお日さまばっかりで雨がなかったら、やっぱり虹はかからない」

            5歳になった孫娘が、自然や天体のことにいろいろ興味を示します。

            虹をとても見たがっているのですが、まだ見たことがないようです。

            

             雨は大事。でもお日さまも大事。極端なのが困りものですが、

             自然は人間の言いなりになってはくれません。

            

            ロセッティの童謡詩を読んでいると、以前に行った彼女の故郷

            イギリスの美しい風景を思い出します。

            

            

            

            特に風に揺れていた野の花々の可憐だったことを。ロセッティの詩には

            風をうたったものが数多くありますが、一番有名なのはこれでしょうね。

            Who Has seen the wind? Neither I nor you:

            But when the leaves hang trembling The wind is passin thro'.

            「だれが風を見たでしょう? ぼくもあなたも見やしない。

            けれど木の葉をふるわせて、風はとおりすぎてゆく」  西条八十訳詞

            小学校の音楽の教科書に載っていた気がします。

            ほんとにそう、風って見えないんです。隙間風、熱波、暴風、寒風、

            そして、そよ風。写真で風を表すのは至難の業です。でも、こんな

            にも五感で感じる自然現象は他にないでしょう。ほら、今も窓から、

            セミの声と一緒に優しい風が吹きこんできました。
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オフィーリア―ラファエル前派ミレイの絵から

2016-07-23 17:06:14 | アート
             

          シェイクスピアのハムレット、狂気に陥り水死したオフィーリアを描いた

          ジョン・エヴァレット・ミレイの有名な絵です。ラファエル前派らしい濃密

          で美しい表現によって見る者はロマンチックな世界に引き込まれます。

          この絵を思い出したのは、先日の新聞に、朝日広告賞の最高賞を受

          賞したこの絵のパロディーが掲載されていたからです。

             

          「死ぬ時くらい好きにさせてよ」というコピーの下で、オフィーリアに扮

          した樹木希林さんが幸せそうな顔をして水に浮かんでいる写真です。

          「高齢化社会が進む日本社会に「いかに死ぬか」を問いかけるもの

          だそうです。スタジオで温水に浮かぶ樹木希林さんを撮影したのだ

          そうで、周りの木や草花なども本物の絵そっくりです。生きることば

          かり考えず、美しく、自分らしく死ぬことも考えてみてはと問いかけて

          いるのでしょう。それはわかるし、パロディーと言うものの性質も分っ

          ているつもりなんですが、原画のロマンチックな美しさが多少冒涜さ

          れているのような気がして、あまり気持ちよく見れなかったのですが。

          だけどね、こんなふうに印象の強い、よく知られている絵は様々に

          パロディー化されていることを知って、ああなるほど良い所に目を

          つけたなと思った次第です。

             

          だって、この絵などオフォーリアは人間でさえないのですから。
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三菱一号館美術館

2015-02-08 10:49:48 | アート
              

              米国ワシントンD.Cのナショナル・ギャラリー展が始まった丸の内の三菱

              一号館美術館ヘ行きました。この建物は建築家ジョサイア・コンドルが設

              計して1894年に建てられた日本初の洋風事務所建築のレプリカです。ク

              イーンアン様式なんですって。高層の近代ビルのはざまで異彩を放ってい

              ます。綿密な調査研究の末2009年に元の形そっくりに復元されたとのこと。

              

              

              

              各部屋は白い壁に濃色の木の枠取りで、おしゃれな暖炉があり、貸事務所

              として使われたので、それぞれの部屋はそんなに大きくありません。こんな

              所なら、優雅な気持ちで仕事ができたでしょうね。各部屋に印象派の絵が

              数点ずつ、2階から1会へと巡って鑑賞していくのですが、ちょっと迷路のよ

              うです。ナショナル。ギャラルーからやってきたルノワール中心の印象派の

              絵も良かったけれど、途中の一部屋に今改装中の静嘉堂文庫所蔵のすば

              らしい陶磁器が展示されていて、それがなぜだか感動的なほど美しく感じ

              られました。「洋」の印象派の中に思いがけず「和」があったからでしょうか。

              そういえば、印象派はジャポニスムの影響を強く受けているのですね。

              

                 ここは中庭もステキです。梅がほころび始めていました。
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